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第一章〜夢の現実〜3

何もなかった。

何もなかったんだ。

何もなかったから自分で作ってみた。

適当なあり合わせが最初だった。

初めてだから上手に行かなくて。

それでも繰り返して作り続けて初めて少しだけ動いた。

でも直ぐに動かなくなった。何でかを考えながら次いでは引いて次では引いてを繰り返して目処というものが立った頃に短時間だけ動くようになった。

嬉しいとかは無かった。

それをする事が自分の使命だと理解していたから。

それから時間の許す限り作り続けて最初といえる一つ目が出来た。

でも直後に目の前から消えた。


作った。

アレより強化した物を。

重く硬く大きな物になったけど満足はしている。

しているが中身が伴っていなかった。

失敗。

じゃない。

予想通りに目の前で消えた。

代わりに変わりを用意していた。中身の伴った完成に近い物。

試しに命令したら従った。

従ったけど単純な事しか実行できない。

改良の余地は十分にある。


何号目なのか忘却してしまった。

まだ混声には遠すぎるが目処の一つは立ったかと。

方向を一つに絞った発展型と言えるだろう。

でも表に出すものではない。

厳重に封印しておこう。 無駄かもしれないけど。

一応だ。


知らない計画書があった。

そもそもの話、計画書さえ作ったこともない。

頭の中に思い描いたモノを形にしていくだけ。

頭の中の計画書をカタチにする。

それの結果がどうなるかは意識外。

だからこの計画書は自分の作ったものではない。

ないが興味がある。

目処を立てて一つの休息として暇なのでこれは有難い。

余暇を愉しむ一つとして見てみよう。


手が止まらない。思考も溢れて止まらない。

あの計画書は自分の足りない何かを補って余り過ぎる何かだった。

作ってきた過去を全て否定しながら肯定して進化と上位へ昇るための知識を見せられた。魅せられ懇願する知識を貪欲に欲する我欲の塊に落ちた。


結果。

欠陥部を補強しながら新たな素材を創造し強化と進化を繰り返し完成した一つの作品群。

進化する機械とでも命名しようか。

或いは不似合いなる創造とでも言おうか。

まよったけど名前なんて別に望まない。

でも呼び方に困るからニヴィーと名付けた。


ニヴィーと名付けたまではいいけど何を目的とさせるかを考えていたらまた消えた。もしかしてと思い封印した所で確認すると発展型は其処にあった。触れて実体だと安堵した。

安堵してニヴィーの危険性を測っていないことに気づいたが手元に無いのでどうする事も出来なかった。

心配はあったが無いものに対して時間を浪費した所で得にもならない。

思ってたより蓄積していた作成技術。

創造技術とでも言えるかもしれない。

知識も随分と蓄積した。

実体験もあるから何度もの失敗を重ねて成功の形を朧げに見えてきていた。

そうニヴィーで完成の形は見えてきた。

今なら最高傑作を超える完全体を創り上げる事さえ造作ないかもしれない。


あれから感覚的に随分と経った。

しかし創る気分にどうしても成れなかった。

創ろうとして身体が途中で動かなくなる。

何故なのかを自問しても答えは見つからない。

乗らない気分は何時まで続くのか先が見えない。

寝転びながら果てのない空間を見ていた。


何も考えられない。思いも付かない。

適当に移動していると何かが落ちていた。

近づくとそれは端末だった。

この状況で現れるというのは何か意味があるのだろうと理解して拾い起動させると幾つかに分かれたファイルがある。

一つ適当に選んで開いてみると何かの視点だった。

それは何処かの戦場だった。

観て瞬時に理解できるのは不思議だが何処の戦場なのだろうか。という疑問がある。

そして視点で見ていて気づいたのは見える体の一部。人では無い。しかし生物でもない。では何かと誰かに聞かれたら竦めながら傾げて「さあ。」としか言えないだろう。

端末に映し出された視点は向かってくる相手全ての命を狩りでもする様に奪っていく。其処に躊躇や戸惑いといった行動を停める感情が見えなかった。


続けられる行為に感情は乗っていなくても疲労は蓄積するはず。しかし開始から見始めて停まる気配がない。

それは機械的な思考の様に思えた。


観続けて途中で邪魔な感情が、入ってきた。煩わしいと考えながら気にせず観続ける。

停める感情は次第に大きくなって手が振るえていた。

無視して観ている。

好奇心には勝てないのだ。


視点は何処かへ向かって途中で方向転換した。

意味が解らない。

でも観る。

そして辿り着いた。というのか。到着したのは目的地だろう場所からズレた所で立っていた。

いや停まっていた。という方が正しいのか。

何も起こらなかったが視界が暗くなった。

