もしかして
次の日の朝…なんとも偶然にも夏実ちゃんとばったりあってしまった。
…
なんて気まずいのでしょう…。
「あ、おはよう。夏実ちゃん。」
「あ、直斗くん…おはよう。」
…
すぐさま沈黙。
…
「あ、昨日って…オレバイトだったんだー…な、夏実ちゃんは…その…昨日は、なにしてたかなぁ…なんて…」
「えっとー…、部屋でゴロゴロって感じかなぁ。あははぁ…」
と、なんともお互い気まずすぎた…。
夏実ちゃん…みさきが来たこと言わないんだ…。
…
「あ、じゃあオレこっちだから」
「うん、またね!」
と、それぞれ別々の方向へ向かった。
…
夏実ちゃん…。
あー…、これから夏実ちゃんたちはどうなってしまうのだろうか…。
夏実ちゃんは、まさかついにみさきにおもいを打ち明けた…とか⁉︎
だとしたら…みさきは夏実ちゃんの気持ちに応えてくれた…ってことだよな。
夏実ちゃん…よかったじゃん…
もしかしたら…みさきも夏実ちゃんを柚乃さんよりも好きになってしまったのかもしれないな。
柚乃さんは、柚乃さんでいいところもあるけど夏実ちゃんも夏実ちゃんで魅力的だもんな…。
みさきは、やっぱり最強だ。
そんなある日、夏実ちゃんからメッセージが届いた。
今度の日曜日バイトお休みなんだよね?と。
あー、たしか一か月前くらいに夏実ちゃんからその日予定ある?できたらお休みにしてもらえないかな?って言われてたんだった。
忘れてたけど、シフトはだいぶ前に休み申請してるからそのまま休みになっていたんだ。
休みだよ。と返信すると夏実ちゃんは、大事な話があるからその日の十一時にうちに来てほしいの。
と、連絡がきた…。
…もしかして大事な話って…みさきとの交際とか…?
でも、なんでそんなに前から…
まさか夏実ちゃんは、こうなることをすでに予想していたとか⁉︎
ずっと一人で作戦をたてていたのだろうか…
大事な話って…まさかわたし達付き合うことにしたから、柚乃さんにこのこと伝えてもらえない?とかだったら…どうしよう。
…それは…どうしよう…
…
でも…二人から言われるより柚乃さん…オレから言われた方が傷つかないのかな…。
そうだよな…。オレがいうのが一番いいのかもしれないな。
修羅場とか見たくないもんな。
よし‼︎
頑張ろう‼︎
とにかく…オレの伝え方によっては、夏実ちゃんと柚乃さんが絶交しなくてもいいことになれるかもしれないもんな。
ここは、オレの伝え方にかかっているんだ。
夏実ちゃん‼︎オレ頑張って柚乃さんに伝えるよ‼︎
夏実ちゃんにしてあげられる最後の大仕事になるかもしれないと、オレは必死に柚乃さんにどう伝えようか考えた。
続く。




