故国イタケへ
一人の男が、オデュッセウスに競技に参加するように促す。
男:「あんたも参加しないかい?」
オデュッセウス:「いいえ、今は、そんな気持ちには・・・」
男:「強そうなのにもったいない」
そこにレスリングを優勝した男がやってくる。
レスリング男:「腰抜けだな」
オデュッセウスには、それが自分を引っ張り出すための挑発だとわかったが、少し実力を見せることにした。そして置いてあった円盤を拾うと、誰よりも遠くへ投げ飛ばした。
レスリング男:「やっぱりあんたタダ者じゃねえな」そういって笑った。
王アルキノオスは、場を盛り上げた優勝者やオデュッセウスに褒美を与えた。
オデュッセウスが汗を流しに湯浴みに行くと、そこには王女ナウシカがいた。
王女ナウシカ:「故郷に帰られてしまうのね。」見つめあう王女とオデュッセウス
聡明な王女には、これが叶わぬ恋だとわかっていた。
王女ナウシカ:「故郷に帰ってからも、希には私の事を思い出してください」
オデュッセウス:「あなたは命の恩人です。一生忘れません」
席に戻ってきたオデュッセウスは、吟遊詩人にトロイア戦争の詩の続きをお願いする。
トロイアでの出来事を想いだし、感傷に浸るオデュッセウスは涙を流す。
王アルキノオスはオデュッセウスに尋ねる。
王:「客人よ、なぜ涙を流されるのです?トロイアにお知り合いでも?」
オデュッセウス:「実は・・・」
オデュッセウスは、いままでの経緯を話した。
王アルキノオス:「そうでしたか・・・それでは一刻も早くイタケは帰りたいであろう」
こうして、王アルキノオスは船を準備し、オデュッセウスを故国イタケへ送った。
オデュッセウス:「イタケの近くになったら、小舟でこっそり上陸させてくれ」
オデュッセウスは、帰国後に暗殺されたアガメムノンの事が頭の中にあった。
オデュッセウス:(国を離れて20年、どう変わっているか・・・油断は出来ない)
一方、テレマコス一行は、ペイシストラトスの故郷ピュロスにつき、ペイシストラトスと別れを告げ、船でイタケへ向かった。
メントル:「イタケへ着いたら、豚飼いのエウマイオスさんの所へいって下さい。」
テレマコス:「エウマイオスは、昔からのうちの家臣だけど、なんでメントルさんが知ってるの?」
メントル:「さきほど、アテナ様からの啓示がありました」
テレマコス:(なんかメントルさん、この前の一件以来、すごい能力持っちゃったなぁ)とテレマコスは思った。
メントル:「私もそう思います」
テレマコス:「ええ!メントルさん心の声も聞こえちゃうの!」
メントル:「少しだけですよ」
テレマコスは顔をひきつらせた。
一足先にイタケについたオデュッセウスは、朝もやの中、小舟を漕いでイタケに到着。
浜辺を歩いていると、一人の男と遭遇する。
男:「こんにちは、こんなに朝早くどちらへ?」
オデュッセウス:「ここはどこでしょうか?私は故郷で人を殺めて逃げて来た者です」
男:「用心深いな・・・」
そう言うと男はアテナ神に変わった。
オデュッセウス:「アテナ様」
オデュッセウスはひざまずいた。
アテナ:「ペネロペは無事だ、だが求婚者とは名ばかりのならず者どもが屋敷を占領している」
オデュッセウスは、なんとも言いがたい表情をして拳を握った。
アテナ:「わかっていると思うが、策もなく乗り込めば命は危うい」
そう言って、持っている杖でオデュッセウスの肩を叩いた。
オデュッセウスはみすぼらしい物乞いの姿になった。
アテナ:「豚飼いのエウマイオスの所へ行くといい、今でも変わらぬ忠義をもった男だ」




