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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど
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新人女官・ブンヤ喪女の悩み・1

やあ、黒マリだ。

今回は訳ありさんの話だ。


それと事前に言っておくが、助平する場所の話だけど助平シーンはないらしいぞ。

みなさんこんにちわ。

山内博子と申します。


こないだまで日時コミニュケーション社の編集本部国内速報担当でした。あんまり高いお給料じゃなかったんですが、それなりにお金貰ってました。


ええ。今日まで。


なんか連邦法務局の女性捜査官っていう人や宙兵隊嘉手納基地警務部の人達がうちの本社の役員に電話かけて、えっらい勢いで怒鳴ってます。


そう、あたしは軍事情報漏洩違反罪幇助容疑か何とかでNBと連邦双方から略式起訴された立場にされました。ただしこれはうちの会社と裏で繋がっている、どこやら人民共和国があたしを誘拐したり暗殺を企てる可能性があるから保護する為の名目だそうです。


下手をすると軍内部になんとか人民共和国の手が潜伏している可能性があるから、NBで保護する方向で行くと高木少佐に説明されて、テンプレスという軍艦に乗せられます。

そしてついさっきまであたしの取材対象だったひとやその黄という人に連行され、うちの東京本社ビルに乗り込む案内役をさせられました。折り畳みコンテナケースをいくつも台車に載せた宙兵隊警務の人数名と、更に赤い衣装で黒髪の人一人もついてきます。


で、いきなり馴染みのオフィスです。基本的に24時間稼働している報道機関なので何名も仕事してます。そんな所に変な一団がいきなり乱入して家宅捜索令状見せられてもですね。普通なら応諾しますがここは公正中立が建前の報道機関です。当然、上司や同僚は文句を言いますし食ってかかろうとします。


しかし、彼らはあたしが取材した内容を、不幸にもまだ知りません。

ええ。取材対象が喋ってたこと、この時までは半分は盛っていたと思ってました。


一瞬でうちの社員だけが倒れました。なんかものすごく気持ち良さそうな顔で。赤い服の人がおぇっとか吐きそうな顔してます。きっと食当たりしそうな性的趣味者が混じってたのでしょう。思い当たる奴は何人かいましたから。職場のコピー機に股間当てて、貴重な紙を浪費して珍拓とか言ってたバカとか。あれ以来違う階の機械でプリントアウトする習慣がね。ええ。


どうやらうちのビルの地上階の連中全員、あの一瞬で彼女達が言うところの「吸う」という作業をされちゃったみたいです。

で、あたしの席の荷物全部押収するからと。壊れるものとか大事なものがあるだろうから自分でやってくれ。面倒ならうちらでやるが扱いが手荒になるよと言われますと、やらざるを得ません。

で、電子書面の押収合意書に認証させられ、再びテンプレスの会議室へ。


なんかヤンキーっぽい女の人ばかり数名と作業服でかなり体格が良くて顔が怖いおじさんが待っていました。取材対象のマリアさんとは顔馴染みのようです。あたしの方を見て、今からこの人の自宅行って私物全部押収する手伝いをする…え?あたし実家通いですよ!父も母もいますよ!


「あなたは連邦の証人保護プログラムによって今日から戸籍が一旦抹消されてしまいます。だからとりあえずのお別れも兼ねています」とマリアさんが無慈悲に告げます。もう、あたしが聖院行きに合意した事で関係各方面がよーいドンで動き出したから止められないと。


更に、あたしは強要されて何とか人民共和国の若ツバメをあてがわれハニトラに引っかかった不幸な女性社員であり、事件に巻き込まれた立場だと。まぁ、だいたい合ってますけど。


そして、日本国ではなく連邦宙兵隊の軍事裁判案件となるが、NB国籍者が事件被害者という事もあって、ここはひとつ敵対国ではあるがNBと連携して捜査を進める為にも証人保護プログラムを適用して聖院世界にかくまう事で連邦宙兵隊・NB軍・聖院で軍事的合意書を交わしたと。


