変なおとこたち
「こっちだ!!」
手を引かれて入った路地は、大通りの明るさとは対照的で、奥にいけば行くほど闇に包まれていくようだった。
「・・・・・・・」
無言のまま路地を進んだ。だんだんと嫌な感じが強まっていく。
【・・・・・唯・・・俺・・・・ここ嫌だ】
・・・リアン?
「どうしたの?」
【・・・・・俺、この感じ知ってる。こいつは、気づいてないだろうけど、お前は感じてるんだろ?】
震えがだんだんと激しくなるリアン。
ドンッ!!!!
私の前を歩いていたリオが止まり、私は必然的にリオにぶつかることになった。
「いたた。リオ?どうした・・・」
ぞくっ
私は反射的に後ろに下がった。
「・・・・・リオ?」
【・・・・唯、気をつけろ。殺気だ・・・】
リアンが身構えながら言う。
「・・・・・殺気?」
殺気って・・・・あの殺気?
そして・・・・リオがゆっくりと振り返って、そして・・・
「ギャハハハハ!!!」
突然笑い声が割り込んできた。
声のする方を見ると、大勢の同じ身なりの人たちが屋根の上で、わたし達を見下ろしていた。
「こんなところでなにしてるんですかーー、こんなところにいたら悪い人にどこかに売り飛ばされますよー!ギャハハハハハ!!」
・・・・・?何だろ、この人達・・・・
「なっ、お前ら何者だ!!」
リオが驚いたように叫ぶ。男の人たちはそれに答えるが、私はそれよりもリアンのことが気になった。
【・・・・・こい・・・つらは】
「・・・・リアン?」
私は怯えてるリアンにそっと手を伸ばそうとした。
「動くな!」
怪しげな男の人達のなかの一人が言った。その途端、私のすぐ後ろにあった樽がまっぷたつになった。
「動いたら、次は当てるからな~。その可愛い顔に傷をつけたくはないだろ?」
男の人たちはまたげらげらと笑い始める。
【ダメだ唯・・・あいつら・・・・】
「あの人たちがリアンを傷つけた人達?」
私は尋ねた。
【・・・・・え?なんで・・・・】
「今の魔法・・・かな?樽がまっぷたつになったんだよ。結構な殺傷能力だよね。・・・あれでリアンは傷を負ったんでしょ?」
【・・・・・・・そう・・・だ。】
リアンが俯いて答えた。
「リアン、逃げて」
【・・・・・唯・・・・】
「私は大丈夫だから。まだ怪我もよく治ってないんだよ?怪我が悪化したら大変だよ。」
【・・・・・・ああ。そう・・・・だな。】
そして、リアンは私の肩から飛び降りて、来た道を走って戻って行った。
「貴様らが、最近ここらを暴れている者共か!!!!」
リオが男の人たちを睨みながら言う。
「おっ!!お前みたいなガキまで知ってやがるとはな。結構穏便に済ましといたのによー」
「よくも好き勝手にやってくれたな!!覚悟!!!!」
そして、懐に差してた剣を取り出す。
「ギャハハハハ!!!!お前ら、相手をしてやれよ。あっちのお嬢ちゃんは、あんまり乱暴はすんなよ。値段が下がっちまう。」
「唯!!お前は下がってろ!!」
そして、男の人たちが一斉に屋根から飛び降りた。
☆☆☆☆☆☆
・・・・・・俺は、何をやってるんだ・・・いや・・・これでいいんだ・・・人間なんて信じる方が馬鹿だ・・・・あいつらは、いつも俺達に対して嫌悪感を抱いた目しか向けてこない・・・・・・・何度信じて、何度裏切られたことか。そうだ、だから俺は、普通に、いつものように裏切ってやっただけで・・・
「リアン」
・・・・・だけど、あいつは、おれのこと邪険にしなかったし、優しくしてくれたよな。いつも人のことばっか考えて、自分の事を省みず・・・・・さっきだって、俺が逃げたときほっとした顔して・・・・
歩みがだんだんと遅くなった。
・・・・・そういえば、あいつには恩があったんだっけ。
・・・・・・・あーーー!!仕方がねぇな!!




