28.たまには日の目を浴びときたいアンナ
ベルクが戦闘を始めた頃、アンナはクロガネに乗り、魔王討伐軍の部隊と戦っていた。
クロガネ…黒い鋼の巨神。圧倒的な火力、何物も寄せ付けない装甲。致命的なまでの機動性のなさ、それらを兼ね備え、騎士のような甲冑と巨大な槍を装備したハイスペックなロストギアだ。
「インパルスが残り20騎…閣下、わたしはやりますよ!ナデナデしてもらうんです」
動機は不純だが、実力は折り紙付きだ。アンナは、右手でレバーを目一杯引きながら力の限り叫ぶ。何故ならば誤動作を防ぐため、音声認識でワザが発動するからだ。
「えなじぃぃぃぶれいかぁぁぁぁ!!!」
クロガネの胸部付近の空間から強力な光線が現れ、インパルスを薙ぎ払う。とは言え、スピードの差があるため、思うほど撃墜できていない。アンナは更にレバーを引きながら叫び、迫りくるインパルスに追撃する。
「すぴんさんだぁぁ…くらっしゃぁぁぁ!」
クロガネの右手を上に向けると、避雷針のごとく、雷が落ちてくる。その場でクロガネの上半身だけ高速回転させ、強化して雷攻撃を全周に放つ。それでも突破してくるロストギアかあった。しかし、アンナは焦らず、体制を整えながら槍で一突きして決めてゆく。数が多くても、性能差と腕でどうとでもなるのだ。
「ふぅー、ここはなんとかなりましたが、閣下の無事が気になりますね。確か…取り逃がしたのはあの穴に入っていったはず。追いかけますか。閣下、今あなたのアンナが向かいますね〜〜」




