あれこれ聞きたい大人たちと娘の悩み・白マリ記者会見編
皆さんこんにちわ。
高木ジーナです。
今回はR18版アルトリーネの方からの続きです。
実は娘マリアの学校に行きたい理由、マリア自身が何故か沖縄のビーチで開かれた記者会見の席上で語るとか。
可能であれば↓をご覧の上、話を聞いてあげて下さいませ。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/38/
さて。こちらではジーナ様がお語りだそうですが、本日はわたくし騎士アルトリーネが会場より中継させて頂きます。
白マリ様はワーズワース様や、ジーナ様達と並んで記者会見。今日の不祥事はともかく、連邦やNB側からの政治的経済的な今後の聖院世界との関係について説明をされるそうです。
「まず、わたくしたちの生体特徴です」といって、つくえの上に例の貝とタコのすいそう。
「ちょっと見にくいと思いますけど、これをご覧くださいねー」と言って、ふたを開けたすいそうから、無造作に貝を取り出して手のひらに向けます。
ぷす。
針がささった手のひらを記者のみなさまに見せます。
「この貝は見ての通り、猛毒の針を発射するアンボイナ貝です。で、わたくしは今、死にそうでしょうか」そう言ってかいをすいそうに戻されます。この貝のどくばりはそう簡単に抜けないそうですが、マリア様の手からあっさり外れてすいそうの中に落ちていきました。
そしてマリア様は「アルトちょっとごめん。たこちゃん手のひらに載せるからね」と、立ち上がってわたくしの手を開かせ、すいそうからたこをそろーっと取り出します。で、あたくしの手のひらに載せてちょんちょん。
たこの表面にまっさおな丸い模様が一瞬で浮かび上がり、かぷ。なんかかまれました。
「おっけーアルト、そのタコちゃん水槽に戻したげて。で、今、将軍アルトリーゼがヒョウモンダコに噛まれました。死にそうでしょうか」記者様が驚きの顔をしておられます。
「とりあえずこの生物の毒が体に回るとされる程度の時間は会見にとらせて頂いています。わたくしたちも、死ぬ前にご質問に答えたいので、個別質問は手短にお願いいたします」みなさま爆笑しておられます。
「えー、NBディフェンスのオライリーと申します。その猛毒の魚の毒が回り苦しみ出すのは毒蛇に噛まれた程度の速さなのでしょうか」
「神経毒なので回りは早いはずですよ。効けば、ですが」
「ふむふむ。そして先程、そちらの騎士様が驚異的な戦闘力を見せておられましたが、ああいう方が何名ほどそちらにはいらっしゃるのでしょうか」
「ノーコメント。ただし、今回来ております我らが騎士は全て、百万卒という新設階級を与える予定です。つまり、一人につき百万の軍勢を用意しないと足止めすら叶わないとお考えください」
「それはどういう単位なのでしょうか」
「わたくしたちの能力ですね、人間の生体エネルギーを遠隔吸収する能力を発揮した場合、一回の吸引で何名から致死量を吸い上げられるか、これを示しております。ちなみに吸引は一瞬。そして反復で可能です。そしてその単位で行きますと、わたくしマリアリーゼは百億卒となります。この意味はお分かり頂けますね?」マリア様はにこにこして記者のしつもんに答えてはりますが、意味がわかった記者の皆様は真っ青です。
「ええ、わたくしただ一人で、この地球を制圧可能ですの」
「NBプライムタイムのオルフェンスです。マリアリーゼ様のお力は理解しました。ではなぜ、今回、その力をお使いになり武力制圧を試みられなかったのでしょうか。大変に楽しい催しをいくつも拝見させて頂きまして、我々はここに来てよかったとは思っておりますが、そちらの立場からすると、何もそのような面倒な事をしなくともという気も致します。宜しければ平和的解決を試みられた理由をお聞かせ頂ければ」この記者様はウィンクしています。
(これ半分仕込み。イアン・フレミング情報研究センター兼務。あたしらの向こうのダチ)なるほど。
「ええ、実はここに同席しております我が夫アルトリーゼと、我が母のジーナ。そして祖父のヘンリー・ワーズワースより様々な助言や提案を頂きまして。我が聖院は決して暴力的で野蛮で文明的に劣る存在ではなく、そちら様と話が通じる存在であるというアピールですね。それをさせて頂いた訳です。まぁ、オルフェンス様なら、既に祖父と言わず父クリスと言わず母ジーナと言わずですね、我が一家がこう言うハプニングを非常に好むのはい・ぜ・ん・か・らよくご存知かと」