はぁ。聖院トップが目の前にいて合意書の電子書簡見せられたら信じるしかないです。


そしてマリアさんが関係者をあたしの自宅に転送します。で、在宅中の父母に黄さんという法務官と、ジーナさんとマリアさんで事情を説明します。


で、ジーナさんの実家の会社の「女性で行かないとまずい仕事要員」を兼ねた事務の方々と、物流系で鍛えたらしい軍手姿の赤服黒髪さんがおじさん指揮の元であっという間にあたしの部屋をすっからかんにしてしまいました。


なんでもあたしの荷物は会社の分も含めてテンプレス経由で英国領事館の地下倉庫に一時的に預かってくれるそうです。ただ、聖院世界に全て持ち込むのは無理だから、後でスーツケース一個ぶんにまとめて欲しい。それと服は不用になると言われます。


突然の事に呆然とする両親に、証人保護プログラムの一環として保護協力一時金と、博子さんの月給相当の保護協力金が払われるからと、なぜかマリアさんが電子書類を見せて振込希望口座を聞いてちゃっちゃと必要事項を記入してしまいます。で、かーさん頼むとジーナ様に。あの…聖院のマリア様が何故連邦の仕事出来るんですか?


え?軍属事務官の地位もある?佐官待遇?あたしの出した申請や稟議はたいがい通るから心配するな?いやその…いいです。


だいたい沖縄でハイジャックしたエアバスのエクレール・プレスティージュって、アレちょーVIP仕様の旅客機じゃないですか。


あんなもんVIPが乗ってなくても拉致したら普通の国際問題じゃすみませんよ。それを空母から飛び立つ爆撃機の絵面風味の広報写真撮りたいから拉致ってたとか無茶言ってる時点で気づくべきでした。この人達は何でもありだと。


で、不定期になるが娘さんには安否確認をさせるからペイウォッチの月額利用料は払ってあげてくれと。本人名義のローンなどは少額なのは確認しているが、万一困った際には債務整理も助ける…実質こちらで問答無用で片付けて差し上げるが、債務履歴を考えるならそっちで払って頂いてもよい。ただ、本人はなかなか実家に戻れなくなるし生活基盤は聖院世界ベースになってしまうから、よく考えてお返事をとか言われています。


はい、この時点で悟りました。マリアさんが言ったことは本当だと。本当にこの人は、あたしを救う代償に、あたしを聖院世界に連れて行って戻さないつもりだと。


(そりゃそうよ、マリアちゃんは聖院の頂点よ。この子がやると言ったらやる。それが聖院の流儀。ま、これは痴女宮も同じ。こっちのマリアリーゼ陛下がやると言ったら本当にやるの。それを頭に叩き込んでね。この人達は基本的に即決断即実行。超絶に頭がいいのは見たでしょ?)


あたしの聖院行きが確定した事で身分を明らかにしてくれた赤服さんが言います。田中雅美さんという方で、妹さんの犯罪の片棒担ぎを強いられて痴女宮で働かざるを得なくなったが、ひょんな事で趣味に助けられて幹部登用されたのだとか。白いマリア様の覚えもめでたく、連邦世界の荒事要員でもあると聞かされました。


もともとジーナさんの実家経営企業の役員さんの長女で、あの引っ越しレディース軍団とも顔馴染みだそうです。そりゃ手際いいわけだわ。


(山内さんも特技や趣味があれば必ず配置前面接で申告すること。これは忠告。痴女宮は聖院より「もっとすごい」から、自己アピールできないと大変な苦労をする。聖院はそこまでじゃないのを知ってるけど苦労するのは間違いないから。その苦労を短縮するためにも必ず長所を聞かれたら正直に答えなさい。先輩として真剣にアドバイスします。守らなくてもいいけど、今から行く世界ではこれを守れは、本当に守れって事なの。マスコミ時代の常識は意地でも捨てなさい。いいわね?)


