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セブンスドール  作者: こうえつ
決戦
46/74

A.D.4021.セブンス対フィフス

高速で移動するセブンスドール、赤い光の軌道の中でセブンスの心が先走る。

気持ちだけがあせる。

先行したクロムのヘルダイバの部隊。

 クロムは銀河でも名を知られた兵……だがセブンスの不安は大きくなるばかり。相手のフィフスはセブンス達ナンバーズドール中でも一番の戦上手。もしかしたらクロムが……

「セブンス。敵基地上空です。降下します」

 セブンスの意識をやぶったファルコンの報告に、頷き身構える。

 静かに高度を下げ始めた紅の機体。地上に降りたセブンスはファルコンの力を借りて、周りの状況を確認する。基地は門が破壊され、迎撃用のブラスタ砲、ミサイル発射台などは完全に沈黙していた。

 注意を即して先に進むセブンス。基地内部で見たくないものを発見する。アルファ5。仲間のヘルダイバ。一見して目を背ける程の破壊度。

 ファルコンがパイロットの死亡を告げた。

 心を痛めながら、大きな不安は心臓の鼓動を大きく乱す。


 基地は無人で残骸で溢れていた。短い時間だが激しい戦いが起こったのが分かる。また一つヘルダイバの残骸を見つけ、一人の仲間の死亡を確認する。

 倒されたヘルダイバをサーチするファルコンは無口だった。

 仲間のラバーズ、戦闘OSの最後の記憶を何回も見て、精神的ダメージを受けているようだった。人格をもつプログラムならではの現象。

 ラバーズは人と同じ心を持ち、パイロットの守るべき愛しい者であり、たんなるOSではないとヘルダイバのパイロットならば、分かっていた。一緒に帰還すると思っていた。

「セブンス。全滅です敵……それと味方も」

 両手で顔を覆い、まだ思い出にもならない、僅か前の時間を思い出す。

「さっきまでは十二機に仲間が乗って、それぞれのラバーズがいて、動いていた、戦っていた、笑いかけていた。それが全部なくなった」


 落ち込むセブンス。

 残された希望は……

 だがクロムの乗る黒いヘルダイバが見つからない。


「クロムは無事なの? ファルコン何かわからない?」

 セブンスの問いに別の声が答えた。

「クロム・サードは死んではいない」

 顔を上げるセブンスの前に一人の美麗な女が立つ。

 褐色の肌を持つフィフス。セブンの姉でこの基地の守護者。

「結構というより、思ったよりやられた。わずか一個小隊。必死な人間の力は計り知れないものだ」

 破壊された基地の内部を見渡しながらフィフスは呟いた。

「姉さん! クロムは生きているって本当なの?」

 セブンスの問いに右手を横へと向け水平に指をさす。

「生きている。あそこで辛うじてな。おまえなら意識したら見えるだろう?」

 セブンスが指定された方向に目を凝らす、三キロメートル程先のビルの残骸の前に拘束されたクロムの姿。

「遠隔からなので100%とは言えませんが、遺伝子サーチの結果だとクロムだと思われます」

 ファルコンの報告の途中でセブンスが叫ぶ。

「クロム! 今行くから」

 セブンスの目の前に、巨大な黒い円盤が下降してきた。

 フィフスドール、この基地を守る要、フィフスの持つ破壊兵器。

「簡単に行けそうと思ってる? この展開……私を倒して進む。そんな感じでしょ……クク」

 黒い円盤に吸い込まれたフィフスに、セブンスが叫ぶ。

「どいて姉さん! これだけは譲れないの!」

 空中に浮かび上がったフィフスドール。

「そう、ならば来なさい。命をかけてね」


 空中に浮かび上がるフィフスドール。自身に重力シールドを張り巡らすセブンスドール。

 黒と赤の究極兵器の戦いが始まる。

 

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