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2 りほ目線

 

 SNSで見たのか、雑誌で見たのか。

 ここ二、三年のことのはずだったけれどよくおぼえてはいない。


 ただ、中学が一緒だった子が写真スタジオでカメラマンをやっていると言うことだけがはっきり伝わってきた。


 その時は「へぇ、そうなんだ」というくらいだった。


 それが変わったのはママ友と話をしている時だった。



「またこの企画やってくれないかな?」

「好評だったらまたやるんじゃない?あせらず待とうよ」


 公園でそうママ友とその姉が話しているのが聞こえた。


「なんの話?」


 そう聞くと二人はびくりと身体を震わせて驚きつつも私に教えてくれた。


 なんでもとある写真スタジオでやっていた企画に応募してみたかったとのことだが好評により定員で締め切られてしまったとのことだった。その写真スタジオはあの中学で一緒だった子が働いているところだった。


 それがわかって、なんてことなく言った。


「友達が働いているところだから聞いてみようか?」


 ママ友は「ぜひお願いしたい!」と食いついてきたが、その姉は「いや、悪いよ」と遠慮がちだった。


「気にしないで、中学からの友達なの」


 うそじゃない。


 そうして、そのママ友と打ち合わせがはじまった。


 他にも参加したいというママ友も加わりわいわい、にぎやかはじまった。


 すると、みんなが聞いてくる。


 「いつにしようか?」「料金は?」「これもやってみたい」


 それらにこうした方がいいんじゃない?とそれらしく答えれば「ありがとう」と言うの。


 その度に、自分のなかの何かが満たされていくのを感じていった

 連絡をとることもせずにそのたびに適当な返事をした。

 でもその適当な返事に彼女たちは喜ぶ。


 これが、楽しくて嬉しくてしょうがなかった。


 そうして、中学の友人に連絡することをすっかり忘れていた。

 

 確か人が良さそうだったからやってくれるだろう。


 そう思って撮影の話がでてから何日か経った日にメッセージアプリを開いた。


 すると、彼女の連絡先が見つからなかった。

 え?なんで?どうして?

 着信拒否された?

 それだったら連絡先残っているよね?


 一瞬でパニックになった。

 他の連絡先は?どうしよう知らない!


 そう思いつつも時間は過ぎて、明日になってしまった。


 ママ友に撮影はどうなるのかと聞かれるけれど、うまく答えることができなかった。


 その返答に何を思ったのか一人が「連絡はとっているんだよね?」と聞いてきた。


 連絡先もわからない、なんて言えなかった。

 だって、メッセージアプリから消えているなんて考えてもみなかったから。


「何かあったの?」


 そんなこと言われても、何もなかったなんて言えなかった。

 実は連絡先がわからなくて連絡がとれていないなんて。

 今まで話していたことが全部テキトーに言っていたことなんて。


「ねぇ、」

「わからないの!連絡できなくなったの!」


 みんなの追求に私は大声で言った。

 

「じゃあ、そういうことだから!」


 そう言い残して遊んでいた娘の手を引いて急いで公園から帰った。

 

 それから、彼女たちから話しかけられることはなくなった。


 私の話に納得してくれたようだった。

 ああ、よかった。


 









「あのひとが?」

「そう、スタジオの企画で撮影させてくれるって話だったんだけど全部ウソだったの」

「なんでそんなウソを?」

「わからないわ。

 でもあの人から何か言われたら気をつけてね、ウソかもしれないから」










 

読んでいただきありがとうございます!

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