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おてて

 あー…大丈夫かなー…

 

 横で口喧嘩とかならないよね…?

 

 

 

 オレの右隣にみさきが座っていた。

 そして左隣に夏実ちゃん、柚乃さんが座っているんだけど…

 

 二人の会話が気になる…。

 

 ちょいと耳をすまさせていただきますよ、と。

 

 

 うーんと、なになに?

「夏実ちゃん浴衣かわいいね。」

「ありがとう。柚乃ちゃんも似合ってるよ」

「ほんと〜、嬉しい」

「あ、そういえばさっき屋台でいちご飴売っててね、」

 となにやら普通の会話っぽかった。

 

 ホッ。

 

 一安心ー。とオレは油断していた。

 

 すると話題がいつのまにかみさきの話題になっているじゃないかっ‼︎

 

「だよねー。みさきくん中学のときもモテてたよー」

 と小声で話しているじゃないか‼︎

 

 まさか柚乃さん…みさきくんかっこいいねとか言ったわけ?

 

 もしかして夏実ちゃんは、みさき狙いって柚乃さんに言ってなかったの⁉︎

 

 だとしたら…これはもうぐちゃぐちゃになるんじゃないんっすか⁉︎

 

 ど…どうしたら…

 

 …

 

 あ、みさきが誰かと付き合っちゃえば奪い合いにならない。

 

 なら、オレがみさきと交際を…って…そんなことできるわけないじゃないか。だってオレの心には夏実ちゃんが住んでいるんだ。

 

 そんな気持ちでみさきと交際なんて…失礼にも程がある。

 

 夏実ちゃんのためとはいえ…その行動は、よろしくないな。

 

 あー、もうわからないからいったんトイレでも行ってくるか。

 と、トイレに行こうとすると夏実ちゃんもトイレに行きたいとか言い出した。

 

 …

 

 あの二人がまたセットになってしまいますよ?

 夏実さんや?

 

 でも、夏実ちゃんはそんなこと気にしていない感じで、

「さ、直斗くん行こ!」

 と逆にオレが連れ去られる感じになりつつありますよ…。

 

 あれ?夏実ちゃんは、もしかしてあの二人を一緒にいさせておいても大丈夫って余裕がおありなのかしら?

 

 それならそれでいいけどさぁ…もしもあの二人がお祭りテンションでさ…うっかりテンション爆上がりでチュ〜なんてしていたらほんと…もうオレはどうしてあげることもできませんよ?

 

 なんて悶々としていたらいきなりオレの手をキュウって握りましたよ?

 

 ん?

 混んでるから小さい子がオレを誰かと勘違いしてオレのおててを?

 

 と、オレは自分の左手をみた。

 

 ⁉︎

 

 オレの手と繋がっていたのは…幼い子なんかじゃなく、夏実ちゃん⁉︎

 

「え…」

「ふふ、人多いから迷子にならないように繋いでていい?」

 イイ‼︎もちろんいいに決まってるよ!

 

「そうだね!混んでるもんね」

 とオレは夏実ちゃんの手をギュッとした。

 

「なんかさ、昔はよく手繋いでたのにね」

 なんて言いながらニッコリする夏実ちゃん。

 

 あぁ、そういえばオレ昔は夏実ちゃんに手繋いでもらってたっけなー…。

 

 今も変わらず夏実ちゃん主導だ。

 

 オレはほんとにかわれたのかな?

 夏実ちゃんに釣り合うようにって頑張っだけど…

 なんか昔とかわってない気がしてきたな…。

 

 

 夏実ちゃんに引っ張ってもらってさ…。

 

 …

 

 トイレから戻ると夏実ちゃんは、オレを見つけて

「おまたせ」

 とオレに駆け寄ってきてくれた。

 

 このままオレの胸に飛び込んできなよって心からそう思ったけど…そんなこと言われたら夏実ちゃんだってキモいって思うよね?

 

 なんなら聞こえていません!的なスルーとか…ね。

 

 さて、キモ話はおいといて…どうしよう…

 

 手…帰りも繋ぐ?

 

 行き繋いでたから帰りもそうなるよね?

 

 じゃあ、今度はオレから!

 

「夏実ちゃん、オレちゃんと手洗ってきたから…帰りも繋いで行く?」

 と手を差し出した。

 

 夏実ちゃんは、

「うんっ」

 となんの抵抗もためらいもなくオレの手を握ってくれた。

 

 …もう幸せ。

 これだけでオレは幸せだ。

 

 夏実ちゃん…オレに幸せをありがとう。

 

 でも、もうオレは充分だよ。

 

 今度は、夏実ちゃんのターンだ。

 みさきと頑張れ!

 

 続く。

 

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