表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ダンジョン配信中に「変身!」と叫んでみた。〜魔法使いばかりの世の中で、重装甲のバイク乗りがソロ攻略で無双する〜』  作者: じょんどぅ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/76

第75話(最終回):明日の空は、何色か

## 第75話(最終回):明日の空は、何色か


それから、さらに数十年後。


世界から「仮〇ラ☓ダー」という言葉が、日常の会話から消え、教科書の中の伝説へと変わりつつある時代。

かつての荒野は緑に覆われ、第101層まで突き抜けていた地割れは、美しい湖となっていた。


湖のほとりにある小さな家。そこには、白髪混じりになった老人が一人、椅子に座って夕日を眺めていた。**一条レン**である。

彼の身体は、かつての無理な変身の代償で、今では杖なしでは歩くことも難しい。それでも、その瞳はあの頃と同じ、澄んだ輝きを失っていなかった。


「おじいちゃん! またあのお話してよ! 昔、空が金色に染まって、銀色の騎士様が飛んだ時のお話!」


近所の子供たちがレンの周りに集まってくる。レンは皺の刻まれた手で、一人の子供の頭を優しく撫でた。


「ああ、いいとも。……でもね、その騎士様は、魔法を使ったわけじゃないんだよ。みんなと同じ、痛いと泣いて、お腹が空くと怒る、ただの人間だったんだ。……ただ、少しだけ、誰かのために一生懸命だっただけなんだよ。」


子供たちは不思議そうな顔をしながらも、レンの語る「伝説」に目を輝かせる。

レンがふと空を見上げると、そこには管理された偽物の青空ではなく、移ろいやすく、しかしどこまでも高い、本当の空が広がっていた。


「……ハルカ、海斗、ギル。見てるか。……世界は、まだ続いてるぜ。」


レンはそっと胸に手を当てた。そこにはもうドライバーはない。だが、かつて共に戦った仲間たちの鼓動と、救った命の温もりが、今も確かに刻まれている。


夕日が地平線に沈み、星が瞬き始める。

それは200年前、ドクター・ストリクスが恐れた「闇」ではなく、明日を迎えるための安らかな「夜」だった。


レンは静かに目を閉じ、深く、満足そうな息を吐く。

一人の青年が駆け抜けた200年の孤独と愛の物語は、ここで静かに幕を閉じた。


あとに残ったのは、風に揺れる草の音と、子供たちの笑い声だけだった。


---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