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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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うつされた学園 -sodródó tanterem-・5

でまぁ、到着した悪魔の谷とやら。


ルーン湖と名付けられた大きな池の上に降り立ったスケアクロウはそのまま城の前の平地に上がり、私とフユキ、そしてジーナ様を降ろします。


そして、本来の置き場所である陣地に戻るということで、その飛び立つ姿を見送った後ですが。


で、ルーン湖は痴女皇国世界の乳母(ちちかか)湖の十分の一程度の大きさしかないと聞かされたのですが、ここから見る限りは非常に大きく、人の暮らしを助けるのに充分な水源に思えたのです。


ええ、乳母湖の周りで素朴な生活を営む人々や、同じく痴女皇国世界の女裂振珍(めきしこ)帝国首都の東に在するテスココ湖…後に連邦世界でも、メキシコシティ改め旧名ティノチティトランに戻された際に復活した巨大な湖の浮き畑の面倒を見る少年少女の姿が思い起こされるのです。


実際に、明日輝(あすてか)女裂振珍(めきしこ)帝国で実績のあったこの浮き畑(チナンパ)、こちらでも作られているのがはっきりわかりますから。


ただ…この悪魔の谷では、罪人扱いや労奴待遇である少年たちではなく、農業魔族がその面倒を見ているのも伺えます。


つまり、テスココ湖のソチミルコ水郷地帯で少年たちを使っていたもう一つの大きな理由…精気収入と、そして昨今は孕み卵を得るための仕掛けは、別のところで動いているか、これから動かす予定のようなのですよね。


「正解は、別のところで動いている、ですね…」


「イリヤさん、エマネちゃんが怒っていた件だけどね、それがまさにベラちゃんの呪いに該当するみたいなのよ…いえ、ベラちゃんも自分で好き好んでルーン大陸の人たちを呪おうとしたわけじゃないみたいなんだけどね、結果的にあの子のマザコン体質がさ、苗床に浸透した結果でさ…」


ええ、渋い顔をして申されるマサミ・サン。


この方とは淫化建国当時はもちろん、定期的な支部長会議のたんびに顔を合わせていた立場ですから今更って感じですけど、とにかく挨拶抜きに近い形で説明を受けるにやぶさかではない間柄です。


でまぁ、マサミさんいわく。


なんと、母親は我が息子を求め、息子は母を求める傾向性癖がルーン大陸のあちこちに広まっておるばかりか、一度そういうことをして子供を産んだが最後、今度は母親は新しい子に構うばかりという事態になっておるとか。


「いえ…実際には、たとえばイリヤさんが冬樹くんの子供を産んだとします。ところが、イリヤさんはその先、フユキくんとの間には何をどうしようとも子供ができなくなってしまうと思って欲しいのよ…これが、今、ルーン大陸に広がりつつある呪いの弊害なの…」


しかし、精気だけでも取れないもんなんでしょうか。


「それがね、女のサガっていうのかしら…子供ができちゃうと育児に頭が回るようになって、旦那さんをあまり構わなくなる状態が起きるのが女の本能的行動なんだけど、それがルーン大陸の女官互換の女性たちに顕著に現れるってのが呪いの症状の一つなのよ…別れたら〜タダの人〜♪じゃなくて、産まれたら〜ただの人〜♪なのよ…」


ええ、男とは未練と執着の生物らしいのですが、おかげでフユキとの仲も破綻せずに済んでいるのは事実なのです。


わしの体をむさぼることにかけては相変わらず、フユキはご執心なのです。


これはどうも、歴代の剣聖になった者が経験することらしいんですけどね、剣聖が唯一負けるっちゃ負ける存在が、勇者なのです。


そして勇者は、リュネ世界の外から求めるのが通例でした。


で、フユキは痴女皇国との接触後に「元の世界に戻りたいか」をマリアリーゼ陛下に聞かれてましたけど、はっきりきっぱり残留を希望しています。


で、ですねぇ…リュネの王宮には、占術師が動かせる召喚機ってものがありまして、これを使うとよその世界と往来ができるんですよ。


ただ、この召喚機、魔法陣とかいう円形の模様が描かれた床の円に納まるものしか往来させることができません。


そして、召喚機で「よそから持って来れる」ものは極めて限られていたのです。


それと、推奨される接続先があったようです。


この召喚機を動かせる一族の生き残りであるメリエンってのが今は担当のはずですけどね。


このメリエンの一族…プロフェ氏族は、鍛治師を輩出してきたシュミデ氏族と近しい親類の間柄。


(あのーイリヤ様、代々の勇者は淫化帝国に該当する子からもろてたの、知りませんでしたっけ?)


