その3 思い
久しぶりの更新です。
駄文で申し訳ありません。
漆黒の夜空き家の中、幌馬車の中ではキャンドルランタンの明かりで更に空き家の外では彼等が今から約三時間前までは焚き火を使い料理に利用しており、現在は光源として利用している。
食べ終わって調理器具、食器の後片付けも終わり後は寝るだけだった。
「そろそろ次の街で食材も買わんとまずいな。干し肉か、くそ固いビスケットだけの食事はキツいな。」
「後酒もじゃな。安酒でも必要ぜよ。」
「お前は、いつも酒を飲み過ぎや。」
「アホみたく飲んで気付いたら“あれ?あんだけ買っていた酒が失くなっている!”っていつも騒ぎになっていますよ。先輩」
「後、酒の肴としてピクルスの塩漬けとか大量購入はやめてくださいね。ピクルスが入っている樽に近づくとなんだが漬物の匂いが漂ってきて正直キツいですよ。」
「酒は辛い人生を生きるための活力剤ぜよ!それを飲みながら食べる塩漬けは上手いのじゃ!この異世界に来てワシが得た素晴らしい知識ぜよ‥‥だから余計に欲しいのじゃ!」
「「‥‥‥。」」
「なんじゃ!?おんしらその目は!?」
「先輩が大量の酒を買うせいで財政が圧迫しているんですけども‥‥ってか酒を買わなかったら、そこら辺では買えない装備とか買えるんですけども。」
「つうか、ピクルスの塩漬けも特定の人達しか食べないじゃないですが。」
「こうなったらいっそのことアルコール【消毒薬】はありますけど飲みますか?」
「それを飲んだら人体に影響するから遠慮するぜよ。」
そんな下らない話をしながらも、夜は更けていて幌馬車組と空き家組に別れて寝ることにした。
「眠いなぁ。」
「カイくん。私はこんなに嬉しいことはありませんね。君が私の隣で寝てくれるなんて‥‥私の毛布の中で一緒にお互いに暖めましょう?」
「すいませんがたまたまです。後もし先輩が俺に触ったりしたら外に叩き出しますよ?」
「つれないですね。カイくんは。」
「ちっ!全くここに歳上の女性が一緒に寝てくればなぁ俺様は天国なんだか‥‥でも最近タクが色ぽっく見えてきたなぁ‥‥。滾ってきたぁ」
「怖い!タツが怖いんだけども!?」
そんなアホなやりとりをしながら各々が寝る準備をしていた。
その一方で本日の見張り役をそれぞれ四人の体制のシフトをしておりまた空き家と幌馬車の周囲の付近の木々をロープを結んで木々がないところにあらかじめ縦約35cmの杭を打ち込み、ロープの至るところに鳴子【木製、くず鉄】を設置している。しかもそれを二重にして空き家と幌馬車を囲んでいる。
いくら村の郊外でも、知らない土地故に安易に眠れることはできない。この異世界に飛ばされてから彼らはそうしている。そうでもしないと死ぬと考えてもいいと彼らは思っていた。
それから数時間がたった。夜風が吹いてきたそんなに吹いてはいないが、鳴子が所々で聞こえてくる。
幌馬車に寝ていた男が目覚めた。
「んーなかなか寝付けないのぅ。」
男はあくびをして独り言をいいながら起きて脇に置いてある剣を持ち幌馬車で寝ている仲間を踏まないようにして外に出た。
男はそのまま他の仲間が寝ている空き家の裏庭で立ち小便を始めた。
「ふぅー冷えると出る出るのぅ。」
男はふと夜空を見た。雲が三日月を隠すが、そこまで雲量はなく所々で星々が見える。前の世界で見れないほどの綺麗な夜空。男は目を閉じて
”“この世界の国の奴等に勝手に召還されてもう半年。召還された奴等に一時的に荷担したが危うく“道具”にされそうになり勝手に逃げだした。わしはアホでろくでもないがこの家族を守る義務がある。例え畜生と呼ばれても守るぜよ。””
男はそう思った。そもそもこの異世界に召還された理由はただ利用されるだけの存在だった。一時的に荷担してそれを知った彼らは逃走した。目的がない旅路になったが、それでも何故か心が満足している。
そう思い。立ち小便を終えて幌馬車に戻ろうとすると
「きやっ!?」
トラップの鳴子がなったと同時に声が聞こえた。
男はすぐさま剣は抜刀して鳴子がなった方向に行くと見張りの仲間の一人が駆けつけていた。
「誰だ。お前は?」
「いや!いや!!」
うつ伏せで仲間【後輩】に馬乗りで押さえつけられているフードを被った不審者はただ逃れようと手をジタバタしているがそれでも体格差により逃れることはできない。残りの見張りの仲間も駆けつけてきた。仲間の一人が松明を持ってきていた。仲間の一人が松明を不審者の顔に近づけた。
幼い顔立ちしており顔には土が着いており恐らく鳴子トラップの紐に引っ掛かって転倒した思える。馬乗りをしている仲間【後輩】がフードを無理やり剥ぎ取ると髪は薄茶で短髪だが‥‥。
「‥‥えっ?獣耳?」
獣耳がぴょこぴょこと動いていたのであった。
次回は不審者の正体が分かります。【尋問もあります。】