さらにいなくなるドマンド王国
時は少し遡り…
件のドマンド王国内部の宰相の部屋で…
「…何…?……勇者パーティーがそろっていなくなっただと?」
「はっ!、宿泊していた宿を訪ねましたが既に旅立った後でございました」
兵達に、新しき勇者に備え、既存の勇者パーティーの面々を集めるように指示したが…肝心の者達は既にいなくなった後だった。
「うむむむっ…」
「いかがなさいましょう?」
まさかここまで行動が早いのは予想外だった。
あの何も考えていないナーレス王を言いくるめ、都合の良い貴族を勇者として割り当てたのはうまくいったが…多少…いや、かなり不安はあった。
いくら、剣の腕も魔法の技術もあるといえど、実際の戦場ではただ上手なだけではすぐに餌食になる。
だから、勇者を鍛えるためにも、既存メンバーに訓練させようと考えていたのだが…
「…いないのであれば仕方ない……ひとまず、騎士団長に勇者の稽古をつけさせよ。……新しき勇者パーティーの選別もせねばならんな…」
勇者だけ入れ替えれば良いと思っていたが…とんだ出費ができてしまったものだ…
…まぁよい。
この際に、使いやすい人材にしておくのも悪くはないだろう。
そう考えれば、勝手にいなくなり、報酬も未払いで済むのだから儲け物だ。
「ひとまず、私の方から王には報告しておこう。下がってよい」
「はっ!」
…さて、何処の金がある貴族を割り当てようか…
こうして、総入れ替えにより出来上がった勇者パーティー。
これがどんな事態に陥るのか…
この時は誰も予想できていなかった。




