真相と勇者への恩賞
「…はっ…こ……ここは…」
「気がついたか?」
「…え…ぁっ…えッ…おっ…王様ッ…それに奥方様まで!?」
「ぉ…奥方っ…!?///」
「…ん?、ミランダの事か?。妻とかではなくて優秀な臣下なのだが…」
「……」
「…な…何だっ?、ミランダよ……そんな、こいつまじか…みたいな目をして…」
「…いえ……やはり我が王だな…と…」
「…ど…どういう事だっ?」
「…ぁ…す…すみませんっ…勘違いしてしまったようで…?」
「いえ、おきになさらず。我が王のコレはいつもの事ですから」
「……んんっ……まぁ…よくわからんが………コレから話をするが、無理に起き上がらなくて結構だ…かなり負担がかかっておるからな…お主の体には…って、言ってるそばからそれかッ」
病院のベッドにユーリが平伏しようとするのを止める。
だから、体に響くからやめろっ。
「…な…何故…こちらに?…」
「なに、たまたま通り掛かったからな…様子を見に来ただけだ」
「……そう…ですか…」
「…此度は助かった。お主がいなければ、子供らの命はなかっただろう…改めて感謝する」
俺とミランダは、深く頭を下げた。
「いっ…いえッ、そんなッ…当然のことをしたまででッ…あっ!子供達はッ!?」
「問題はない、怪我をした者はおるが皆生きておる。明日には、元気に外を駆け回っておるだろう」
「…っ……よかったぁぁ…」
「…後お主にとって、助けたことは当然の事だとしても、恩人であることに変わりはない。また、褒美をとらせよう」
「……あの王様……褒美はいりません…ですが代わりに……お願いがございます」
「…ほぅ、何だ?」
「…私を…死罪にしてほしいのです」
「……」
「…王よ…お気づきでしょうが…私は今、聖剣からも見放されております」
「…やはりか…」
そうなんじゃないかという予感はしていた。
でなければ、魔王を討伐する勇者が、厄介な相手とはいえナイトメアミストとナックルコングの2匹に苦戦するなど考えづらい。
「…理由はわかっております……私が、勇者としてあるまじき事をしてしまったから…」
「…勇者として、あるまじき事?」
「……無実の人を殺めたのです……それもたくさんのっ…」
「……」
「…ドマンド王国を危機に陥れる者達がいる…だからこれを討伐せよと命令がありました…」
「…それに素直に従ったと?」
ユーリは小さく頷いた。
「もちろん、多少疑問に思いましたが……証拠品や証言が…ですが、実際は…」
「…王国側が用意していたものだったわけか…」
悔しそうにまた頷いた。
「……それだけじゃなくて…他にも…」
「…一つ確認したい。何故気がついた?…話から察するに、かなり前から行っていたのだろう?…国側で物的証拠を用意していたのなら早々に気がつけるとは思えんが…」
「…ある道具を手に入れたんです」
「…道具?」
「…東の地で魔王を討伐した際に……魔王が集めていた中にあった真実の眼というアイテムを……鑑定魔法で調べたところ、問いかけた内容に対して真実なら青、嘘ならば赤になる力がありました」
「…鑑定魔法を使用したのなら、確かに本物だろうが…信じたのか?」
「…前々からおかしいとは思っていたんです………何故、こんな小さな村に国家を貶めるようなことができるのかと…」
「…真実を知ったお主達…いや、お主は勇者パーティを離れ、1人で全部の罪を背負ったと?」
「…結果的には…ですね……そんな余裕…当時の私にはありませんでしたから…」
…まぁそれもしかたなかろう。
知らなかったとはいえ、精神面のダメージは凄まじかっただろうからな…
…いなくなったのは、ある意味…あの国にとっては思いもよらない良い結果だったわけか…
勇者ユーリに不都合なことを全て押し付け、後釜には利益ある人間をあてがう…
なるほど…中々に運に恵まれているようだな…あそこの王は…
「…王様…私は、罪人です…その罪は、決して償えるものではありませんっ……死罪をっ…」
「……」
…子供らを助けてくれた恩人が、褒美に死罪を望むとはな…
…世の中、なにが起こるかわからんものだ…
「…我が王よ…」
そばに控えていたミランダが、問いかけてくる…
どうするのかと…
…そんな事、決まっておる。
「…良かろう」
「…ありがとうございますっ…」
…誠に不本意ではあるがな…
だが、本人が望むなら仕方のない事だ。
「俺の名の元、勇者ユーリには死罪を与えよう」