「ええ。お父様とお母様のご結婚の際はわたくしどもの中継放送、過去最高の視聴率を記録させて頂きまして…未成年略取並びに淫行容疑で現行犯逮捕しようとする警察官の部隊が見守る中の結婚式などですね、前代未聞でしたからねぇ。更にパトカー二十台以上引き連れてお車を走らされるなど、いやもう私も大変笑わせて頂きまして」
「ほほほほほ。ま、まぁ…あれは演出の意味も」汗どばどばのジーナ様。
「いえいえ、所轄の警察署長、一応は捕まえる気満々でしたよ。その時に逮捕状見せて頂きましたが」
「…かーさん何やったのよ…概要は聞いたけど…。こほん」
(あれはワーズワース卿の渾身の英国ぶぶ漬けギャグや!まさかマジに逮捕状用意さすて何考えてるのかと。もっとも、捕まっても赦免状あるから即釈放やったと署長さん後で教えてくれたけどな…)
「えー、うちの母はこういうやらかしが得意でして、NB国民の皆様には毎々ご迷惑をおかけしておりまして申し訳ございません。さて、わたくし自身がNBはもとより、連邦加盟国の国籍を得ております親族を多数抱えておりますので、家族への危害がなければ。繰り返しますが、家族への危害がなければ、わたくしどもは武力に訴えるようなことは一切ございません。我が家族の仲は本日だけでも散々ご覧頂けた上、記録に残されるかと」
「女聖陛下。大変に楽しいお答えを頂きまして安心致しました。ありがとうございます」
「日本の産業ダイノスメディアグループの吉村です。女聖陛下の日本ご留学のお話もお聞きしたのですが、今回の一件が実現に影を差すかはともかく、その意向は本当なのでしょうか?」
「えー。割と真剣に考えております。ただ…あたくしの知能や身体能力がこれでしょ?周りから浮くのが入学前から既に判明しておりまして…ええ。差し支えなければですね、こんなんでよかったらちょっと三年くらい学生生活さしたるから来いやと言ってくださる日本の高校教育課程を教えておられる学校法人の方、ぜひ大阪市天王寺特別行政区の英国領事館までご連絡下さいませんでしょうか。出来ればそこから通学可能な学校の方が非常に好ましいのですが、まぁ、最悪、転移通学します。ただし、越境入学という扱いになるのは困りますので、希望される学校法人の方におかれましては配慮を頂きたく存じます。以上でよろしいでしょうか」
(これも半分仕込み。田中さんの娘さんの系統から、ここの通販物流部経由で出来取材打診)
(色々やってたんですねぇ)
(ほほほ。こういうのはいわばプロレスなのよっ!)
「はい。出来ればご入学が決まりましたら、支障ない範囲で取材をさせていただければと存じます。その節はご配慮を賜りますと。ありがとうございました」
「NBフリーダムライフのソニアと申します。NBへのご留学はお考えではないのでしょうか」
「えー、日本での話が没になったら、とさせて下さい。と申しますのも、やはり母親の監督下で通学した方が何かとメリットがあると考えております。そして、我が母のジーナ・タカギ・ワーズワースは日本在住で英国領事館駐在宙兵武官を任官しておりますので、NBへの留学は単独となります。ま、いざとなれば祖父宅から通わせて頂く方法もございますので。何やらわたくしの留学話ばかりですがよろしいのでしょうか」
(これ実はクレーゼ母様と共同で高木お祖父様の会社再建の仕事があるから、日本でないと困るのよ…)
「個人的にはNBご留学の方向を強く切望しておきます。ありがとうございました」
「日本の共合通信社の田崎と申します。聖院社会への経済協力先についてですが、やはりNBを主たる窓口として行われる予定なのでしょうか。また、日本市民の移住など人口対策はお考えでしょうか」
(質問は一個にせぇやぼけ…しばいたろか…)
(なんで人口対策に日本の移住がいるのよ。かーさん、共合ってハードポート系よねぇ)
(いえーす。嘉手納基地や極東総司令部、ここと因縁浅からぬ仲でのぅ。遠慮は要らぬ)
