第37話:偽物の誇り、本物の絆
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## 第37話:偽物の誇り、本物の絆
「……数千人の、俺。……俺は、ただの『選ばれた部品』だったのか」
カプセルの中に眠る、自分と同じ顔の群れ。
その光景に、レンの心は音を立てて崩れ落ちようとしていた。今まで積み上げてきた「一条レン」という人生が、プロフェッサーの手のひらで踊らされていた実験データに過ぎなかったという絶望。
「ハハハ! そうだ、絶望したまえ! 君が流した涙も、仲間を守ろうとした勇気も、すべては新人類としての性能テストに過ぎなかったのだよ!」
プロフェッサーが腰のベルト――レンの物より洗練された漆黒の『アーク・オリジン』に手をかける。
**『――ORIGIN DRIVE: ZERO-ENTITY(根源駆動:零体)!!――』**
漆黒の衝撃波がドームを揺らし、プロフェッサーは禍々しい**「仮〇ラ☓ダーストストリクス・ゼロ」**へと変身を遂げた。
「……動けないか、レン。ならばそのまま、大いなる計画の礎となるがいい」
プロフェッサーが虚無の刃を振り上げる。
だが、その刃がレンに届く直前、二つの光が割り込んだ!
「……どきなよ、おじさん! レンさんが部品なら、俺たちはその部品に救われたガラクタだってことかよ!?」
海斗のブースト・キックが、プロフェッサーの剣筋を強引に逸らす。
「レンさん、顔を上げて! あなたが何人いようが、私たちが一緒に笑って、一緒にご飯を食べて、一緒に死にかけたのは……目の前にいる、あなた一人だけよ!!」
サキ(ヴァルキリー)が、電磁ブレードを全開にしてプロフェッサーの懐へと飛び込む。
「ぐっ、邪魔だ……! 『失敗作』の人間どもめ!」
「失敗作で結構! 俺たちは、あんたの計算式になんて載ってねえんだよ!!」
二人のライダーが、身を削るような連携でプロフェッサーを圧倒していく。
本来の出力では及ばないはずの相手。だが、今の彼らには、立ち止まったレンを守るという**「定義不能の意志」**が宿っていた。
「……海斗……サキ……」
レンの視界の中で、二人の背中が輝いて見える。
システム上の血筋がどうだろうと、自分の価値を決めるのは、ドクターでも管理局でもない。今、自分のために傷ついている「隣の奴ら」だ。
「……ああ、そうだ。俺は……俺たちのために、俺を名乗るッ!!」
レンが、壊れかけたアーク・ドライバーに拳を叩きつけた。
バックアップされていた数千人の「兄弟」たちのデータが、レンの怒りに呼応して逆流し始める。それは支配のためのデータではない。レン一人の意志を支えるための、膨大な演算能力へと変換されていく。
**『――SINGULARITY DRIVE: THE ONE(特異点駆動:唯一無二)!!――』**
白亜の装甲に、紅蓮のラインと黄金の瞳が宿る。
**仮〇ラ☓ダーストリクス・シンギュラリティ**。
数千の可能性を一つに束ねた、レンだけの「個」の姿。
「プロフェッサー。あんたの計算に、この『絆』の熱量は入ってるか!?」
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