…確かにそうですね。取材の為には横紙破りというかマナー違反ルール違反当たり前って感じで、倫理破綻してるのが圧倒的多数な職場でしたし。


コンプラ?何それ美味しいの?だったなあ…。


(あと、早い内に知る方がいいわね。初期の教育担当官予定者はマイレーネ女官長。見たでしょ?お前のようなババアがいるかみたいな凄い人。聖院女官の教育はあの人がやるから。でも、うちよりはまし。うち、もっと厳しいから…)雅美さんが顔に手を当てて悩んでいます。


(正直、こっちにもマイレーネさんいるんだけどスイス分院責任者兼欧州戦略部長でね、痴女宮に呼びたくても要職過ぎて…本人、時間がある時は来て助けてくれるけど、やはり常駐して欲しいのよ。あー頭痛い…え?テンプレスに戻ったら即荷造りさせて?マイレーネさんと一緒に聖院に戻す?大丈夫なのマリアちゃん。本人の特技とか把握してマイレーネさんに伝えてる?一応あたし多少言い聞かせといたけどさ。え?カメラ使えるかと、業務用カメラが押収品にあるか確認しといて?りょーかい)


あ、今手元にありますよ。予備バッテリーとか交換レンズも。映像報道員ほどじゃありませんが、それなりの渡されてます。今回も取材機会があれば使えと携帯してますから、あたしのバッグの中にあります。


(マリアちゃん、持ってるって。沖縄で押収したカバンの中にあるってさ。うん。あと現地でも第二公用語は日本語だって言っといて?了解ー)


そしてテンプレスに戻るや否や雅美さんと荷造り。パソコンは普通ならボッシュートだけど、博子さんの場合特命で持参許可と。更にボイスレコーダーやら各種充電器やら、取材関係品はなるべく優先してと言われます。逆に大したものは持っていませんが、化粧品は環境汚染が懸念されるから禁止というか聖院世界での調達品を使用。生理用品は持ち込み可能。


(…あがが…一応持参していいです。ただ…たぶん、不要になるわよ…)すみません。女のたしなみです。ええ。バイブ派でしたので。あと若干のエロ下着。


ただねぇ、わたし、あの時、絶対にたぶん不要になると言われた意味を尋ねておくべきだったかと思ってます。まさか本当に不要になるとは…。うかつ、うかつ。


で、取材グッズ他と恥ずかしいもの数点の入ったスーツケース転がしてマイレーネさんと顔を合わせます。


「この度は色々と大変だったと伺っております。今よりは山内の姓を捨て聖院女官の道を歩み…と言いたいのですが、博子さん。貴女には通常なら一ヶ月かかる女官初期教育プログラムを一週間で切り上げて、特務配属させよという指示が来ています。とりあえず聖院に着いたら専任パートナーを紹介しますので、下級女官としての生活を一週間で覚えてください。集団での日常生活を習得する事を優先させるよう言いつけていますから安心してください」優しくマイレーネさんが言われますが。

優先?なんで?…あ、なるほど。普通なら女官の仕事もきっちり覚えさせられる訳ですね?


で、資料で配られたより威圧感がある黒々とした石造りのダムみたいな聖院の前に立つあたし。エントランス兼ロビーといいますが、ギリシャの神殿を御影石に置き換えたというか。とにかくどこの古代文明遺跡の現役時よという感じです。


そしてロビー右手にある下足処という、大きな郵便局の窓口みたいな場所に声をかけて、奥の大きな入口へ入ります。で、大きめの守衛室みたいな部屋に通されると…何人もの痴女がいました。


ええ、よく考えたら下足処とかロビーとかにいた人、なんか博多祇園山笠の最中な姿でしたね。マイレーネさんはお前のようなババア衣装が標準らしいですが。


で、私たちの世界とは違いますが目的は似たような操作盤や明かりのついた表示装置があったり、どうやらお掃除担当らしい女官さんが道具を持って出入りしたりしています。


「ここは下級女官寮管理室です。普段はこの部屋に訪れることはあまりありませんが、与えられた部屋の清掃を怠っていたり、使い方や生活態度が悪いと呼び出されますから気をつけてください。寮生活要領は、今から支給する聖環の中に入っていますから後で目を通しておいてください。それと、今されている時計は本当は預かりますが、博子さんの場合、私物として保管ください。この聖院で盗難や紛失はあり得ませんから心配は無用です」あたしが何か考えて口にする前に言われるのも、恐らくは例の読心能力なのでしょう。


「では、本日より一週間、寝食を共にして頂く女官を紹介します。クレーニャ。博子さんです。本日は新規入寮者教育という事で以降の業務を固定します。彼女を部屋にご案内なさい」


