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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第2部 グードリーヴァアカデミー 〜dance for the first time ~
25/114

オンガク

3頭もお腹膨れたみたいだし、そろそろ当初の目的を実行しないとな。

折角だから……とガゼボに魔法をかけ防音効果と音響効果を最善にする。

テーブルに例のマシロ人形を3つ置く、アコースティックギターのチューニングをして弦を爪弾く。いつも双子達に子守唄として歌うのは、北斗時代の歌「ハッシャバイ」

スローなバラードで俺の好きな曲のひとつだ

アコースティックギターの弦を滑らかに指を爪弾きながら音を紡いでいく。どんな場所でもどんな世界でもそれが異世界であってもオンガクは、変わらない。この世界の言葉で訳詞した歌詞をメロディーに乗せていく。

「君が夜の闇の中で立ちすくんでいても、僕が煌めく星の光になって道を照らし包み込んであげるよ。だから、ゆっくりおやすみ ハッシャバイ〜 …… 」何曲か気持ちよく歌っているとそろそろ寮に帰る時間だ。ふと見るとガゼボで3頭がぐっすり眠っている、

「おい、帰るぞ〜! 起きろ〜! 」

幾ら揺すっても起きない! 仕方ないのでアコースティックギターとマシロ人形を空間ボックスにいれて右側の腕にブルー左側にホクト フードにマシロを入れて帰る事にした。

「本当に〜、もう俺のほうが使い魔じゃないのか? 」

寝ているから余計に重い、でも腕の中で、でろ〜となりながらもすやすや寝ているのを見ていると心地よい。まあ、こんな日もあっていいかな。

寮に帰ってとりあえずホクトの登録をする為に2頭を部屋で寝かせて、寝ているホクトを抱いてジーヤメリ寮のカウンターまで行く。今日はマリアがカウンターにいた。

「すみません、リル・ジーザメリウスです、使い魔の追加登録をお願いします」

「あら、ジーザメリウス君ごきげんよう、使い魔の登録ね、この用紙に記入してね。

えっと、ちょっとだけ待っててインク持ってくるわ」

奥に行こうとするマリアを呼び止めた

「マリアさん、大丈夫ですよ僕持っていますから」

と胸ポケットから万年筆を出し用紙に記入した。

「ジーザメリウス君、それペンなの?素敵とても便利そうねそれにその装飾もとても素敵だわ」

「ありがとうございます。万年筆といいますがもしよろしければ今度お持ちいたしますよ。商品販売していないので少しお時間いただきますが、マリアさんとジャックさんおふたり分でよければ」

「ええ〜!そんないいのかしらでも嬉しいわあ」

「大丈夫ですよ」

「あの…… 厚かましいついでにお願いがあるのいいかしら? 」

もじもじしながら言いにくそうにするマリアさん

「えっ?いいですよ、内容にもよりますが」

「あなた、時々何かバイオリンでもない大きな楽器持って庭園や池のほとりで一人で歌ってるじゃない、実は私いつも見かけたらつい聞き入ってしまうの…

毎日、この中央カウンターのホールであなたの声が響き渡ったら素敵だなって思っていて、1曲でいいから歌ってくれない?」

いつもすましていて仕事できる女性のイメージのマリアさんが恥ずかしそうにお願いしてきた。

「僕はいいですけど、他のカウンターの人達が大丈夫かな? 叱られませんか?」

「それは、大丈夫!実はそう思っているの私だけじゃないの、待っててね」

マリアさんはそう言って中央カウンターに走って行った。

すると他のカウンターの人たち中央カウンターに集まってきて何か相談している

マリアさんがにこやかに帰ってきた

「ジーザメリウス君大丈夫よ、今カウンター室長と学園長に承諾いただいたから中央カンターに来て!」

「えっ!!学園長!! 」

うわあ、あの人が来る前に歌ってしまわないと……


中央カウンターの前に椅子を置いてその前にいつもカウンターで働いている人たちが自分の椅子を持ってきて座っている。休日で静かな受付ホールにアコースティックギターと俺の声だけが響く。テンポの良い曲だとみんな手拍子をしてくれたりなんだかストリートパフォーマンスしている気分だ。

6曲ほど歌い、「ありがとうございます」と立ち上がりお礼をすると

職員といつの間にか聞きつけた生徒で沢山の人に囲まれていた大きな拍手と

「こちらこそ、ありがとう、楽しかった! 」「明日からまた頑張れるわ」「また聞かせて〜」色々な嬉しい言葉を投げかけてくれた、久しぶりの拍手や声援がゾクっとした。

俺、やっぱり歌が、オンガクが好きだ!


「ふーん、リルは本当に面白いな〜」こっそり影でまた楽しそうに笑う学園長がきていたのをその時俺は気が付かなかったのだ。


マリアさんもすごく喜んでくれた。

「ジーザメリウス君、やっぱり素敵だったわ! 本当にありがとう、みんな喜んでいたよ また聞かせてね」と俺の代わりにホクトを撫でながらお礼を言ってくれた。

「こちらこそ、気持ち良かったです、またぜひ」


この「また聞かせてね」というのが社交辞令ではないことと、マリアさんの行動力を俺は後々思い知ることになる。




ご覧頂きありがとうございます

どの世界でもたとえ異世界でもオンガクの楽しさは一緒

そしてファンもどの世界でも共通ですね

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