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大丈夫⁇

 夏実ちゃんは、結局溶けたかき氷をジュースみたいに飲んでいた。

 

 うん。かわいい。

 ってかさぁ…もうただ呼吸してるだけでかわいいんだよねぇ。

 

 あーーーっ‼︎なぜオレの幼馴染は…こんなに…こんなにっ…か、かわいいんですかぁーーっ⁉︎

 

 そんな夏実ちゃんをジーっとオレは、ほっこり眼差しで見つめた。

 

 …でもなんか別のところからオレを見つめる視線を感じた。

 

 視線のほうを見ると、

 

 ⁉︎

 

 み、みさき!

 

 夏実ちゃんを凝視するオレをみさきに見られていた。

 

 …

 

 オレがみさきに一応ニッコリしてみたら、みさきは親指をグッとたてた。

 

 任しとけ!みたいな感じで…

 

 …えと、みさきさん?

 違うんです…オレに協力とかしないでくださいね?

 そんなことしたらややこしくなりますのでね?

 と心で訴えかけるも…音信不通。

 

 どうすりゃいい?

 

 みさきに、夏実ちゃんはみさきが好きなんだよなんて言えるわけないし…

 

 あー…困りました。

 これはもうハプニングですね。

 

 もしくは…事件です。

 

 どうしたらいいものか…

 

 …

 

 だれかオレを…幼馴染初恋事件で…オレをとっ捕まえてもらえないでしょうか?

 

 それとも恋人になりそこね未遂事件…

 

 いや、事件ってわけでもないの?

 

 なら何?

 

 心の大安売り中…とか?

 

 本日、幼馴染への愛が十パーセント増量中です!的な?

 

 えー…、なんかもうわからなくなってきた…

 

 強めのパーマかけたくなるくらい頭パニックです。

 

 あー…、これは一体…

 

 みさきさん…頼むからオレへの協力は、どうかおやめください。

 

 という願いもむなしく砕け散りました。

 

 みさきは、行動が早い。

 捕まえようとしたら逃げる蚊くらい早い。

 

 そんなわけでみさきが柚乃さんに、

「あのさ、喉渇いたからジュース買いに行くの付き合ってよ」

 と二人してスタスタと行ってしまった。

 

 あーぁぁ…みさきーー…

 

 オレに気を遣ってくださるのはありがたいけどさ…でも、これじゃ…夏実ちゃんと柚乃さんの仲も危うくない⁉︎

 

 後でさ、夏実ちゃんと柚乃さんがみさきを奪い合うとかさ…。

 

 はじめに言ったよね?わたし、みさきくん好きって言っといたよね⁉︎聞こえなかったのですかぁ?って夏実ちゃんが柚乃さんにいうみたいな…。

 

 あなたは、わたしの幼馴染とよろしくやっていたらよかったのにっ!みたいな?

 

 えー…、夏実ちゃんがどんな怒り方するのかわからないけど友達関係が崩れてしまうのは、よくない気がする…。

 

 残されたオレと夏実ちゃん。

 

「あの…みさきってさ、よく喉乾くからさ…きっと一本じゃ足りないから柚乃さんは、お荷物持ちに一緒に行ってもらったんだよね…きっと…」

 

 と、よくわからないフォロー的なものを入れてみた。

 

 すると夏実ちゃんは、

「そうなんだぁ」

 とあまり気にしていない様子で返事をした。

 

 …こ、これはほんとに気にしていないか、もしくは…はらわた煮え繰り返っているかのどっちなのだろう…。

 

 

 えー…、わかんねー…。

 

 とにかく今は、柚乃さんがみさきを好きにならないことと、早く二人が帰ってくることを祈るばかりだった。

 

 かき氷食べて少し涼しくなったのに、また変な汗が出てきたよー…。

 

 

 みさきー…。

 早く帰ってきてー…。

 

 もう、小学生の低学年がお母さんの帰りを待つかのような心の状態だった。

 

 みさきの姿が見えるとオレはホッとした。

 そしてとあることをすぐさま確認。

 

 よし、ひとまず安心。

 

 みさきと柚乃さんがおてて繋いでなくてよかったー。

 

 そして夏実ちゃんも柚乃さんに普通に、

「おかえりー」

 と声かけしていた。

 

 見た感じは、普通だよね?

 はらわた煮え繰り返ってないよね?夏実ちゃん?

 

 大丈夫だよね⁇

 

 

 続く。

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