「えー、田崎様。まず日本の市民とされましたが、日本国は連邦傘下の自治主権国家ですので国民の呼称が相応しいかと存じます。わたくしも一応日本「国民」の立場も持っておりますので。そして我が聖院世界、はっきり申し上げまして地球の十六世紀から十七世紀の水準の食料や衛生事情、文化教育水準などのギャップが存在しております。そして環境問題対策のため、また別の記者様から恐らく質問を投げかけられる環境激変問題もありまして、内燃機関導入による機械的な農耕や漁業牧畜を行なって食料増産をする計画は現在のところ実施する予定はありません。分かりやすくいうと、来るなら人力で畑を耕してください。これでよろしいでしょうか」
(よーしよーゆーたーえらいー)
(わーいざまみろーわはははーゆーたったー)
「はい…他に」
「質問はおひとり様おひとつで」
「連邦宇宙軍並びに宙兵隊合同広報局の嘉手納基地担当官マクガーニーと申します。極東地域広報誌編集を担当しております。今回の中東問題における派遣機材ですが、我が連邦としても上層部は機材提供範囲拡大を考えております。現時点で要望がございましたら、可能な限り上層部に報告と共に広報誌記事とさせて頂きたく存じます」
「ご配慮ありがとうございます。わたくしの前任者の実母クレーゼが民間企業と進めていた件ですが、現地の道路事情は馬車や荷車が通行できれば上等な部類となります。また、耕作地開墾や治水土木工事、我々聖院が抑えてはおりますが、自然災害や戦乱からの復旧などで土木系建設系機材があればなぁという局面も数点存在しました。大規模な動力系機械はともかく、小型のものや手で使う道具類ですね。こうしたものの提供がございましたら利便を感じる者も多いかと存じます。よろしいでしょうか」
(要はでかいことはあたしたちでも能力でできる。スコップとかつるはしとかノコギリとかバールのようなもんくれと)
(建機がいるなら民間調達する方向でな。軍が絡むにしてもNB経由やぞ)
「ありがとうございます。その意向を伝えさせて頂きます」
「デイリーNBサイエンスコーナー担当のアダムズです。先程は痴女皇国の方にお答え頂きましたが、こちらでは例の環境激変問題ですね、これに関して質問をさせて頂きたい。と申しましても、我々は正直、それに備えてのご支援を考えようとNB世論に働きかける意向です。つきましては質問は一つ。いつ頃起きるか現時点ではある程度の予測見込みは出ておりますでしょうか」
「素晴らしいお申し出を有難うございます。現時点ではミランコビッチ・サイクルですね、これはこの連邦の所在する地球におきましても氷河期と間氷期のサイクル割り出しに苦心しておられるとは思います。このサイクルの算定の不確実性については連邦やNBの学術研究機関でも高精度の算定が困難とは伺っておりますので。一応の目安として、今後百年以内の平均気温低下やこちらの世界での太陽観測、或いは地磁気変動測定の結果を見ながら備えをしようと考えておりますが…その百年の間に何かが起きるかも知れません。本件に関しては科学研究の分野でのお話ともなりますのですが、気温低下が三百年は起きて欲しくないなぁ、と言うのが統治者としての願いですねぇ。これでよろしいでしょうか」
「なるほど。三百年あれば備えられるが、それ未満では様々な障害の可能性と。こちらにつきましてはNB本国でも政府を始め関心のある分野と思いますので、そちらの領事館を通して別途取材を申し込ませて頂くかも知れません。その場合はよろしくご検討願います。ありがとうございました」
(まったくー。NBと連邦のメディアの差がモロよねー)
(せやなー。こっちの言う環境変動で心配してるとかよー。あんたの学校行きの問題の本質わかってる人とかどんだけよと。これマジにメディアコントロールの必要性あるわ。氷河期問題って、うちらもいずれは来る話やねんぞと…)
(なるほど。これが「来る人を選んでる」理由ですね。よくわかりました。確かにこんな人が来られたら困るというのが今日だけで何人もいましたね)
(うむ。正直、これがあるからあたしらは地味に地道に行こうと思ってたのになぁ…)
(もう一人、嫌な質問をしたくてウズウズしてるのがいますよ。日時コミニュケーション社の記者。聖院の神官について女性しかおらんのか。そして採用条件は何か。つまり、聖院への人材流入狙い。ヤン事務局長の国の人から指揮を受けてますね)
