プロローグ
自分自身小説など書いたことのない素人学生ですが、読んでくださると嬉しいです。
広くて静かな空間。どこかの空洞だろうか。
コツコツ、と2つの足跡と光が近づいてくる。
一人は中学生ぐらいの背丈の少年。
もう一人は、カンテラを持った大人の男。
二人が進んだ先には禍々しいオーラを放っている箱のようなものがあった。
すると男は言った。
「この星が背負うには強大すぎる....」
カンテラの灯りがすっと消えた。
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この世界では 自然、生命などのエネルギーが塊になる。つまり、結晶化されていた。
人々はこの結晶を活用し、生活に役立てていた。
しかし、この無限に湧き出るエネルギーが一体なぜ、どこから湧いてくるのか定かではなかった...
この世界に存在する【アマダム】【グリード】【ガルマ】【ザント】の四カ国は、お互いに干渉する事こそなかったが、どの国もこの謎を解明しようと研究を進めていた。
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「グリード」の国内にあり、豊かな自然、数十の木造の家が並ぶアルカナ村。
一人の男が家のドアを開けた。
「パパおかえりー!!」
と家の中にいた少女が元気に言った。
彼女の名前は「ミサト・アルティニアス」12歳
アルカナ村に住む少女。見た目は、鮮やかな赤い髪に、透き通るような青い目を持っている。緑の髪飾りをつけ、黄緑のワンピースを着ている。
「ただいま、ミサト」
そう答えたのはミサトの父「キリヤ・アルティニアス」30
歳
見た目は、黒髪、黒目で眼鏡をかけている。少し真面目そうな印象だ。
彼はこの村の出身でありながら国内最大の結晶研究施設のエリート研究員である。
「パパー、その手に持ってるのなに?もしかしてミサトへのお土産ー!?」
キリヤが手に持っている黄色い石のようなものを指差し、少しワクワクした様子でミサトは尋ねた。
「これは残念ながらお土産じゃないんだよなぁ。昨日雷が激しかったろ?父さんの近くでもでっかい雷が落ちたんだけど、落下地点で雷のエネルギーが結晶化してたんだよ!名付けるなら...雷の結晶...みたいな感じかな?父さんが見つけたからこれは父さんのものでーす、ミサトにはあげませーん」
最後の方は若干煽りながらキリヤはそう言った。
「むー、ケチー!」
ふくれっ面でミサトが言った。
「冗談だって。ミサトにあげようと思って持って帰ってきたんだ。これあげるからちゃんと大人しく留守番してるんだぞ?」
そう言ってキリヤは結晶をミサトに手渡した。
「ありがとー!!....って留守番ってどうゆう事?」
ミサトが尋ねる
「あれ、ミサトに言ってなかったっけな?実は父さん「根源」の視察団に選ばれたのさ!!」
誇らしげに言うキリヤにミサトは
「根源ってなに?」
と聞く。
「くー、そこから説明しなぎゃダメか...一から説明するからよーく聞いとけよー?」
少しがっかりした様子を見せてからキリヤは説明を始めた
「少し前に大きなエネルギーの暴走、すなわち「クリスタルインパクト」があったのは知ってるな?」
と問いかけるキリヤ。
「あのすごい地震が起きた時のことでしょ?」
ミサトは答えた。
「そう、それだ。とても大きな災害だった。だが、そこからその暴走の発生源を特定する事が出来たんだ。一度そこに地域の学者たちが視察に行ったみたいなんだがそこでついに発見したんだ...全てのエネルギーの発生源...つまり根源を!!」
熱く語るキリヤだがミサトはナニイッテルカワカンナイという顔で首を傾げていた。
「例えば...お前の持ってるその結晶も根源から湧いたエネルギーでできてるんだ」
ミサトは少し理解したのか感心した顔で頷いていた。
「いいなー、私も行きたーい!」
とミサトは言うが
「ダメでーす。危ないからミサトはお留守番でーす」
とキリヤは拒否する。するとミサトが再びふくれっ面になる。
「俺も連れて行きたいのは山々なんだが、本当になにが起こるかわからなくて危険なんだ...またお土産持って帰ってやるから。な?」
なだめるように言うキリヤにミサトは少し不機嫌そうに
「.....わかったよぉ」
と言う。
「さすが俺の自慢の娘。いい子だ」
ミサトの頭を撫でながらキリヤは言った。
しかしミサトの顔には何か企んでいるような怪しげな笑みが浮かんでいるのであった。
根源視察への出発直前。
「じゃあちゃんといい子で留守番してるんだぞ」
と言いながら荷台を連れた馬車に乗り込むキリヤ。
「わかってるって!お土産ちゃんと頼んだよ!」
とミサト。
「それじゃ、行ってきまーす」
とキリヤの乗った馬車は出発した。しばらくして馬車が見えなくなった後、
「ふふふ...残念だったわねパパ...いつも私を置いて出張やら研修やら...今度はついて行ってやるんだから!」
悪質な笑みを浮かべ、ミサトはそう言った。
数分後、ミサトは馬車の通った道を全力疾走していた。
(パパは必ずトリーヌおばさんのうちに挨拶に行くはず...きっとそこでくっちゃべってるはず...その隙に馬車に乗り込めば....いける!!)