そして時計の代わりに、その聖環という腕輪をはめて頂いてからお部屋を出ます。


(この階には管理室と下級女官専用食堂があります。上級では不要に近くなるお食事ですが、下級女官は食事を取る必要がありますのでご注意ください…あ、お給金の話がまだなのか…わたくしたちは聖院で世に奉仕する立場であり、無償奉仕となります。衣食住は聖院が保障しますが、階級役職に応じて雑費支出用のお小遣いが支給されます。売店や門前町では聖環による決済の他、両替処で通貨を受け取ることも可能です)


結構しっかりしたシステムですね。マスコミ人の習性で思わずメモを取りたくなります。


(重要と思うことは記録してもらって大丈夫ですよ。で、洗濯物は基本的に自分で管理します。博子さんの服は既に部屋に届いていますよ)そしてエレベーターがあるんですか?水圧式?すごい。そりゃマリア様が蛮族呼ばわりすんなと言った訳ですわ。この女官寮の管理だけでも、かなりしっかりした制度になっているのがわかりますから。


あと、結構暑いですが、風通しはいいですね。


で、5階くらいだと思いますがエレベーターを降ります。朝の出勤時は階段で降りる人が圧倒的らしいですが。


で、気になる事。石の床の継ぎ目、気になりません。試す気はないですが、カミソリの刃、継ぎ目に入らないんじゃないでしょうか。曲がり角には木の装飾がつけてありますね。多分安全のためだと思います。


英数字で505と書かれた部屋の扉にクレーニャさんが聖環という腕輪をかざすと扉が開きました。かなり広いです。で、お部屋の中に水が流れています。厳密に言うと、お風呂の浴槽みたいに掘り下げられた穴の中に。


これがおトイレの役目を果たす他、身体や髪を洗う場所にもなるそうです。シャワーとして使う場合の木の樋や、ウォッシュレットのように使うバルブ、流すボタンなどの使い方を学びます。


飲料水は壁の水差しから取り、コップは支給品。歯磨き歯ブラシは天然素材品を支給。


本当に身一つでいいみたいです。


で、悩みが。


それはクレーニャさんの格好。


ええ、この人も山笠です。おしり丸出しです。


これ、あたしもですか。ものすごく恥ずかしいです。


まぁ、取材の話だと基本的に女性ばかりだそうですから、気には…ああ、沖縄では女性陣、マイレーネさんと宙兵陸戦隊の女性の将官以外、全てTバックでしたね。もちろんワーズワース首相の奥様ですか、年齢の割に若く見えた方もかなり大胆なお姿でしたね。恥ずかしいのかシャツを羽織っておられてましたが。


で。五十歳超えのはずですが、三十代にしか見えませんでした。多分、聖院の技術で若返りできるのでしょう。


正直四十前で独身喪女毒女のわたしに、それして欲しいです…あの格好は私にはきつすぎます…ええ、マリア様の言われた覚悟、これもですよね。


ジーナさんも聖院も痴女宮の方も全員、うらやましいスタイルでしたが、あれほどまでとは言いません。せめて痛く見えない姿であれば。


(ええ。そうしますよ)クレーニャさんが心に語りかけて来ました。ほんと?


(本当ならわたしが担当なんですが、ちょっとお待ちくださいね。…お待ちの間に服を着替えて頂いた方がよろしいですか?え、全裸の方がいい?はい。わかりました。505です)どうやらクレーニャさんの上の方が来るようです。


パッと目の前が光ります。


「え?何?確かに下級寮の505だよな?何でさっき沖縄にいたブンヤさんいるのよ。うん。亡命希望とな。で一週間を目処に自動昇格が希望だけど、体型崩れてるようなら補正かけろと。いきなり上級は絶対すんな?めんどくせーなー。で、終わったら聖院の中案内してからクレーニャごとママの店連れてこい?はあ。二晩連続で迷惑にならんのかよ。まーいーや。どこ見せんのよ。あとあたし痴女皇帝スタイルだぜ?マイレーネに許可取らずにウロっていいのかよ。痴女皇国環を聖環互換にしてくれたら金衣女聖太政官認識信号出してやる?はいよ」