なんか聞いたと思うわよ。メリエン。


(ええとですね、淫化のいけにえ儀式の一つにカパコチャってのがあるそうじゃないですか。高い高い山の上に子供を埋めて神への使者にするっての。こっちから召喚機を動かすとね、あれの対象に選ばれた子が引っ張られてくるんですよ。ただ…フユキくんの時、私の母のマイリレが担当だったと思うんですけど、孤児とか、親が家から放り出した子をを集めた家にいたフユキくんが引っ張られて呼び出されたようなんですよねぇ)


あ、それで思い出したですよ。


まともな身寄りのないフユキ、こっちにいることに躊躇はなかったと。


で、逆に「こっちから送り出す」ことがあったのです。


まず、リュネだけでは手に入らないものを求めるための使者が、その対象でした。


それと、可能性があれば、このリュネの地ではなく世界の涯が見えぬほど広い「向こう」に住まう場所はないかと探るための間者を送り出していたのです。


ええ、淫化に現れて更に尼僧尊に向かったリュネの者共の話、誰かがしておりましたかと。


逆に、リュネ由来の石組技術などが向こうに渡っておるはずです、その間者が淫化の者に受け入れられるための手土産代わりに。


そして逆に、淫化から来た者の中には神に捧げられた処女もおりました。


この処女たちはどうなったか。


魔毒抜き要員となったのです。


で、男たちの精毒によって子を孕んだ際、産まれた子はまず確実にリュネ族の特徴が受け継がれておらぬことがほとんどでしたので、西方の地に向かったはずです、親子ともども。


(どうも、西方族だけで近親縁者婚や子作りをする弊害対策のために、定期的に淫化から男子や女子を捧げられていたみたいね…)


ううむむむ。


この、マサミさんの指摘にはうなずくところ大。


さらには、西方の男やリュネの側から見て辺境の住まいの者から選ばれた男児たちと魔毒抜きのセッキをした結果で孕んだ女たちの産んだ子。


リュネ族の男児との子はまだしも、西方男児との間の子はまず確実にあいのこ、そして西方や淫化の女児と同じく、リュネの戦士になるために必要な翼と炎剣操作力が備わってはおりませんでしたね…。


で、淫化から子をもらう意味ですが、まず、なるべく魔毒に身を晒していない者が本当は望ましいのです。


そして、リュネの男は精毒に混ぜて魔毒を体外へ出します。


が、女は男児に注がれた精毒を用いて体を賦活させるのです。


ですから、魔毒の影響が薄い者の精毒ほど、魔毒抜きの効き目が出やすいのですよ。


これが、リュネの男ではあまり魔毒抜きにならなかった理由でもあります。


それと、マサミさんの話ですけどね。


となると、西方族の中にはかなり昔から淫化の者の血が流れ込んでいた可能性がありますね。


「もしかすると、リュネの破綻を見越して、さらなる逃避先を得られるようにその、召喚機を与えていたのかも知れないわね…リュネ族のご先祖様っていうか、リュネ世界を築いた方々…)


ただ、このマサミさんの一言、あとで私が思い出す必要があるみたいです。


それとですね、私が戦士の頭なのであまり出来が良くないとは思うのですけどね、このルーン大陸への母子セッキの呪いがベラ子陛下の呪いかどうかはともかく、呪いを解く鍵になりそうなんですよねぇ…。


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まるびれ「解いてもらいませんと困りますねん」


どみねら「ランセに魔毒抜きやってもろても効き目薄かったら困りますねんわ」


れべんね「つまりですね、ピーレならピーレと子作りができないばかりか、ピーレの精毒で魔毒抜き効果がほとんど出ない場合はピーレ以外の男児を求めなくてはならんのですよ」


えまね「ちなみに淫化で育ったリュネの男児、リュネ世界生まれよりは魔毒抜きの役に立ちますよ」


まるびれ「これもなんか、伏線というか閃く人には閃く話らしいですね」


どみねら「そんなことよりはよ、呪いを解いてもらわんと」


れべんね「さて、私らはどうなるのやら…」

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