表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

369/385

ぢょおうさまとおよび -Adora me-・11

(しかし、今となってはジロキチもヘタを打ったと思うのですよ、小官)


えええええ。


ジョスリーヌさんの、この爆弾発言。


心話で繋がっておる方々を含めて、皆が驚きます。


しかし、ジョスリーヌさんは平静な顔で申されるのです。


(犯すだけなら罪にならんでしょ…今なら。ただ…痴女皇国で実施しておる強姦検定に合格しておく必要はありますがね)


あ…!


確かに、仰る通り。


そして「女たちにアレを恵むだけであれば、ジロキチがエタヒニン身分となっている必要はあると思うが、下着を含め盗みを働くことさえしなければその罪状は他人の家宅に無断で侵入した罪のみとなるだろうし、犯罪の性質からして発覚しないか、発覚したとしても微罪または不問でせいぜい痴女皇国か三河監獄国に送られる程度で済むだろう」ジョスリーヌさんはそうも言い切られるのです。


(そして、強姦魔ならばそれこそ黄薔薇騎士団に入れてやれば済むのですよ…ま、実際にジロキチの身柄、私どもで預かっておりますからそのつもりですけどね)


えええええっ。


(まぁ、あとは盗難品の買い戻しを含めた補償程度で済むでしょう…リブレ・エロティク…エロホンの作成は小官の方で差し止めておきましたので、世間に醜聞が流れることは食い止められると思いますよ)


ええと、これ、言っちゃっていいんでしょうか。


なんと、ジロキチとやらは、犯した女たちを恐喝していたのです。


それも、聖環の機能でっ。


恥ずかしい姿や、未成年の方にはお教えできない行為を画像映像として記録してたそうなのですよっ。


(これもアホかと思いましたよ…自ら犯罪の記録を残す間抜けがいるかと…ま、おかげで立証も楽でしたがね)


ええとぉ、男ってのは自分の行為の映像や画像を記録するのが習い性なんでしょうかね。


ええ、フユキにその趣味が。


(イリヤさんのエロ本は出回ってしまってますね…)


(ベラ子陛下のもありますね)


(うむ。パスタ女のは新刊セットとか特選オススメ集とか色々と)


(カエル女だって似たようなもんでしょうがっ)


そう、痴女皇国の女官には避けて通れない、自分の生活のエロ本化。


今や本国の皇族扱いとなってしもうたこのわしでも、回避不可能なんだそうです…。


ただ、ジロキチのそれ。


さすがに痴女皇国そのものではなくて提携国家である比丘尼国での出来事ですので、無条件にエロ本化されてしまう訳でもないそうです。


(レーヌ・イリヤはもはや痴女皇国の皇族ですので懲罰記録を閲覧する権限があります…小官の職権で、ジロキチの罪の記録としてご覧頂きます…)


なるほど。


で、わしは改めてこのジロキチが歪んだ理由を察することとなったのです…。


まず、ジロキチの変態性癖と欲望の源となっていた、そもそもの変態男の遺伝子とやらの出どころ。


以前、南洋王国に出現した鬼畜変態であるシュウサク・カイサク・トウサクの汚っさん三兄弟とかいう連中だそうです。


https://ncode.syosetu.com/n6615gx/161/

https://kakuyomu.jp/works/16816927860203867915/episodes/16817330662829734949

https://novelup.plus/story/361723636/523873245


そして、その恐ろしさについては、過去にオリューレさんや、淫化北部の海岸沿いに存在するマンコラ保養所の監督役であるレオノールさんなどからもお聞きした記憶があります。


何せ、関係者が複数、淫化帝国にお越しになったり赴任して来られてましたからね。


(あの…いまさら、あのシュウサク三兄弟をNBで蘇らせるとか絶対やめてくださいねイリヤさん…雅美さんもベラちゃんもジョスリーヌさんも、あいつらがどんだけ危険な変態だったか知ってるでしょ?しかも加藤さんが陰陽術であいつらの遺伝子を受け継いだ偽女種を強化したせいで、江戸の街がどんだけ恐ろしい事になったかも…)


ええ。


マリアンヌ様から、速攻で苦情が飛んで来ました。


しかも、その偽女種たちは駄洒落菌によって偽女種化された連中であったことから、そいつらが動き回るだけで普通の一般男性にまで感染者が広まり、アレをして子供を産ませるよりももっと迅速かつ広範囲に変態が増殖する羽目になったらしいのです…。


あ、悪夢や…これ以上の悪夢があるのでしょうか。


あの魔王やロッテでも、こんな地獄を簡単には生み出せないのでは。


(できるけどやりたくない。考えてみろイリヤ…苗床を使うとな、変態と化した偽女種を量産しようと思えばできるんだぞ…ああ、お前に言われるまでもない。私はそこまで鬼畜じゃないからな…)


(魔王にも絶対にすんな、禁じ手にも程があるって言っといてよ…)


