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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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王の帰還 -Reditus Regis-・10.6

リュネの王政に復帰出来るに当たってはかなりの重荷に思える課題を突きつけられ、重い足取りで廊下を進むアトハとリミニですが。


「まぁまぁ。極論を言えば号令をかけてもらうだけでよろしいんですわ。その後のアフターケアはうちがやりますんで」


よしよしと宥めておられるのはジーナ様です。


(ええかアトハとリミニ…これは新しい国の立ち上げも同然や…そしてここで西方族への処遇も盛り込んで色々と話をしておく方が後々効く、絶対に効くんや…今後のルーン大陸の人口はリュネ世界の当時よりも更に西方族が増える見通しやからな…数の上では西方が多数派なのや…)


そして、従わなくば滅ぼすというわけにもいかんのです。


で、私らはどこへ向かっているのか。


文教局は初日にアトハとリミニを案内して授業を体験させるなどしております。


そして地下墓所も、痴女宮への転送時に経由しておりましたついでに見学させておりますので、残るは…。


(淋の森の視察ですが、アフロディーテ様が付き添われるそうですよ。で…)


と、エロス文教局長から心話が参ります。


つまり、わしらは淋の森を目指すのですが、その際にえれべーたーで出納部…財務3部側の乗り場から地下鉄とやらに乗ることになるそうです。


ただ、わしとエマネとロッテ、地下鉄に乗ったことはあるのです。


そして、淫化の離魔(りま)特別市でも、沖合の租界島から本土へと繋がる地下鉄が走っておりますので、今日が初体験ではないのです。


それと、この地下鉄。


元々、財務局の地下のかねぐらから金を持って来て他の場所へ移したり、あるいは運び込まれたものをかねぐらに戻すために作られたんだそうでして、財務局の方々が乗れる箱が、その金銀などを運ぶ台車を載せる箱を兼ねているのも知ってるんですが…。


「こちらの車両になります…」


ええ、この箱、後ろの3つの箱と違って中には椅子がほとんど設けられておりません。


そして、必然的にここに乗った大半の者たちは立ったまま行き先に運ばれることになるのです。


しかし、僅かな椅子にはジーナ様がアトハとリミニを座らせようとするのですが、ここで誰かからの注意が入ります。


(もしも希望されるのなら一番先頭に立たれると、穴の中が見えますよ)


あ、これ室見理恵・国土局長様ですね。


(今、ルーン大陸にいるのは私の分体です。本体は国土局にいますよ…)


まぁ、室見様がご多忙なのは仕方ないとして、アトハとリミニにそれを聞きますとですね。


アトハは前の方に行きたがるのです…。


やはり、男というものは目新しいからくりに気を惹かれる模様。


で、リミニも仕方なくといった感じでアトハに付き合いますので、わしらは揃ってその、室見様推奨のかぶりつきぽじしょんとか、大きいお子様向けとかいう最前部の窓を覗くのです。


これには、金銀を運搬する役目の財務局の女官も苦笑い。


(この地下鉄はルーン大陸に敷いた鉄の道と違って、石の道の上を弾性のある素材を履かせた車輪で走るのです。そしてその石の道の真ん中に敷かれた案内用の鉄柱をなぞって行きます…そして、時間が来れば勝手に出て行きますから…)


ええと、わしとロッテとエマネはこの箱に御者がおらんのを知ってます。


厳密に言えば、御者の代わりのからくり仕掛けで動くのを。


『お待たせしました。聖院港行き発車します。次は、門前町、門前町』


と、案内が流れて扉が閉まると、勝手に前の明かりがついて穴を照らします。


そして、思ったよりごっとんごとんと衝撃を伝えてくるのも前に乗った時と変わりません。


しかし、がたたんと動き出した穴の中を眺めるアトハの目は割と真剣なのです。


しかも、罪人寮の方から合流してくる穴との辺りで、反対側からやってきて本宮駅に向かう箱の列が見えたり、あるいは罪人寮の地下から港町埠頭や罪人工場へ向かう箱の列と隣り合って走るとかいう光景を見たアトハの目、もうそっちに釘付けなのです。


で、罪人工場のうち、痴女宮から離しておく方がいい工房は海を埋め立てたところに作られており、歩くには不便であるから地下鉄で通わせているという話を室見様がなさいます。