(ふむ。その質問を受けて大丈夫かね、マリア。可能なら心の会話を繋いで欲しいのだが)
(おじーさま。乙女の内緒話ですわよっ。ほほほ。まぁ…ちょうどこの記者会見の締めにはいいんじゃないでしょうか。あたくしたちに毒とか効かないのを教えるにもちょうどいいですし)
(よっしゃラスでいこかー。日時の記者、質問は一つをブッチする気ぃ満々やし)
(ほぉ。ま、とりあえず挙手を受けますわ)
「えーっと、さて、あたくしたちは何故か死にそうな状況に陥っていませんが、他に質問のある方は…はいどうぞ」くすくす笑われる方多数。
「日本の日時コミニュケーションから参りました山内と申します。聖院なる組織は女性ばかりなのでしょうか。男性はいるのか、そしてどのように人を採用しているのか。一つに絞りたいところですが、性別と採用条件についてお伺いさせて頂ければと」
「かしこまりました。人事条件ですね。実はわたくしのように世襲制を敷いている場合と、中途採用のふた通りが存在します。旧来は金衣女聖というのが最高の位、銀衣の騎士団長が次位を占めていました。この二人については世襲制です。わたくしが正にそうですが、生まれた時より母親、そして先祖代々の記憶と知識を引き継ぎます。ですので、生まれた時からある意味では成人しております。実際にわたくしも生後すぐから金衣執務を補助する羽目になりまして…我が母風に言わせると「なんちゅう人づかいの荒い」という事態を経験しております」みなさん、爆笑しておられますね。
「ただ、感情や情緒反応。人生を経る経験でしか得られない感覚もありますので、それらを学習する必要はあります。聖院で暮らす分にはわたくし、他の者の喜怒哀楽を感じられますからそれを参考に学ぶことは出来ますが、こうして皆様の前でお話しをさせて頂いたり、或いは今後、NBの皆様や連邦の方々とお仕事をすることもあろうかと存じます。ま、実際はすでに限定された状況ですけどお仕事してますがね」てへぺろされるマリア様。
「で、そうした教育の一環として、NBの社会や連邦地球社会の一般的な方々との交流ですとか、そちら様の文化風俗への接触も経験しておく必要を感じたからこその学校行きたいだった訳ですが。ま、それは少し置いておきまして、中途で採用する場合についてお話をしましょう。…黒マリ?ダリア貸してー」と、敢えて声でダリアを呼ばれます。
「で、まず、我が夫アルトリーゼですが、昇格前の旧出家名アルトリーネとして説明させて頂きますね。アルトリーネは、事実上両親に売られかけて、我が聖院の支部の一つへと逃げて来た人物です。そして教育や訓練を経て騎士としての頭角を現し、現在では我が騎士団顧問のアレーゼおばさまに次ぐ剣技第二位の人物です。ま、拳技…拳の技第一位がうちにはおりますが、特殊任務従事者兼、女官の恐怖の的ですのでこれについての詳細は伏せておきましょう。世紀末覇者まんまだと言うだけでご理解ください」ここで笑い。マイレーネ様のことですね。
「そうです。我が聖院はそちらでいう駆け込み寺として機能しています。女性限定です。そして、男性の場合、諸国から孤児や犯罪者を必要に応じて提供してもらい男性労働力として使用する制度があります。ただし、この場合は院外にある専用施設での起居となり、罪人頭とわたくしたちが称している指揮監督者の配下につきます。この雇用形態を皆様にわかりやすく説明しますと、罪の軽い人が入る民間刑務所と、一部工業メーカーが行っている期間労働従業員雇用。これの両方の特徴を持っているとお考え頂ければ幸いです。つまり、男性の雇用については犯罪者や孤児の社会復帰適合を基本としているとお考え下さい」そこへダリアがやって来ました。席に着くよう促されます。
