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一章〜夢の現実〜2

気付くと壁が見える。全身を何かで固定されているのか動けない。

状況を把握する前に声が頭に語りかけてきた。

しかし口に出そうとして開かず口が何かで閉じられていた。

だが頭に聞こえる声は思考するだけでいいと言う。

試行すると答えた。

考える事柄は単純だ。

この状況の説明。


簡単に説明された内容は驚くほどに自分の中に入り否定する材料を見つけられず納得した。


此処までの記録を見せてもらうことが出来るというので見せてもらうことにした。


最初に見させられた記憶は知らない場所での理不尽。自分の頭を掴んで無理矢理に水に沈められていた。

これは、何かの体罰か。

そう考えると、しかし次の記憶では立場が逆転していた。

自分が首に指をめり込ませて頭を熱湯に相手を沈めていた。

手足は不可解に動いていなかったが身体は振るえていた。

そして自分はそれに対して。


似たり寄ったりの記憶が続く。


次の記憶は映像を見ていた。観ていたとも云うが見ていた。

映像を通して過去を振り返るという作業していた。

体験とも言うと言われるが作業という方が的確だと思えた。

その中で複数人を相手に大立ち回りをやっていた。

原因は思い出せないが相手の数は画面を埋め尽くす。

でも疲労は無かったと思い出した。

思い出したからといって何かに囚われるとかはない。

であぁ。そうだ。

疲労が無いとは言え数は圧倒。画面外にもまだ敵はいる。

そして少しの隙は数の圧倒といえ暴力に押し潰される。

それは命の終焉を予感させるに十分だった。

次々に流れてくる人の厚い壁がたった一人を押しつぶしていく。

そして終わる。

しかし次の場面では石の椅子に座っていた。

その途切れた記憶。

その答えが見える。

疲弊を忘れたように機械的処理で敵を屠っていく。

長々と続く映像は矢張り記憶と誤差なく終わりを迎えていく。

その永遠とも考える数の敵を相手に。

この、時の思考は。

飽きた。

その一言。そして直後に膝から崩れ堰き止めていた流れが一気に押し寄せ。

そして。

画面に映る全ての頭が砕け飛んだ。

文字にすると一字だけ口に出てた。

その余りにあまりな急展開に頭がついて行かない。

また文字にして一字。

そうして倒れる敵の中で自分はその中で埋もれる。はずが何かの力が働いたのか。身体が上へと移動していた。こんな記憶は無い。この時には気を失っていたから。

だからこそ知りたい。

何が原因でこの場面か。

結果という場面。

倒れてから敵全ての頭が砕けるまで秒もない。

速度を落として見たいが出来るのだろうか。

杞憂だった。

思い浮かべるだけで画面は戻り再生してみたい場面も遅くできる。

そして、見えたのが。

大きな透明な塊が何も無い中空から前触れもなく現れ広がって頭を砕いた。

うん。意味が解らない。

見続ける事を選択する。

塊が消えると頭の無い遺体が床に転がる。首からは大量の血。

その中で自分自身は中空に体を浮かばらせて消えた。

その後は長時間同じ状態が続いて複数の影が映り大きな出来事となっていた。

そして石の椅子に座っている自分の前には一匹の獣。

獣。と。言って差し支えないか。

そう疑問符が浮かんだが、一応は獣としての見た目をしていたのでそう呼称する。 

その獣は座っていた。

一定の距離を空けて。

それと見ていた。

でも此方を見ているのではなく通して何かを見ているような気がした。

そして突然空気を震わせる程の声を出して鳴き叫んだ。

意識は現実と夢の境界に落ちた。


そうだ。意識は在るのに動かなく。身体が認識できているのに固まったように動けなかった。

目に見えていたのは霧。霧以外は何も無い。

何もなかった。

何もなかったんだ。


画面が消えた。

次に映し出したのは眠った自分自身。

周囲に凶器を持った知らない輩達。

無抵抗状態の自分に振り下ろされる凶器は無残にも体という形を崩して肉片へと変えた。

凶行に及んだ輩達は出る直後で全員が頭部を貫かれて命を終えた。

その表情は満足だった。


画面は切り替わり違う場所で立ってる自分。

立ってるだけで何もしないという事だけの状態を保ったままに経過し年老いて朽ち果てるだけだった。


また画面は替わる。

今度は何処かの森。走っていた。

何かに追われているのだろうか。

そう推察しながら見ている。

追いかけてくる者の影は森に僅かばかりの光の筋にて目えた姿は凡そ人の形を保っているが逸脱した部分は恐ろしく見るものに依っては現実逃避するだろう。

さて。

その姿は。

獣であったり。

虫であったり。

機械であったり。

菌糸てあったり。

と多岐に渡る。

付随というより一部を改造する。という表現が正しいと信じたい。

そんな姿をした存在達に追われている理由は思い出そうとしても見当がつかない。

つかないが。この後の展開だけは思い出した。

思い出して叫びそうで途中で止めて見ることに専念していた。

だが思い出した記憶と寸分違わぬ末路は映像であっても刻まれた部分が疼く。

そして微塵となった肉体は追っていた者達の腹に収まって映像が替わった。


暗い場所だった。

暗くて動きは遅く明度を上げても解らなく見続けてそれは水底の深い場所。

一切の光の届かない位置に居ると理解した。

それなのに()()()()()()()()()()()()()()

最初から違和感に気づいていた。それは呼吸するたびに泡が上へ昇っていたから。

遅い動きは水圧に対した速度だった。

見えていた水の流れも拍車をかける一因だった。

しかし表情は一つに固定されていた。不自然すぎる程に。

笑み。

笑みなのに目が笑っていない。

痙攣している様に見える。

無理矢理に笑みを作っているのだろう。

心臓から痛みが。

画面は見ながらであるが立ってるいる事さえ出来なくなり、胸を抑えながら見続けると急に止まって上を向いて口から何かが出てきた。

そして出切ると反転し自分を飲み込んで映像は終わった。


また森。

だが霧が濃く周囲が全然見えない。足元さえ見えず歩くだけでも困難だったと思い出した。

だが進まなければ始まらない。一歩を進んで落ちるのかそれとも何もなく進むのか。

不安はない。

何故なら。

思い出した。

進んで何もなく。

何かの祠を見つけた。

周囲は木々に囲まれていたと初めて知り、そして何かの山の頂だとも知った。

だが知ったとして何になるのか。

この時。

自然という不自然に祠の扉を迷いなく開いて吸い込まれる感覚と同時に何かを聞いたが思い出せない。

そして見ている映像には開いた直後に倒れ動かなくなった自分の背中。

時間を速くしても変わらず。そして何時かと同じように朽ちて骨すら残さず消えていくと同時に映像は終わった。


次に映したのは何も見えない。

黒一色。

ずっと。

そして切れた。

理由が解らない。


解らないのに全身が脱力して仰向けに倒れる感覚が永遠と続くように止まらない。

気づいてしまった。

気づいたのなら止まらない。止められない。腕を上げると末端から粒になって消えていく。

否定なんてのは遅く。進行する消滅は置かれた状況を把握して戻れない事を理解して

そうして。

自分自身の大声という絶大な失望と喪失感を共鳴させる声と共に自身が消えていった。


後に残ったのは何物でもない何者かの凶行たる笑い声。

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