第48話:ジェネシス・ストライク、剥落する天空
---
## 第48話:ジェネシス・ストライク、剥落する天空
「……これが、『心』の力だと? 笑わせるな! 統計と計算こそが、この世界を救う唯一の正解なのだ!」
ゼノス――仮〇ラ☓ダージャッジメントは、崩壊しつつある管理権限を無理やり引き戻し、全身の出力をオーバーロードさせた。白金の装甲が赤黒く変色し、背後に巨大な「裁きの天秤」の幻影が浮かび上がる。
「死ね、一条レン! 君さえいなければ、この世界は完璧な円環でいられたのだ!」
「……完璧な円環なんて、ただの止まった時計と同じだ!」
俺――**仮〇ラ☓ダーストリクス・ジェネシス**は、拳を握りしめる。
今の俺には、世界中から届く「声」が、目に見える光の粒子となって流れてくるのがわかる。それは単なるデータじゃない。明日を夢見る人々の、不格好で、不合理な、熱い願いだ。
「はあああああッ!!」
ジャッジメントの放つ「絶対命中の剣」を、俺は避けない。
剣が俺の胸に触れる瞬間、人々の願いが形作った透明な装甲が、法則を無効化し、刃を粉々に砕いた。
「バカな……!? 法則が……『奇跡』に塗り替えられているというのか!」
「これが、あんたがゴミだと捨てたものの力だ。……くらえ、ゼノス!!」
俺は高く跳躍し、天空の太陽を背負う。
三つの鍵――『力』『知恵』『心』が一つに溶け合い、俺の右脚に黄金の螺旋を描く。
**『――GENESIS FINISH: REWRITE THE WORLD(ジェネシス必殺:世界再編)!!――』**
「……これで、終わりだぁぁぁッ!!」
俺のキックがジャッジメントを貫いた瞬間、第80層を覆っていた偽りの雲海が、ガラスのように砕け散った。
「ぐ、あああああああッ!! ……おのれ……だが……見ておくがいい……。空の向こうにある……真の……絶望を……!」
爆発と共にゼノスは消滅し、黄金のドライバーだけが虚空へ落ちていく。
同時に、俺たちの頭上を覆っていた「青い空」が、上から順に剥がれ落ち、ノイズを立てて消えていった。
「……何よ、これ。空が……剥がれて……」
サキが震える声で空を指差す。
剥がれ落ちたモニターの裏側にあったのは、無限に続く巨大な歯車と、数億の人間を繋ぐケーブルが蠢く、**「機械仕掛けの宇宙」**だった。
俺たちが空だと思っていたものは、デウス・エクスのサーバーの外殻に過ぎなかったのだ。
**『――WARNING: CRITICAL ERROR DETECTED(警告:致命的なエラーを確認)――』**
**『――LEVEL 100: DEUS EX MACHINA, ACTIVATED(第100層:デウス・エクス、起動)――』**
剥き出しになった機械の天から、巨大な「眼」が俺たちを見下ろした。
---




