うつされた学園 -sodródó tanterem-・8
というわけで、悪魔の谷の西側に移築されたこの学園都市のアルトさんの方の大人枠での語り手である高木マリアンヌがお送りしております。
現在、この学園都市は運用テスト期間ということで、西方族の男子女子合わせて100名が居住しています。
で、最初は西方族向けの授業内容を進めていこうとなったのですが、本来の構想である「ルーン大陸の子女を一括して教育する総合教育都市」というコンセプトに、早くも暗雲が立ち込めるありさまなのです。
そこで、この問題の解決のための策の一環として連邦世界のメキシコ合衆国に赴任していたリュネ王国剣聖のイリヤさんにお越し頂きました。
なんといってもイリヤさんはリュネの剣聖として、ちょっと前まで魔族との戦争の最前線で戦って来られた上にですね、リュネ族の主兵装である炎剣の使用指導にも携わっておられた立場なのです。
つまり、リュネの戦士を実戦向けに鍛える教育担当者のキャリアもお持ち。
しかも、メキシコ赴任時にフランシスカさんに師事して女子プロレスのイロハも覚えて来られたっていうじゃありませんか。
これなら、座学方面の担当をリンジーさん、体育系の実務をイリヤさんに担当してもらえれば、教育面の体制は作れるんじゃないかと関係者は色めき立ったのです。
そんな訳で、イリヤさんには大人枠でも話し手を交代してもらうかも知れません。
では、イリヤさん、どうぞ…。
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でまぁ、マリアンヌ様から「ちょっと代わってぇな」とご指名に預かりましたイリヤでございます。
さて、いきなりではございますが、今後をどないしましょかという話が色々持ち上がってて頭いてぇとかどーすんのよとか、早速にも紛糾しかかっております、この悪魔の谷・学園都市の運営問題について、まずはご一報をば。
例えば、リュネの戦士になるための仕込みの内容ですけどね。
昔は朝から晩まで剣術、それも実戦剣術漬けだったんですよ。
そりゃあもう、火傷や生傷だらけになる毎日でしたよ、ええ。
で、リュネの炎剣ですから、皆様のご想像の剣法とは似て異なります。
至近距離で相手をぶった斬る使い方をする場合でも、刀身から火を出しながら斬撃あるいは刺突動作を行いますので、本当に真剣勝負になってしまうのです。
ですから、同じリュネ戦士でもかなり上の位の者…火炎防御魔法を使える者が魔族役を務めないと、教える側が焼かれてしまうのです。
ただ…こんな物騒な剣法、魔族とのいくさが毎日のように起きていた当時のリュネ大陸ならいざ知らず、今の世の中でそのまんまを教えるには、あまりにも時代遅れではないかという件、剣聖である私も実感しております。
そこで、今現在の仮想敵である地球人類の軍隊、それも痴女種同等の兵士で編成された部隊が攻めて来た場合を考慮して、剣法や戦法をいささかに変更して教えているはずですよ、淫化帝国では。
そして淫化の上の明日輝や魔屋を仕切る女裂振珍帝国…中米行政局では、独自騎士団として乙女闘士団が編成されています。
この乙女闘士団、武器を使わず格闘戦を基本とする独特の闘い方をするのですが、同時に女裂振珍発の格闘競技であるルチャを開催することで普段から武術に慣れ親しませているのは存じております。
私も、連邦世界のメキシコで習い覚えましたし、淫化帝国でも炎剣の使用が物騒すぎる場合の警務騎士の捕縛術として普及してますから。
そこで、聖母教会の規定「女官は騎士を兼ねる痴女皇国のひそみに倣い、尼僧は警務騎士業務を習得すること」を準用しまして、まずはぷろれすや警務騎士の武装使用法や捕縛術を覚え込ませることを、全女生徒に義務付ける授業内容が考案されたのです。
そして、リュネ族については授業学期の途中から専門課程に進ませ、炎剣の使用を中心とした軍事教練主体の内容で教育していくのがいいのでは、という案を私やマルヴィレたちから出させて頂いたのです。
それと、純血魔族と…主に、西方族とのあいのことなりますが、魔族と人の間の子である半魔。
数は少ないのですけど、この者たちは人はもちろん、リュネ族のえるふ分類者ともまた異なる能力持ちです。
そして、純血魔族やリュネ族には劣る場合が多いものの、いくさに身を投じることも可能な力が備わっているのです。
つまり、リュネの者はもちろん、半魔やリュネ族と西方の混血者と、純然たる西方族を混ぜて授業をすれば、確実に身体鍛錬教練で、大きく体力の差が出てしまうのではとも思えるのですよ。
で、空を飛ぶ翼を備えておるリュネ族や魔族ですが、実のところは普段から結構、仕事があるそうなんですよ。
それは…特に魔族が意外にもこの悪魔の谷の山中にある魔王城と、方々の聖母教会との間を往来している理由となるのですが、農業魔族や鉱業魔族、林業魔族といった労働用の魔族たちのためにも、苗床の整備点検…はっきり言えば魔族用のいでんしを更新する必要があるそうなのです、魔王いわく。
(ほれ、魔毒の薄い場所があるじゃろ…ああいうばしょだと、ロッテとかエイモンとかレプタとかアバドーンみたいなおおものはともかく、ふつうの魔族はよわってしまうからな…)
ですので、魔族のためにも時々は、苗床自体をりふれっしゅした方が良いらしいのです。
といっても手順は簡単で、魔王の分身みたいなのを魔王城の地下の苗床から生み出して目的地の苗床に飛び込ませるだけで良いそうです。
で、今回の学園都市に関しての話にもなるのですが、純血魔族…特に幹部魔族というのは、実のところ実際に苗床の外へ出てきて活動している存在、極めて少数です。
(省えねっちゅうやつやな…まりや殿からもその辺いわれとるし)
(ただねぇ…旧・西方四族のうち一支族をあらかた半魔にしてしまったでしょう。あの連中をどう活用するかも含めて、話が来てるじゃない…)
(それは聖母きょうかいのなえどこの面倒見をさせるゆうことでまとまっとるやろ…つまり、聖母きょうかいの司祭は魔族とリュネぞくのふたりでひとくみにするゆうこっちゃな)
で、ここで私と魔王の会話に、割り込んで来られる方が。
(田中です。ええとね、魔王様もイリヤさんもよく聞いてね。不妊問題の対策の際に発見されたことなんだけど、西方族の地位向上と併せて、ちょっとした改良策を実施するかも知れません。とりあえず今、マリアちゃんとファインテックの研究開発グループにお邪魔してるんだけど、かなり大規模にはなるけど聖母教会に司祭を二人も置かなくても良くなるかも知れないカイゼンが出来るかも知れないの…)
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いりや「どんな改善なんですかね」
まおう「まぁ、魔族はふやすもへらすもわし次第やからな、ただ…おまえらとか西のもんはな…」
マリア「で、雅美さんの言ってる話なんだけどね、未成年版で詳細がわかるかも知れないらしい」
まさみ「とりあえず、驚きの結果が出たのよ…詳しくは次回ってとこね…」




