第38話 IFの条件 ――そして“静かに不安が始まった日”
今日のテーマは、Excel界の王様――IF関数。
先生の第一声がこちら。
「これはテキストにもプリントにも載っていません。今日で覚えてください。」
はい出ました。
“今日で覚えろ”=地獄確定フラグ。
教室が一瞬でピタッと固まった。
1| 条件式との格闘、脳がカロリー消費中
ホワイトボードには
「以上/より大きい/以下/より小さい/等しい」
条件式のフルコースがズラリ。
頭ではわかる。
だが、手が追いつかない。
入力しながら考え、
考えながら操作する――
これはもはや Excel版“脳内トライアスロン”。
しかも今日は珍しく若者3人まで真剣。
アラカン勢も沈黙。
教室全体が “本気のときにだけ出る静寂” に包まれた。
Excel、今日ついに 本性をあらわす。
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2| いつも強い63歳の彼女の、初めて見る顔
普段は淡々として落ち着いている63歳の彼女。
ところが今日は眉間に深いシワ。
「テキストに載ってないから、あとで見返せないね…」
(……はい、その不安、全員で共有しております。)
若者ですら質問し始める。
つまり今日の難易度、完全に ガチ。
その瞬間、教室全員の心が静かに一致した。
「今日のExcel……詰む。」
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3| そして、地獄のプリント演習が始まる
先生の“励ましのつもり”のひと言。
「これができればMOSは解けるはずです!」
……先生、“はず” が一番怖いんですよ?
プリントには未知の条件式が次々登場。
スピードは相変わらず鬼速。
気づけば教室は無音。
聞こえるのはキーボードのカタカタだけ。
ふと胸の奥に浮かぶ。
「私、本当にExcelを“仕事で使えるところ”まで行けるの?」
胸の奥が、じわっと冷える。
逃げ場のない不安。
横を見ると、61歳の彼女もそっとため息。
不安は、みんな同じ。
だからこそ余計に重い。
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4|ただひとり、とよちゃんは別世界
そんな中でもブレない女がいる。
前職で10年以上Excelを操ってきた とよちゃん(51歳)。
・迷子ゼロ
・ミスゼロ
・動揺ゼロ
・計算式のブレもゼロ
その安定感、ほぼ 高級家電。
でもその存在が逆に心強い。
(この人についていけば、道には迷わない。)
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5|三連休の覚悟
授業が終わり、バスの揺れに身を任せながら考える。
今日の教室の空気が、頭の中でまだざわついていた。
来週から、いよいよ 模擬テスト本番。
私は静かに決めた。
「三連休、猛勉強する。」
「IF関数に、負けてたまるか。」
不安はある。
でも、不安があるということは――
私はまだ、前に進みたいと思っているということだ。
だから私は、この三連休を、逃げずに使う。
今日のまとめ
・ IF関数は“Excelの哲学”に近い
「正解を出す式」じゃなく、「条件で世界を分ける考え方」だった。
・ テキストがない不安は、みんなで分け合うと軽くなる
・ とよちゃんは今日もプロ級の安定感
・ 不安があるからこそ、人は前へ行ける
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【39話・予告】
三連休の中日、私は今日も黙々とExcelとにらめっこ。
気づけば勉強10時間、なのに疲れゼロ。
“わかる瞬間”だけ、脳内スポットライトがパッと点灯。
そしてその夜――
登録した覚えのない派遣会社から
「ぜひ来てほしい人材です!」と高評価される 謎の夢。
完全に勉強ハイである。
次回、孤独だけど、どこか幸せな “中日デー”、お届けします。