ミサトの考え通りトリーヌおばさんの家の前にはキリヤの馬車があった。周りに誰もいないことを確認し、そっと馬車の荷台に乗り込んだ。
しばらくするとキリヤの声が聞こえてきた。
「それじゃあ行ってくるよカトリーヌさん」
キリヤは馬にまたがった。
(荷台は見ないで...お願い...)
キリヤは荷台を確認せず、そのまま馬を走らせた。ミサトは安堵し胸を撫で下ろした。
キリヤとこっそりついてきたミサトを乗せた馬車は、根源が発見された地、ゲルマ火山の地下深くに向かっていた。
キリヤは少しの緊張と興奮、ミサトはワクワクしていた。そこで大きな悲劇が起きるなど、まだ二人には知るよしもなかった....
二人が向かうゲルマ火山はグリード内にあるものの、国内の端の方にあり、四カ国の中心に近い場所にある火山だ。
まさに根源があるのにぴったりな場所だった。
3時間ほどたち、二人を乗せた馬車はついにゲルマ火山の地下深く、根源のある場所に到着した。
そこには、いくつかのテントや壁につけられた松明はあったが、ほとんどないもないと言っていいような広い空洞であった。キリヤは馬車を降り、他の研究員達へ挨拶をして回った。その途中、キリヤは研究者達が束になって集まっている場所を見つけた。おそらくもう視察がはじまっていて、そこには根源があるのだろう。
一刻も早く根源を目にしたかったキリヤは小走りでそこに向かい、研究者達の間を通り抜け根源の前に立った。
「これが....根源...?」
それは「箱」のようなものだった。
白く透き通った何本かの結晶の柱のようなものに囲まれ箱の形をかたどっていた。その中心には、どす黒いエネルギー、というよりは、オーラのようなものがあった。
確かにものすごい力や威圧感を感じるが、全てのエネルギーの根源にしては小さすぎる。とキリヤは疑問を抱いていた。
一方でミサトは荷台から出るタイミングを計っていた。
(パパを驚く顔が目に浮かぶ...ふふっ、楽しみー!)
キリヤは箱の隙間から少しずつオーラが漏れていることに気づいた。その事を他の研究者達に伝えたが「問題はない」と返されたため、特に気にしていなかったが、時間が経つにつれてその漏れは大きくなり、やがて根源自体が少しずつ揺れ始めた。
オーラを囲っていた結晶の柱にヒビが入った。
その瞬間キリヤは悟った。もう一度エネルギーの暴走が来ると。
様々な感情が湧いてきた。
いきなりの事への驚き、ありえない危機への怒り、皆を助けなければという責任感。
しかし一番強かったのは死への恐怖であった。逃げろの一声もかけず、後ろに振り返り逃げ出そうとしたその時。
「あっ!気づかれちゃったかー!」
そこにあったのはここにいるはずのないミサトの姿だった。
キリヤは無言でミサトを抱きしめた。彼女を守るために。
皆を助けたい気持ちより、死を恐れる気持ちより、娘を守りたいという気持ちが勝った。
ミサトが父の体の温かみを感じたその時。
どす黒いオーラが空洞全体に広がった。
ミサトは父の体の温もりがなくなって行くのを感じながら意識を失った。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
よければ次も読んでくれると嬉しいです。