財務専用駅⬜︎  -⬜︎ 2号線終点◯◯海岸駅へ

本宮地下駅| /罪人寮駅 ↗︎/

     |/罪人工場街 /

 門前町駅||聖院貨物港⬜︎聖院空港駅

  _⬜︎/ \___/

 /↙︎1号線聖院港駅(聖母記念銀行痴女島本店駅)


(ジーナさん、今の2号線の終点の青姦海岸駅については言わない約束で…)


(わかっとる理恵ちゃん、うちの口は牡蠣のように固いんや…)


(ほんまですやろね…)


ええ、全員が聞かなかったふりです。


しかし、財務女官ではない後ろの車両に乗っている者たちが青姦海岸での相引きや客と連れ立ってのアレの話を始めよるのですっ。


(後ろの車両への通路の鍵、財務局の幹部じゃないと普段は開けられませんよ…非常停止ボタンを押してから扉開放ボタンを押せば開きますけど、やめといてくださいね…)


つまり、後ろ三両の箱に乗ってる女官に直接の注意とかはできない模様。


そして、そういう話題が出た理由。


青姦海岸に行くのに、ジュネス門前町店からはちょっと不便らしいのです。


と申しますのもこの、ちかてつ。


今度はこちらが下に下にと潜るようにして、罪人寮から来た穴と別れて右へ西へと曲がって行くのです。


そして曲がった先に、門前町駅があって、ジュネス門前町店や聖母記念銀行の支店ですとか、あるいは門前町警備本部の建物と繋がっているのを存じております。


しかし、そのジュネス門前町店で盛り上がって青姦海岸に行きたい場合、女官寮からの入口もある罪人寮駅に戻るか、ケッタ(ちゃり)を借りて結構長い道を行く必要があるのですよ。


(浜辺を使いたいなら茸島の保養所を利用してくれという話がぁっ)


(ううううう)


(というかイリヤ、なんでごうか…青姦海岸の場所とか知ってるんだ…)


(確かにチンボテにもヌエボ・チンボテという浜辺の保養所があって以下略ですけど…おばさまはそういう場所がお好きなのですかっ)


おい、ロッテにエマネ。


お前ら離魔の海岸で遊んでたやろ。


それにマンコラとか痴里(ちり)は言うに及ばず、中米管内のアカプルコ保養所まで来やがって。


(まさかおばさまと鉢合わせするとか…)


まぁ、あまりお互いのあれこれをバラすのは控えておきましょう。


で、わしらの目的地は港町駅ですが、行き先は淋の森です。


つまり、普通に淋の森を利用する流れとは逆向きから森に入るのです。


(ええとジーナ様、ペルセポネーゼです。淋の森に行かれると聞いて、ボーレベレーネ嬢から伝言が。「港町警備本部長には話をしていますが、牢屋送りになるようなことはくれぐれもお控えを」だそうです)


(大丈夫や…アルトくんもダリアも同行してくれてる…)


(その二人がいるから怪しいんだって言っておられますよ…とにかくδιεστραμμένη συμπεριφοράはお控えを)


(うううううう)


要は淋の森の毒気に当てられて、変態行為をしてくれるな。


ペルセポネーゼ団長は、そう言いたいのです。


(アフロ…あんたもちゃっかり混ざってるんだからそういうことがないようにね…)


ええと。


今、ちかてつに乗ってる人々ですが。


じーな|あとは りみに

たのの|めりえん いりや

あると|えまね ふゆき

だりあ|ろって

あふろ


「っていうか何で私までもが」


「田野瀬さん、聖母記念銀行の見学とか、あんた随伴でないと無理やろ…」


「あたくしやダリアだけでもむりでございます」


「財務が絡む場所の警備はけっこう色々あるんで」


などと皆様、言い訳しておられますが、要は淋の森を覗きたくもない1名様以外は「見聞に行くこと自体は問題ない」とお考えのようです。


確かに、痴女皇国ってもんを理解させるには、あそこを見せるのが手っ取り早いってもんですけどねぇ。


(アフロはなんで…)


(シーっ、アトハ王とリミニ王妃の件で、エロスに仕事をさせるためよ…

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