2-9.
次の発表はグループ1だった。
なんとその演出は──
気になる人、好きな人から“ほっぺにキスをされる”幻想を見るというものだった。
……へ? それって、見た相手が「今の自分の気になる人」ってこと!?
パフォーマンスが始まり、ふわっと霧がかったような演出の中でわたしの前に現れたのは……
ソランティア王子。
しかも、幻想の中で、
彼が、わたしのほっぺに、ちゅっと……。
──は? なにこれ???
え、演出ミスだよね? 何かの間違いだよね!?
わたしの脳内は完全にフリーズ。
観客もプチパニック状態で、
キャーッとか、ウソでしょ!?とか、会場全体がざわついていた。
そして、演目後のインタビューでさらに衝撃の事実が明かされる。
「幻想の相手に、その“想い”が届くという、特別なプレゼント付きです♪」
………………えぇぇぇぇぇーーーーーーー!?!?
心の中で完結するならまだしも、
思ってもみない相手に「好意が伝わる」とか、ちょっと待って!
いや、確かに、合宿の間に
・電車の上で手が離れなかったり
・魔物討伐で隣にいたり
・魔法のアドバイスもらったり
……と、濃すぎる1日だったよ?
だから、記憶の中の王子の割合が多いのは事実。
でもそれは、別に“好き”とかじゃないから!
ただただ頭の中に“浮かんだだけ”だから!!
――必死にそう自分に言い聞かせていたけれど、ふと気づくと、脳内に、他の男子たちの顔もちらちら浮かび始めた。
えっと……この人、誰?あ、クラスのあの人だ。
あっちの人は…うーん、喋ったっけ?
そして、なぜか、同じグループの雷型・ルートの顔まで見える。
……まあ、数日間、一緒にがんばってたもんね、グループ活動。
でもドキドキはしてないから。ほんとに。たぶん。
それよりも気になったのは、「モテモテの人」はどうなってるの?ってこと。
ソランティア王子とか……
あれだけの女子たちから好意が届いてたら、
頭の中、顔だらけの百面相まつりなんじゃない!?
本人はどう処理してるんだろう? 逆に、ちょっと見てみたいんだけど──
と思ったわたしは、
ぼーっとした顔で昼食に戻ったのだった。
まさかの演出でしたね!
ここから進展があるのでしょうか…?




