うつされた学園番外編・その名はサンジェルマン・5
で。
悪魔の谷の中央部には、ルーン湖という結構大きな湖が造られております。
その岸辺からかなり沖合となる場所に浮かぶ巨大な船。
「アークロイヤル級3番艦のレパルス。船内格納庫にスケアクロウを搭載するための特殊改造が施されててな…ちょっと他の用途に使いづらい面もあって特殊輸送群の活動母艦にされることが多いんや…」
と、ジーナ様から教えてもらいます。
アークロイヤル級航宙航空母艦・コンテナ輸送艦
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HMS Ark-Royal,N001
アークロイヤル
HMS Hermes,N002
ハーミーズ
HMS Repulse,N003
レパルス
HMS Formidable,N004
フォーミダブル
HMS Illustrious,N005
イラストリアス
HMS Furious,N006
フューリアス
HMS Renown,N007
レナウン
HMS Nelson,N008
ネルソン
HMS Hood,N009
フッド
HMS Majestic,N010
マジェスティック
HMS Implacable,N011
インプラカブル
HMS Indomitable,N012
インドミタブル
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「ただ、逆に機密運用向きなんだよな…」
で、なぜにこの船がルーン湖に来ておるのか。
マリア様いわく、他のアークロイヤル級と違って「空いてることが多い」からだそうです。
そして、あまり世間に明らかにしたくない物を運んだり、スケアクロウを積んでどこともなく行ってしまうような船だとも…今回、ルーン湖に来ているのもまさにこのためなのだそうですけどね。
で。
このルーン湖の岸辺から少し離れた場所に、島があります。
この島に、アークロイヤル級やテンプレス級といった大きな船のための船着場が出来ておりまして、悪魔の谷界隈からエヌビー本土へ輸出する作物ですとか、あるいはふぁいんてっく社で作られた何がしかを積み出すのに使われております。
あるいは、こちらへの届け物のために。
で、この島と岸辺…ふぁいんてっくの工房敷地とは、橋が架けられておりますのはともかく。
問題は、その島の名前。
「茸生島て…マリ公お前、いくらこのルーン湖が琵琶湖まがいやゆうても、島の名前まで似たもんにすることはないやろ…」
「チ◯ポルチーニとか淫棒茸の栽培場なんだから合ってるだろ…」
ええ、竹ではなくてキノコが生えるから茸生島、らしいのです。
それと、このルーン湖。
原型となった湖よりもはるかに平均水深が深いらしいのです。
つまり、同じ面積でも貯めておける水の量は4倍から5倍以上にもなると。
この莫大な水の量で、周辺の山や平地に降らせる雨のための水も賄うと聞かされてはさもありなんと思いますが、そのアークロイヤルという船を浮かべるためにはこれでもまずいらしいのです。
室見理恵様によりますと、ちょっとした島かと思うほどに巨大な船体が大きい制約となるそうでして…。
(普通の港だと、かなり大きなとこでもちょっとだけ浮かせないとダメ。なにせ喫水が40m近いから、専用に整備された港でないと着岸さえできないのよ…ついでに水の上を航行する航路すら選ぶの…)
(で、連邦世界の地球だと使い勝手が悪いっちゃ悪いんで、もう少し水上航行に配慮した船をってことで造ってもらったのがテンプレス級なんだわ…)
そんな訳で、巨大なため池の性格もあるこのルーン湖ですが、なぜレパルスというそんな、巨大な船が来たのでしょうか。
「なんでテンプレスを持って来なかったのか。おばはんの航海長資格維持のためでもある」
「やかましい…テンプレスやと痴女島までいちいち取りに行かなあかんやろ…まだニューポーツマスの方からこっち持って来る方が距離的には遥かにマシやろがいっ」
ええ、ジーナ閣下が持って来られたのです。
そしてこのレパルスとかいう船、普通は岸につけるはずが、沖合に浮かんでおります。
で、わたくしイリヤ。
ある方をここへ運ぶお手伝いをさせられました。
