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名前を呼ばなくても、犬は従った

近藤勇の白い犬は


誠金福善導守護丸と呼ばれるべきか、

シロと呼ばれるか――

隊中の話題になっている。


だが、

その話に乗らない男がいる。


 


足音が近づく。


子犬の耳が、ぴん、と立つ。

尻尾が、ぶんぶん回る。


 


現れたのは、土方歳三。


 


土方は、一言。


 


「こい」


 


犬は一直線に駆け寄る。


 


「すわれ」


 


ぴたりと座る。


 


「よし」


 


土方は、満足そうに頷いた。


 


――名前は、呼ばれなかった。


 


それでも、犬は迷わない。


 


その横で。


鉄之助は、じっと見ていた。


 


(ああやるのか)

(あれ、誠金福善導守護丸って呼ぶより――

 ずっと、かっこいい)


 


小さく息を吸う。


 


「すわれ!」


 


――だが。


 


犬は座らない。


代わりに、腹を見せた。


ころり、と。


 


「…………」


 


永倉が肩をすくめる。


 


「テツには、威厳が足りねえな」


 


そして。


 


「こい」


 


犬は、永倉に駆け寄った。


 


鉄之助は、黙ったままだった。


 


「ヒトでもイヌでもな、命令にはコツがあるんだよ」


 


永倉は、にやりと笑った。

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