「一方で、女性の場合は先程申し上げたアルトリーゼや、たった今参りましたダリアリーゼ。この二人のように親に売られ捨てられた不幸な境遇の者が多くを占めています。下級の女官には進んで聖院の門を叩く場合や、各国の王族貴族豪商豪農から預かった女児もおりますが、これら下級女官は一定期間後に一律、進退を伺っております。それは、生体エネルギー供給や管理サイクルの関係で、上級に上がってしまうと通常の食物摂取量がごく少なく済んでしまう反面、聖院から離れて生活することが困難になるからです。還俗したいさせたいとしても不可能となり、一生を聖院に捧げる人生となるからなのです。そこで、人生の選択を確認しております。そうです、このアルトとダリアは一生を聖院に捧げました。我が聖院幹部となる為には、聖院のシステム下に組み込まれ、その意識や知識は全て共有されてしまい、嘘ごまかしが一切できない生活を送る必要が生じます。これで、山内様の会社の「ほうの」おかたからのご質問のお答えにはなったと思いますよ♪」
(うわーまりあさまいういうーめっちゃいうー)
(おおおおおさすがまりあさまかんどうー)
(すげーマリアぶちかましたーえらいー)
(くくく…ああ、これでどこか大陸系の連中、大慌てだろうねぇ、ジーナ君)
(ですねぇ、入ったら頭の中丸見えやでーになりますから)
「あと、我々聖院の思考共有システムですが、下級は上級が許可しない限り、下級同士でしか共有がかかりません。逆に上級は下級を全て覗けます。女性によくある顔と腹の中が違う、と言うのが我が聖院では基本的にあり得ない理由がこの思考共有です。で、不可逆で作用しているのはお分かりだと思います。ええ、このマリアリーゼ・高木・ワーズワースの指揮下に入るものはどこで何をしようとわたくしに筒抜けです。にやにや。いかがでしょう山内様。これでよろしいですか?」
「…あ、は、はい」
(ねーねーかーさんおじーさん、この山内っておばはん、ちょっと遊んでいいー?)
(…あんまいじめたんなよ…マリアが何が出来るかって悟って涙目になっとるぞ…)
(いや、ちょっとくらい怖がってもらっても良いだろう。私が引き継ごう。ま、見ていたまえ)
(ほいほーい)
「さて、山内記者のご質問は以上だろうか。まだお聞きになりたい事が一つあるのではないだろうか。私、ヘンリー・ワーズワースが孫に代わってお教えしよう。マリアの力は一般の人間も対象だ。何を隠そう、この私、ワーズワースの内縁の妻であるアグネスとの生活も、恥ずかしいのだが彼女には筒抜けになってしまうのだよ。ははは。そう、そして、マリアを中継することで、私にもその能力は使えてしまうのだ。例えばミス山内、貴方が昨夕、那覇市内のステーキハウスで300gのレアを注文されたとか言うことも、ね」うわー、つまりごはんの内容以上のことも…。
(ああ、もちろんだ。那覇市内のホテルに相棒がいる。どこそこ人民共和国の三十代男性。共和国解放軍の士官だな。今、マリアが宙兵隊警務に情報を送っているし、空港は押さえられている)
「そして実は、マリアリーゼは我がNBの衣料製造事業の会社役員でもある。これはマリアリーゼに対してNB社会での活動資金を提供する一環だが、彼女のセンスは我が内縁の妻にも好評でね。この水着、マリアのデザインなんだよ」と、アグネス様を紹介されます。照れ臭そうですね、アグネス様。
「アグネスだけではない。マイレーネ女官長とアレーゼ騎士団顧問以外の聖院並びに痴女皇国関係者の衣装だが、ほぼ全てマリアのデザインと設計によるものだ。先程我がNBとの経済的交流を質問された方がいらっしゃったが、これで聖院並びに痴女皇国と我がNBの関係の浅い深いを察して貰えれば良いと思う」
「連邦の方には馴染みがないと思いますが、マリアンローズというブランドでランジェリーとスイムウェアの製造販売を展開させて頂いております。国交樹立の暁には、連邦の方でも多くの女性の方を飾らせて頂けると自負しておりますわ。他衣料メーカーの育成もあってNBでのシェアは60%に留めておりますが」
この発言で記者の皆様は唖然とされておられます。そりゃそうでしょ。したぎが必ず必要な習慣をお持ちの方はもちろん、わたくしたちにもマリア様の「手製」の服は好評ですので。いんちゅう以外は。
「あと、改善の方向ではありますが、実は我が聖院が接触を限定してきた理由の一つに、女官体質に変容すると体温や周囲の気温を著しくはね上げてしまう問題があります。有り体に言いますけど、上級以上は男性との性行為が通常は不可能になっちゃうんですよ。精子が死滅するだけでなく、男性がやけどまたは焼死してしまうんです。ですから、詳細はノーコメントにさせて頂きますけど、わたくしはかなり特殊な経緯を経て生まれております。ほほほ」