「かーさん…普通に艦載輸送機飛ばしてよ…リックはもちろんだけど、イリヤさんが死にそうな顔してたわよ…」
つまり、わしはフレデリック様を。
オオルリさんが、マリアンヌ様を抱えて飛んで来たのです、岸辺から。
で、フレデリック様は偽女種状態かつ外観を変える身体にしておられますから、敢えてわしが抱えている間は小柄な小僧になってもらっておったのです。
そして、マリアンヌ様は「ちょっとした病院くらいの設備はある」とジーナ様が言われる、このレパルスの中の治療術のための部屋に入ることになります。
で、その術を施す部屋には、マリア様と…。
(あたしの中に初代様が来てもらってるし、あたし一人でいけるわ)
(しくじんなよ…)
(リーゼ姉に取り出してもらうだけで怖いんだけど)
(うるせぇ、あたしゃシェリーだけじゃなくて何人分娩経験があると思ってんだ。まぁ、エマ子に来てもらう手もあるけどな…多分、あたしレベルの女官として生まれると思うから)
(普通の女の子にしてよ…)
(まぁ、その辺はなんとでもなるよ。そろそろ行くぞ)
ええ、緑色の独特な装束に着替えられたマリア様と、同じ服装でその「手術室」とかいうお部屋に入るのはマリアンヌ様です。
そしてわしらは、その外…二重三重の扉の外で待つことになります。
「まぁ心配はあまりしとらん。それより…女官として出てくる事になると思うからな…NBの法律やと痴女種の即成栽培成育は認められとるし…」
「義務教育課程はまず、痴女種女官なら通過できると思うのですけど…」
「まぁ、アグネスさんやクリスにも立ち会うてもらえんのは残念やけど、しゃあない。起きて来てから出産報告せざるを得んやろ」
そうです…このレパルスという船をここに来させた理由が、出産に適した設備を備えているからというのが一つ。
そして、このレパルスと共に、マリアンヌ様とフレデリック様は一時的にエヌビーの首都へ戻られるそうなのです。
「生まれてくる子の出生手続きとか諸々あるからな。一応はマリアンヌもフレデリック君もワーズワース籍で英国民登録してるからルーン保護領で産ませても良かったんやけど、保護領民自治の扱いがあるから国籍認定がややこしくなる言われてな…で、それやったら揉める要素が少ないNB籍のレパルスで産ませて英国本国にも出生届をNBの駐在大使経由で出してもらおうという話になってん」
つまり、これから生まれてくるお子様がルーン大陸でお生まれになるのと、この軍艦レパルスの中でお生まれになるのでは、お子様の国籍が違う事になりかねないのだそうです。
なるほど、それでこのお船をわざわざお持ちになったのですね。
まぁ、私も初体験ではありませんが、このお船は荷船として用いようが、兵隊や鳥を運ぶために用いようが、とにかく大きいという感想しか出て参りません。
「病院船として使うためのモジュールも積めるけどな、まぁ痴女種女官揃えとったらあんま出番ないわなぁ」
ですねぇ…もはやこのイリヤもその部類ですが、本当に医術師はおろか、リュネの占術師による治癒回復よりも早く治せるのですから。
「あ、そうや。子供の名前決めてくれとるやろ。女児なんは確定しとるし、一応は痴女皇国の籍は登録準備してもろたからな。あとは出生時刻をマリアから雅美さんと二代目様と田野瀬さん宛に連絡したら痴女皇国での女官登録は終わるさかい、今のうちに内容だけ確認しといて」
で、ジーナ様の聖環からその、出産予定となるお子様のIFFすてーたすを拝見するフレデリック様と私ですが。
「え…ジーナ叔母様、これ…痴女種としてもかなりのハイスペックになっていませんか…そちらの皇族としても確定してしまうのではないでしょうか…」
Teresia Takagi Wordsworth テレーサ・ワーズワース Single Suction(Limited Billion)一人卒(限定十億卒) Variable female Visual 可変型女性外観 Our Saint 2nd. 聖女 White Rosy knights, Imperial of Temptress. 白薔薇騎士団 New British Regional Headquarters, Imperial of Temptress. NB行政局