なんか言葉の洪水です。とりあえずさっきまで沖縄にいた痴女皇国皇帝陛下の方のマリア様ですね。


「あークレーニャ、あたしマリアだけどわかるよな?」こくこく頷くクレーニャさん。


「いや、本当はうちの方のアルトに合わせたいんだがよ、ちょっと白マリに貸しててな。とりあえず博子さんの仕込みはあたしがやる。博子さん、本当ならこのクレーニャとエッチしてもらうんだが手順省略だ。すぐ終わるから寝ててくれ。ったく、聖院仕様の初期化手順なんか久々すぎるからな、間違えてうちの豚仕様にしちまうとヤベーから慎重に…」


ええ。どうやら雅美さんが言った「聖院はうちよりマシ」は本当だと確信しました。豚という単語で何かを悟れた気がします。


(ああ…会見で言ってたの聞こえたかい?うちは女官に該当する武官がいてな。つか全員武官専任または兼務。で、捕虜とかは奴隷待遇スタート。これが豚なのよ…だから仮にウチで引き取る話になっても、最初はかならず聖院スタートにしてくれって言ったからな。あと、聖院は参拝客とエッチがある。いわゆる聖娼が下級女官の最大業務だ。これは流石にあそこで言えなかったからなぁ…)えええええ!


ああ、全ての糸はつながりました。あたし、一週間だけでもウリやるんですね…こんなおばはんなのに!なのに!


(そう泣かんでも。ほれ終了…おいこらぁ白マリてめぇ!何でこれだよ!新人にいきなり懲罰服渡すなよ!いくらなんでも…え?新型文官服の在庫がない?この一週間だから我慢してもらえ?鬼かてめ…あー、だからって豚服渡したらもっとひどいか…すまん博子さん。こちらでは懲罰服認識されてないから、とりあえず着てくれ…多分今のあんたならギリいけるはずだ…)


はい。着ます。まずニーハイからと。で、ブラとパンツ…はぁ。Tバックとしても壮絶に布面積狭すぎないですかこれ。あとヘア処理…あ、して頂いたと。すみません皇帝陛下自ら…はい、うちは上から下まで人使い荒いから気にすんなと。聖院も同じと。


で、ブラ付けて上着とスカート。何ですかこの半ケツ仕様。まだクレーニャさんの格好の方が…はぁ、痴女皇国では恐怖の懲罰服認識だと。言う事聞かない豚でも黒豚でも1時間着ただけで泣いて許しを乞う服ですか…。


このあと、うちの乳上もいる席に連れて行くが反応見とけ?それでこの服の恐ろしさが理解できる…ていうか打ち上げで無理矢理着せられて今泣いてる?


あの…あの赤服金髪でゴージャスな方ですよね?無敵感がみなぎってた方。あの人すら陥と?すんですかこれ。


某ブラウザゲームのキャラの服だが痛さで今なお轟く服と…。


うーん、あたし選択間違えたんですかね。


とりあえず姿見で見たらまぁ、ギリギリ何とかなるかもと無理に自分を納得させます。


で、聖環の機能の一つで現在位置を表示できるそうです。この聖環も旧型と新型があり、約1ヶ月後に進退伺い最終日が決まっているらしいクレーニャさんは旧型です。


これは決済機能と、あたしたちでいうセキュリティカードや簡単な時計機能くらいしかないらしいですが、新型はペイウォッチ…つまりスマホ機能とか色々ついていて、実際にNBや連邦に持って行っても互換性のある電子デバイスだそうです。


ただ、取材時にもマリア様が言っていた女官の体温問題があるから新しい痴女体質に切り替えた女官にしか支給できないのだとか。ちなみに中身は日本国産部品をNBで組み上げて聖院に持ち込んでるそうで。


そしてマリア様とクレーニャさんと三人で部屋を出ます。泥棒は絶対に捕まるが、聖環で鍵かけるのを忘れるなとマリア様に言われました。


通りすがる女官が片端から道を開けて深く礼をされています。本当にえらい人なんですね。


(いやさ、うちはまぁ仕方ないとしても、聖院はもうちょいフレンドリーにやる方がいいんじゃないかと言ったんだがなぁ。あ、とりあえず今日は登院の方法だけ教える。まず一階の下足処の女官窓口行く。で、博子さんは服がそれだから武官待遇なので靴は預けなくていい。クレーニャは今は文官シフトだからサンダル預けるけどな)


