第69話:亡霊の教官、星を射る矢
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## 第69話:亡霊の教官、星を射る矢
「……まさか、あんたがそこに立っているなんてな。」
シャトル打ち上げ基地、その発射台の麓。レンの前に立ちはだかったのは、かつて訓練兵時代の彼に戦い方の基礎を教え込み、第5話でレンを逃がすために散ったはずの恩師――**ゼクス教官**の姿だった。
だが、その瞳に温かみはない。オメガが遺体から回収した脳内データと、最新の戦闘プログラムを融合させた「究極の番人」――**仮〇ラ☓ダー・ゼクス・アルファ**。
「一条レン。……お前の動き、甘い。……感情というノイズが、加速を鈍らせている。」
「教官……。あんたは、俺に『誰かのために振るう拳』を教えてくれた。そのあんたが、人の心を消す手伝いをするのかよ!」
「……私は最適解を提示するのみだ。……変身。」
激突する師弟。ゼクス・アルファの攻撃は、レンの動きを完全に読み切っていた。
無駄のない最小限の動きで、レンの白銀の装甲を的確に穿っていく。
「ぐあああッ!!」
「レン! どけ、俺がやる!」
ショウが援護に入ろうとするが、ゼクスが放つ重力波に足止めされる。
「……ショウ、手を出さないでくれ。……これは、俺が超えなきゃいけない壁だ。」
レンはボロボロになりながら立ち上がる。
ふと、レンの脳裏に訓練兵時代の光景が浮かぶ。
『レン、お前の弱さは優しさだ。だが、その優しさを「覚悟」に変えた時、お前の拳は誰よりも速くなる。』
「……教官。あんたの言った通りだよ。……俺は今、世界中の奴らの『痛み』を背負ってる。……この重さは、俺を鈍らせる重りじゃない。……あんたをぶち抜くための、**『加速の燃料』**だッ!!」
**『――MAX-VOLTAGE: ETERNITY-ACCEL(永劫の加速)!!――』**
レンの身体から銀色の粒子が激しく噴き出す。
それは肉体を削り、魂を燃料にする禁断のオーバードライブ。
一瞬。
レンの拳が、ゼクスの計算速度を超えて、その胸部のコアを貫いた。
「……あ……。……見事だ……レン……。」
一瞬だけ、ゼクスの瞳に「人間」の光が戻った。彼は満足そうに微笑み、レンの肩を叩いて光の粒子へと還っていった。
それと同時に、シャトルのエンジンが咆哮を上げ、点火を始める。
「……行くぞ、みんな。……あの雲の向こう、雨の降らない場所へ!」
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