↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/57

 依頼を受け始めて半月。

 僕らは破竹の勢いで依頼をこなしていった。


 僕らは最初冒険者としては一番下のランクE。

 それが僕らの評価だ。

 しかし、依頼を受け実力があると認められたらランクはあがり、どんどんと仕事を任せてもらえるようになる。

 そんな仕組みがあるんだなぁ、と感心しつつ、簡単な装備を整え依頼に挑んだ。

「お似合いですよ!」

 などと、レイカにおだてられながら。




「薬草摘んできました!」

「ええぇぇ!! 一日でこの量をですか!!?? エンド君! すごすぎですよ!」

「エンド様の幸運値は三桁を超えていますからね」


 薬草採取の依頼を受けたらオルカさんに驚かれた。

 別に、普通に歩いてたら群生地を見つけただけなのに。

 とりあえず、それであっというまに規定の依頼数を達成しランクはDに上がった。

 Dランクに上がると、魔物の討伐依頼を受けることができるから、当然その依頼に挑むこととなった。


「討伐してきました……あ、討伐依頼の最中に襲ってきた魔物がいるんですけど、それって買い取ってもらえますか?」

「ふえええぇぇぇぇ!!! どうしてゴブリンの討伐依頼をしてきたのに、Cランクのマッドボアーをこんなに狩ってるんですか!!??」

「エンド様にかかればこれしき、簡単なことです」


 そんなのは僕にもわからない。

 とりあえず、依頼の数だけゴブリンを討伐したのだけど、横からでっかい豚みたいな魔物が大勢で襲ってきたのだ。

 なんとか僕とレイカで撃退したけど、なかなかにびっくりしたものだ。

 結構力が強いなぁと思ったけど、ステータスが向上した僕ならなんとか対応できるくらいのものだった。

 その後もいくつか依頼を受けると、いつの間にかランクCになっていた。


 ここまでくると一人前の冒険者として扱ってもらえる。

 受けることができる依頼も、難易度の制限はあるけど種類の制限はあまりなくなってくる。

 護衛依頼や個人的に依頼される特殊依頼まで、その内容は多岐にわたる。

 

 僕は、今日もレイカに読み上げてもらいながら掲示板を眺めていた。


「どんな依頼にしますか? エンド様」

「そうだね……ずいぶんお金も溜まったし、まだまだBランクは遠いだろうからのんびりでいいと思うよ」

「それなら、久しぶりに採取依頼はどうでしょう?」

「なら、そうしようか」


 そんな言葉を交わしながら、僕らは採取依頼を受ける。

 内容は、モグライラズの花を持ってくることだ。

 モグライラズは、地中に深く根を張って周囲を穴ぼこだらけにする植物らしい。

 なんでも、結構な森の奥に行かないと生えていないらしく、そこまでいくのはなかなか大変みたいだ。

 花弁を使うと、難病を治すための薬になるらしい。

 

「しかし、エンド様。森の奥まで行くのなら、もう少し装備を整えたほうがいいかもしれません」

「そうかなぁ?」


 そう言われて、僕は自分の格好をみた。

 もちろん、孤児院にいたころの服じゃない。

 革製の肩と膝と胸当てにショートソードとブーツだ。簡素なものだからこころもとない気もするけど、まだ使えそうではある。


「まだまだ使えるよ?」

「それで怪我をしたり命を落としたりしたら本末転倒です。さぁ、専門街にいきますよ!」

「それなら、レイカの服も買わないと」

「私のですか?」


 レイカは驚いたように振り返る。

 その際、メイド服のスカートがふわりと舞い、膝辺りがちらりと見えた。

 僕はそれにどきりとしながら、なんとか平静を装う。


「そうだよ。レイカは生まれてきてからずっとその服でしょ? なら、レイカも何か買わないと」

「大丈夫ですよ。私の服は本から生まれたものですから。とても丈夫で痛みません。下手な防具よりは、ずっと役に立つものですよ」

「そうかなぁ……ならいいんだけど」


 どこか釈然としない想いを抱きつつ、僕はレイカの後を追う。

 僕はあたまをかきながら歩いていると、彼女は小さな声でぽつりとつぶやく。 


「お優しいですよね、エンド様は」

「え?」


 何の気なしに視線を向けると、そこには顔を赤らめたレイカがほほ笑んでいた。

 こっちも相変わらず綺麗で可愛くて。

 直視していられずに思わず目を逸らす。


「……別に、そんなこと――」

「いきましょ? エンド様」


 レイカは僕の横にすっと並ぶと、しずかに腕を組んでくる。

 それに抗う理由もなく、僕らはそのまま目的地へと向かっていった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。