(で、預けたら聖環が緑に光る。これで出勤第一段階認識。博子さんは505博子ですと口頭申告。クレーニャ、この手順変わってないよな)


(はい陛下、問題ありません)


(あたし今痴女皇国だからさ、万一手順変えてたら指摘してくれな。新人教育シクるわけにゃいかん。マイレーネに怒られる以前に示しがつかん)


「…うちの社長に言いたいですね。雲上人すんなと」


(ま、うちらだから末端業務も把握できるようなもんだ。普通の人にはさすがに無理だろ)


「すまんリミルシューネ、なんかあたしが新人教えるハメになってさ、505の博子さんに空き部屋割り振りしてくれるかな?」下足番の役職者らしい方にマリア様が気さくに話されます。名札もつけてないのによくすらっと名前が出るものです。本当に把握されているようですね。


「オリューレかクライファーネ呼んでやらせましょうか?」


「いや、ちょっと訳ありでな。すまんな煩わせて」


「いえいえ。下層階に一室。空いてる階がよろしければ十階ならどれでも」


「十階で頼むわ」


「了解。博子様、下1006です。確認願います」わたしの聖環がもう一度光り、数字が出たままになります。


(その数字が行き先。博子さんは多分やらんと思うが、上級女官付き秘書業務みたいな日があってな。その時は担当する女官名と上1801みたいな感じで行き先が出る。要は下足処に行けばその日の仕事がわかる寸法なのさ)


「なるほど。白いマリア様が蛮族じゃないと言われる訳ですよねぇ」


(ちなみに痴女皇国もだいたい同じシステムだが、下足処でなく所属控室で上長から出勤認証を受けるんだ。多分、見学してもらうことになる…ま、一週間経過後のあなたの仕事は今晩、白マリが説明するから。今は下級女官業務のあらましを把握してくれ)


「了解しました」


(で、行く部屋がわかったら、そこの扉くぐる。これが関係者用業務ドアと思ってくれ)


マリア様が扉に近づくと金色に光ります。


(あ、これ役員用認識機能と思ってくれ。普段は扉番に腕輪見せる決まりだから。シルフィリーヤ、新人研修中だ。確認手順履修してあげてくれ)


騎士というのですか、剣を下げた方にマリア様が何やら頼まれています。なんか皇帝陛下というより、直属上司みたいな感じですね。


「はい。聖環をここにかざしてください」下級女官・博子・新人期間中・マリア様付と出ました。


「これで私がお名前や所属、服装を改めます」


「で、OKが出たら扉押して開ける。できたらさっきの扉番の武官には名前を名乗ってあげてな」


そして扉を開けるマリア様。エレベーターらしき木と金属の扉がいくつも並んでいますが、金属の色が違うものがありますね。


「十階だな…博子さん、ここで注意だ。クレーニャがついてる上に、オペレーターチェックがあるからまず間違えないと思うが、左側の金色の列は上級女官区画行きだ。女官体質確認を受けて許可が出るまでは絶対に金色のやつに乗らないでくれ。下手したら重度の火傷で死ぬ。クレーニャが一緒なら防護場を出してくれると思うが、上級女官は未制御だと、何もしなくても周囲2メートルくらいは数十度から百度を越す気温になるんだ。これが白マリが会見で言ってた熱問題だよ」むむむ、これはさすがに命にかかわりますね。これがあるから我々が来るのに慎重になっておられたと見えます。


「ま、他にも断ってた理由は色々あるがな。新人の教官役だが、10階頼むわ」と、右側の列の空いた扉の中にいる女官の方に頼まれています。


そしてその女官の方がレバーを操作すると、扉が閉まってエレベーターが動き出します。結構速いですね。


で、がっこんぷしゅー。再び扉が開きます。


「よし降りてくれ。クレーニャ、1006まで案内頼む」ちょっと薄暗いです。そして壁が天井まで続いていません。一応、天井の所々に水晶のようなものが埋め込まれていて光っています。


(で、1006に着いたら自室みたいな感じで聖環をかざすんだ。そして扉が開いたら、聖環の表示が消えたのを確認してくれ。これで出勤確認が終わった。そして備品チェック。拭き布…バスタオルに該当するやつだな、とか部屋の備品が揃ってるか確かめるんだ。不足分はその階の備品庫から取ってきて補充。あと、朝の出勤時にこれ持ってけって袋で渡される場合もある)


