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結婚式当日です

「国王陛下並びに王妃陛下、我ら家臣一同心よりお喜び申し上げます」


 薄情者達め!!





 遂に生け贄として捧げられる時が来た。


 私は侍女達に純白のウエディングドレスを着せられ、結婚式の始まりを待つ。


 あのイケメン陛下と会うのは儀式用の広間になり、結婚式と王妃の戴冠式を同時に行う。


 何事もなく終わるのを願うしかない。


 因みに私の逃亡は城門で待ち構えていた陛下に捕まり終了。


 騎士団とのおいかけっこはだいぶ疲れました。


 疲れきっている私を丸洗いしてテキパキと着替えさせた侍女達は凄いと思う。


 なんて、現実逃避をしていたら時間となった。


 覚悟を決めて立ち上がり、控えの間を出ていく。


 そして、儀式用の広間に着いた。


「王妃陛下、御入場です!!」


 騎士の合図で扉が開く。


 私は扉が開ききって足を一歩踏み出した。











「オディーリア!!」

「!?キャア!!」


 イケメン陛下の鋭い声に我に返った私は目の前に迫る白い光に驚いて後ろに転けた。


 そして、光は爆発して閃光となり辺りを包んだ。


 眩しさに誰もが瞳を閉じて光が収まるのを待つ。


 光が収まったのを感じて瞳を開けるとそこに映ったのは純白のウエディングドレス。


 ただし、体に違和感あり。


 恐る恐る手を見ると幼女な(いつもの)私の手。


 驚いた瞬間に元に戻ったようだ。


「オディーリア!!」

「!?民は!?」


 陛下の悲愴な声に私は先程までバルコニーで民に向けて手を振っていたのを思い出す。


 私の言葉に騎士団長が指示を飛ばしていた。


 陛下は自分が羽織っていたマントで全裸になった私を包み抱き締める。


 私はそんな陛下にお願いをした。


「陛下、バルコニーに出てください。民を静めなくてはなりません」

「……わかった」


 陛下は私を見て一瞬悲しい光を宿してバルコニーに出てくれた。


 やはり民は騒然としていた。


「国民の皆さん、落ち着いてください。私は大丈夫です!!慌てずに騎士団の指示に従ってください!!」


 民は私の姿に驚いていたが呪いをかけられたにも関わらず気丈な姿で民を心配した事が民の心を揺さぶったらしい。


 私の名を叫ぶ民達。


 ……私の話聞いているのか?


 そんな私を他所に騎士達が民を誘導していく。


 私は民が誘導されて行くのを少し見て陛下が城の中に入ってしまった。


 それからと言うもの……私は呪いをかけられても気丈に振る舞う健気な王妃……と言うレッテルをはられた。


 まぁ、これで幼女な姿で城の中を歩いてても文句言われないよね。


 今日は緊張のあまり記憶が無いほど疲れ、バルコニーでの事件もかさなり部屋に戻ったら気を失った。


 もうあんな危険な目には遭いたくない……。


 薄れゆく意識の中、私は願った。




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