(いえーい連邦地球の男性と上級女官は通常だと交配不可能って言っちゃったーわーい)
(これ言っとかないと、絶対に学校通ったマリア狙ってくるからなぁ)
(ですよねー。なんとか人民共和国なんか絶対やってたと思いますよ)
「で、この服はそれをある程度柔らげる機能もあるんです。まだ試験段階ですけど、まぁ20時間くらいは放熱操作なしで過ごせますね。ご希望があればわたくしたちの通常の体温がどれくらいかやってみせますが、戦闘時には半径数十メートルが一千度以上の高温になるのが普通なんです。通常生活時でも状況によって摂氏百度以上は余裕です。聖院の構造が水冷となっているのもこの体質による高温化を防ぎ快適に暮らすためなんですよ。ついでに、下級と上級女官の生活区画を分けているのもこの体温が上級以上と下級では大きく違うからなんです。本当なら皆様、今頃真っ黒焦げですよ。あはは」真っ青になるやら笑うやら、いろんな反応が返って来ますね。
「まぁ、今回の事務局長様と宇宙軍大将様ですか、こちらの方々が無理にわたくしたちと接触するのが如何に拙速で早まりすぎた行為かと言うのをおわかり頂ければ幸いです。現時点では仲良くなりたくても乗り越えなくてはならないハードルが多いから、時間をかけて解決策を探っていたのですよ…お分かりいただけますよね?」
うんうんと頷く記者様たち。
「うそいつわりが見えてしまうのはまだしも、わたくしたちは皆様を焼き殺したくはありませんから。では、ご質問も出尽くしたようですのでこれにて記者会見を終了させて頂きます。他に何かご質問があれば、大阪の英国領事館を経由することになりますが、そちらにお寄せ頂ければ。回答は確約できませんが、善意あるご質問であればわたくしどもは善意で返させて頂きます。ただ…あまりよろしくないご質問などの場合、私がマイレーネを伴ってお邪魔するかも知れませんよ♪」
ウィンクするマリア様、可愛いんですけど言ってる事が恐怖の大王ですやん。
で、記者会見終了後。
さっきの山内様に向かってマリア様が心話を飛ばします。
(山内さん。マリアです。今のあなたの立場では、今晩うかつに那覇市に帰ると色々まずいかも知れません。最悪、生きて沖縄を離れることができない危険があるのは山内さん自身が理解していますね?)
(もしも痴女皇国または聖院地球への亡命を希望されるなら、この場にお残りください。マリアリーゼ・アクエリアス・高木・ワーズワースが責任を持って保護させて頂きます。ただし地球社会とは様々な意味で異質な環境なのと、あたしが貴女を救おうとしているように、聖院女官も痴女皇国騎士も、最終的には他人を救うのが使命となります。投げ出すことは許されません)
(そして…性別的に特殊な立場となり、普通の男性との恋愛や結婚は基本的に困難になります。これらの制約を承知であれば、我が夫アルトリーゼや我が騎士ダリアリーゼのように救いをお求め下さい。あまり時間をかけられない話でしょうが、良く考えて決断くださいませ)
ええ、マリア様はやはりマリア様。
かつてダリアを救おうとした目でやまうち様を見つめられます。
さあ、やまうち様の決断は…。
アルト「いやー緊張しましたー」
ジーナ「あんたほとんど喋ってへんかったやないか」
白マリ「まー、あたしが本気になればこのくらいわああああああ!」
黒マリ「ちなみに痴女皇国女皇の立場であたしも記者会見せにゃならんらしいのよ。こっちを発表するとしたら、確実にR18になるそうだから読める年齢の人はよろしく頼むぜ」
ジーナ「アルトリーネの方にも話が出ていますけど、この話はまだエタってませんねん。実は。で、今後の展開ではR18でノクタる可能性もありますが、話自体はちゃんと続くそうです」
全員「では、今後もよろしくおねがいしまーす!」
2021.5.26
黒マリ「↑でそう言ったけど、何とかR15で収まりそうだからこっちに続きが載ったぜ」
白マリ「さぁ、頑張ってかーさんから逃げ切るのよ!」
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/21/