(で、トイレに水張って置いてと…今日の客用下足処の責任者は…アドルレーネか。おーい、マリアだー。新人505博子さんの教育中なんだが、研修用の呼び出しやってくれるかー)


ぴろぴんと聖環が鳴って17181 60とかいうオレンジの数字が出ます。点滅してます。


「これが鳴ると呼び出しだ。エレベーターが待ってるから部屋を出る。できれば扉は閉めてくれ」


で、再び三人でエレベーターに乗ります。再度一階へ。


「さて、ここからは出勤時と手順が違う。出たら右側の客用下足処の先に、参詣客を着替えさせる場所がある。安全確保や、余計な金のやりとりを防ぐために客は全裸になってうちが支給するガウンを身につけるんだが、小金を隠し持ってる奴もいるんだわ。そういう奴から握らされたら、必ず心話でフロア担当女官を呼んでお布施追加と告げてその金を渡すこと。隠し持ってても使い場所ないからな」


「そしてここの待合処の担当女官に聖環を見せるんだが、慣れてくると心話でさっきの数字を伝えてしまうポカミスをやらかすわけよ。何がダメと思う?」


「数字間違いですね」


「そーだ。うん、読み上げた数字一つ間違うと別の参詣客を呼んでしまう。仮に間違えて17101を呼んだ場合、その後ろにある30という数字が問題だ。これ時間の分な。つまり、60分でお布施もらっときながら元来30分の客を間違えて引っ張って行った上に、60分のお布施くれた人を放置してしまう事になるんだわ」


ええ、わかります。ですので女官さんに聖環を必ず見せるのですね。


「そうそう。で、女官は心話で17181の札の人を呼ぶ。そしてその場で聖環と札を重ねて数字が緑になったらOK。実際にやってみよう。ペルテーニャ、さっき訳ありを待合処に入れたろ。あれあたしが呼ぶわ」


「はいはい。中の方々は一体何事と思ってますわよ。ま、あの格好なので問題ありませんけど」くすくすとその女官の方が笑っておられます。


(みなさんお騒がせしてすみません。17181、出てこい)


(あぃー)


瞬間。


ええ。女官さん笑い堪え切れてませんよ。


あたしと一緒じゃないですか。ショートヘアー金髪スリム…でもないですね。ちゃんと出るとこ出てます。なんかアラブ系のモデルさんっぽい人です。かっこいい感じです。が。


格好、あたしと同じですよ。


(ああ、紹介しとこう。痴女皇国将軍。向こうじゃ痴女将って言ってるけど、あたしの旦那のアルトリーゼだ。今日は久々にクレーニャの顔を見たいっつってる事で連れてきたのよ。博子さん。うちの旦那な、聖院時代にクレーニャをさっき言った秘書の立場であてがわれてた事があってな。しかも特殊業務のために専属で)

ひろこ「なんか因縁のありそうな話ですねぇ」

黒マリ「ちなみに痴女皇国のほーのクレーニャは還俗して帰国してる。してるんだがねぇニヤニヤ」

アルト「なんかありそうな話ですね」

黒マリ「ちなみにクレーニャの実家が貴族やってる国から乳上の現在地まで700kmくらいかな」

クレ子「ああああああああ以前問題になりかけた呼称がクレ子にされてるっ」

ひろこ「クレーニャさんのご実家というのは」

クレ子「だいたいこのへんのこの辺くらいで、偽札作って泥棒に心を盗まれたとか、深夜プラス1というしょうせつで最終目的地だった辺とかと言えと天の声が」

ひろこ「まあなんとなくわかります。あの辺の貴族様だったと」

黒マリ「さらにあたしの方では、あの辺にダリア…潜入暗殺誘拐系を行かせてるんだけどね」

クレ子「なんかあたしがものすごい再登場しそうで嫌なんですけど。しかも黒マリ様の方の話でしょ?」

アルト「あきらめなさい。さだめぢゃ」

クレ子「あるとさまのおもうしつけならしかたありません」

ひろこ(この棒読みに何の秘密が…)

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