終わりか。と考えたけど違った。

後ろから倒されたようで。起き上がりと同時に跳躍と捻りと姿勢制御と衝撃緩和。を同時に熟して相対したのは。

はて見たことあるような人物だった。でもしかし思い出せない。

鼓動がより一層速くなった。

観るなと問われたら観ないなんて選択肢を壊して消して砕いて観る。

向かってきた相手の表情は涙に濡れて憎しみを被っていた。

その大振りな動作に対して避ける事をせず受け流した腕の力を利用して相手の自滅を計った。

見事にその一振りは相手自身の足を貫いた。

何かの法則か知らないが倒れながら貫いた足を抱えて叫んでいるのだろう。

足を負傷しても立ち上がりさらなる憎しみを増やして片足で向かってくる。

その直線的で先ほどより遅い動きに避ける事すらしないと決めたのか動かない。

でもある地点で踏み込みと反発で上へと跳躍した。

それは通常であれば視界から消えたように見えるのだろう。

しかし何かは人で無いので視線は真っ直ぐに捉えて向かってくる一撃に合わせて心臓を跡形もなく消し潰した。

相手は状況を飲み込めて居ないのか止まった自分自身の事を困惑しながら視線を下に移動させ自分自身を貫いている何かという腕を見て。

悲壮な表情を顕にしながら視線を戻して持っていた武器を、落とし腕を少し上げてから命が消えた。

悲鳴が聞こえた。次に泣き声も。

そして映像は停止させた。

遠くへ投げ放った。

遠くで落ちて壊れる音はしなかった。

乾いた音も無かった。


何か気分を害している。

原因があの映像だと理解しているが納得はしかねていた。

驚いた。

遠くへ投げ放った端末を持っていた。

暇なのと気分を改めようと思い起動させて別のファイルを開いた。


何かの視点から始まるのかと思っていが案の定。と言うべきか。

誰かの視点だった。

視点は進む目的も解らないが進んでいる。

走っているのかいや。それにしては。と思いながら映像を観ていると。景色が変わっていく。最初は街の中。街から出て何処かへ向かっているのだろうがその進む先が森だったり山だったり村だったり。

様々で目的が判らない。

そして止まることなく進んだ先には観たような景色。

戦場だった。

それも感覚的には数年前に観たあの戦場だった。

真っ直ぐに戸惑いも困惑迷走もなく進んだ遠方に影が立っていた。

そして勢いを落とさずに飛んで蹴りを入れて倒れる相手を飛び越えて着地した。

振り返ると倒した何か。

暫く動かなかったが予備動作なく起き上がった。

まて。近づくな。

見るな関わるな。

という思考の警鐘が鳴っていたが無駄だった。

そして近づいて見えたのは自分の顔をした何かではなく。

ニヴィーだった。

顔は自分のだが顔から下。詰まりは首を含めた全てが進化をしているが人を超える世界を消滅させるための機構を内包した機械鳴動固体であるニヴィーである。

いや、まて。どうしてあの顔が自分だと確信している。

それに鳴動固体とはなんだ。

その様な疑問が溢れてくるが誰かが答えてくれるはずも無く映像は進む。

思い出したことといえば。

この場所で起きてから一度も自分の顔を見ていないのに。この顔がどうして自分自身だと認識できたのか。

しかし否定できない。

あの顔は自分の顔だと自覚できる。

ならこの相手である。主観の存在の最後は。


止めなかった。

最後は視点を変えた動画だと解って何を見せたかったのか疑問だがもう。理解している。

ニヴィーは私の大切な人の命を奪ったんだ。

あの自分の顔で。

一つ解せない。

何故あの人はそんなに怒っていたのか。

何かをしたのだろうけど全く思い出せない。

心当たりもない。

それでも言えるのは成し遂げられなかったという結果を残して終わった。


物思いに更けながら適当なファイルを観ていくと最後のファイルを開いた。

しかし。何も映らなかった。

画面は黒だけ。

音も最大にして聴こえてくるものはなかった。

何なんだろうか。

暫く待ってみたが変わらない画面。

諦めて閉じようとして。何かが映った。一瞬だけ。

気になりだすと何が何でも見たくなる。

だから。


どうにかして一瞬を解析した結果。

知らない少年が映っていた。

歳は。10代かな。大人とは思えないし。

しかしてだ。

この視点がもしニヴィーと同じなら少年の命はない。

標的となったのなら逃げる術はないだろう。

なのにだ。

少年の目には絶望の色がない。

といって希望があるものでもない。

縋るとか望むとかではない。

そう端的にいうと少年の目には黒い何か。

底の無い。何かが見えた。詳しく調べようとして止めた。

言いしれない違和感と拒絶があったから。

そしてこの話は忘れようとして。

おや。誰かが呼んている。

言ってみようか。

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