ええ、仮にもそんなものが何かの手違いで生み出された場合、淫化で処理してもらおう。


わしは固く固く、決意しました。


ちなみにロッテいわく、兵隊魔族は敢えて生殖機能を持たせてはいないそうです。


(それこそ地獄になるだろ…)


こいつはそういう良識があるのでまだマシだと思うのですが、問題はそのジロキチですよ。


ジロキチを産んだのはまさに、河原者と言われた賎民階級の女だそうです。


それも、カブキという舞踊演劇の劇場の門番役だった男と婚姻を結んだために、その男の息子として生を受けることになったものの、建築職人の道を進んだジロキチ、賭博に耽溺(たんでき)して勤務先や親に迷惑をかけ放題となった経緯を教えられます。


勘当(かんどう)を言い渡され、奉行所にも久離(きゅうり)の申請が出たことで、人別帳からも札付きどころか帳外(ちょうはずれ)の扱いとなったのです…)


どういう措置なんでしょうか。


(ええと、大岡さんの言葉をイリヤさん向けに翻訳するとね…例えばヤスニ氏族の戦士で、戦士同士で賭博行為を重ねた挙句、借金を抱えた人物がいたらどうなるかしら)


(海岸村へ放逐(ほうちく)ですね)


(で、比丘尼国だと借金や遺産の包括相続といった法制度の整備はまだこれからだから、例えば鼠小僧が職人の時代に作った借金でもね、親元へ賭博の胴元や高利貸しが借金の証文をちらつかせて取り立てに来る訳なのよ)


えええええ…いや、わしはリュネの出な上にですね、痴女皇国に来てからも金でものを売り買いする行為を一般に広める途上にあった淫化や女裂振珍(めきしこしこ)の暮らしが長かったせいで金のやり取りに関しては疎いところがありますけどね、それでも子供のこしらえた負債を親に、あるいはその逆は無理筋か、あるいは筋が通っていたとしても道理としてはよろしくない。


そう、思えてしまうのです。


(これはイリヤさんも覚えておいてね。連邦世界では東京市という名前になった江戸の街ですが、ある時に関東大震災という大きな地揺れが襲いました。そして、お昼ごはんの支度をしていた時間に起きたせいで、単純に多くの建物が崩れたり倒れただけが被害ではありませんでした。普通は食事時間の前にはさ、食べ物を煮たり焼いてるわよね…)


あ…!


(そう、あちこちで大火事が発生したのよ。そして死者・行方不明者10万人を超す結果を日本に与える大災害となりました。そしてね…当時の日本の統治者は江戸幕府から近代的な政府へと転換されて民間から選ばれた人々に代わっていました。そしてかつては幕府が主導あるいは制限をかけて干渉していた商業や工業も、資本金や労働者さえ確保できるなら普通の人々が自由に参入できることになったのよ、他の進歩的な国々と同じように)


ふむふむ。


(例えて言うなら淫化コーラ、他の痴女皇国生産品と同じで今は淫化帝国の直営工場が生産してるでしょ。あれを普通の人が自由に作って売っていいってするようなことなのよ…ただ、売れなかったら淫化コーラを作るために雇った人に報償金も払えないし、原料を買うことも工場を動かすこともできません。そして工場を建てるために、他のお金持ちからお金を出してもらってたらどうなるかしら?)


…なるほど、そうした事業を起こすためにも、人は借金をするのですね。


ばくちで借金を作ったり、金で女を買ったり豪勢な遊びをするよりは遥かに真っ当なお金の使い方に思えます。


(でもね…借金は借金でしょ…そして、人が簡単に防げない部類の災害のせいで、借金を返そうにも返せない困ったことがあちこちで起きちゃったのよ…)


(その時の日本の王なり皇帝なりはどうなさったのでしょう…)


(普通なら借金を帳消しにすることを考えるわよね。でも、その当時の日本は政府にもお金があまりなかった時代で、そうした借金の補償を国が肩代わりしてあげることなんてとてもとても難しかったのね。そしてもっと大事なことがあるわよ…お金を貸した人も、自分のお金をただ単純にあげているんじゃなくて、返すあてがあるから貸したわけでしょ…つまり、借用証って言う名前になるんだけど、借金の証拠の紙を一定の決まりのもとで作成して貸し手と借り手がそれぞれ持つことで、自分の財産を人に貸し与えたり、人からお金を借りていますという証拠の書類を作っていないと、借金とは認められないようにされていたの…そう、借金も一種の財産として、税金がかかったり税金をおまけしてもらう根拠になるのが近代法での借金の扱いなのよ)


なるほど…いわゆる債権や債務という概念に当たる講義ですね、雅美さんのこのお話。


(で、まず、借金が存在することと、その金額はもちろん貸した人借りた人がどこの誰でいつ金銭を貸し借りする契約を結んだのか、そして返済期限はいつだとか、貸した人の権利として手数料となる利子を取れるんだけど、その金額は借りたお金の何割になるかなんてことをその証文に記載するのが基本手続きです。つまり、第三者…特に、不当な利子を請求したり無理矢理にお金を貸して借金をでっち上げて他の人の財産を合法的に奪い取ろうとする行為を犯罪として取り締まる立場の人にも、借金の金額や他の情報がきちんと伝わるように書類を整えておかないと、悪人も被害者も困ることになるわけなのよ…高利貸しと言われてて世間にはあまり良い目で見られていない人たちでも、この借用証の書き方を守るか、最低でもきちんと理解していないとそもそも高い利子を請求できないのよね)


なるほど、掟の抜け穴を探る悪人であろうと、その穴に通じておらねばあっさり捕まってしまうことでしょう。


そういう悪知恵の回る悪人にしても、守るか破るかは別として、掟を学ばないと悪事を働けない世の中で起きた大災害というわけですね。


では、悪事を取り締まる国の側ではどうするのでしょう。


(江戸時代は奉行所で裁判を行なっていました。または、規模が大きく重大な犯罪や民間事件は将軍様や幕府の幹部が寄り集まって会議を開いて処置を決めることもありました。大岡忠相さんが出世したのはそういう重大事件をうまくまとめる判決を出して将軍様や他の幹部に支持を受けたからでもありますけど、そういう統治方法は人治主義といって、その時々で判決が変わってしまう危険が常に存在します。そこで考えられたのが、まずは借金にかかわる法律を作って借金なら借金の利子はいくら以上の比率で不当な請求をしてはいけないとか、あるいは借金のカタに人を売り飛ばしたり勝手に他人の持ち物を処分してはいけないなど、貸し手と借り手の義務や権利を定めることでした)


なるほど、掟を作ったと。


(で、実際に借金で揉めた人を裁く裁判所では、どういう事が起きたらどんな判決を下したかを記録することにしました。そして、お奉行さまに該当する裁判官や判事といった役目の人は、まずは過去の判例を参照して同じ事件を処理したことはないか調べるのがお仕事の1つになったのです)


ただ、地震や台風といったリュネ世界にはなくとも痴女皇国世界や連邦世界では発生する部類の災害、それも大規模な災害にあっては、お金を返そうにも返せないでしょう。


裁判所が、どんな判断を下したのか。


それこそが、雅美さんが私や他の人々に教えたいことなのでしょう。


(その通り、さすがイリヤさん…で、大いんし…大審院という当時の最高の判断を下す裁判組織の頂点では、こんな判決をまず出したのよ。それは…「債務は履行されるべし」…つまり、いかなる理由があってもまず、借金は帳消しに出来ない存在だと定義した判決を出したわけなのね…これは法学の基礎でもあるし、更には人の権利や義務をまず定義するのが法治国家って存在の基本なのよ…)


あーなるほど、帳消しにしてあげるにしても、人の持ち物の価値を簡単に引っくり返せないように定めるわけですね。


この権利と義務という考え自体は、リュネ世界でもその原型となる程度のものが既に考えられておりましたので、わしはもちろん、メリエンのようなそういう揉め事の処理にも関わる職務の連中はよく知っておると思います。


(ただ、借金に対してあまりに無茶な利子を請求したり、理不尽な返済条件や無茶な返済期限を取り締まる法律が出来るまではね、高利貸しと言われる人たちが割とやりたい放題やってたのよね…だからこそ幕府でも血縁者の借金を相続できないようにする措置を考えたわけでね…なにせ、借金を返せないとなったら男の子は奴隷同然、女の子は吉原のような売春店に売り飛ばすってことが普通に行われてたのよ…)


あがががががが。


それはまずいですね…なるほど、なぜそういう借金を重ねた者を絶縁者扱いにしてしまうのか、理屈がわかります。


ええ歳こいた男なり女が、勝手に作った借金の肩代わり、何も知らぬ親に請求されたらたまったものじゃないでしょう。


(で、そんな放蕩息子はうちの家族じゃないって怒って縁を切ってしまうのが勘当って家庭内の懲罰処置になるのよ)


(いりや様…そして、そのような勘当者を出した家については、奉行所へ赴きましてな、かくかくしかじかの理由事情にて勘当を申し渡しましたるという届け出を致すのですよ。大岡)


(で、その勘当の届け出を遠山なり長谷川が認めると久離免状が出されまする。そして次郎吉なら次郎吉の人別帳を備えておる寺にも伝わりまして、帳外…次郎吉の家の人別帳から外すと記されてしまいまする)


(まぁ、現代で言う世帯分離や戸籍謄本の別記分記と相続放棄を一気にやっちゃうようなものね。つまり家から放り出したから借金や賠償の話は当人にしてくれって宣言を奉行所に認定してもらう訳なの。そして承認が出たら、戸籍から外されて独り者にされちゃうのね…)


(で、無宿者となった次郎吉ですがね…えらいことがわかったんですよ…じょすりぬ様…)


(ふふふ、運命というのはまことに数奇なもの…まさか、あのタカシゲとオミヨが生まれ変わった成れの果てだったなどとは…)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