表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/16

9話 初めての依頼〜その1〜

8話の続きです。楽しんで読んで貰えるように書いたのでよろしくお願いします。

朝が来た…


窓越しに差し込んでくる日射しが眩しい。

外から鳥の鳴き声も聞こえる。


ホ、ホエェー、ホ、ホエェー


キーの高い甲高い鳴き声で目が覚める。

その声で一瞬、脳が揺さぶられた。


両腕を上に伸ばし、欠伸をする。


鳥が気になり窓の外を見ると、変わった鳴き声の鳥が外の木に止まっている。

頭がロックバンドみたいなリーゼントで決めてる髪型をしていた。

気になったので魔物図鑑で念じてみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

図鑑No.5


響殴鳥(ホエールボーン)[鳥類]


希少度 白


(説明)

鮮やかな赤色の羽を持ち敵に威嚇して頭突きをする為、頭が前に突き出ている。異性の響殴鳥を見ると、頭を上下に揺らして求愛行動を取る。敵の脳に響く鳴き声を出して、驚かす事が大好きな鳥。


図鑑効果 魔力+1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


魔物図鑑を見ると、リーゼントではなかった事と傍迷惑な鳥だった事がわかった。


突然、頭の中で声がした。


(魔物が5体登録されました。【魔物図鑑】がLv2にUPしました。危険度が表示されるようになりました。)


おっ!

遂に魔物図鑑のレベルがアップした。

危険度が見えるようになったみたいだ。

ホエールボーンの危険度を見る為にホエールボーンの方を見る。

すると、ホエールボーンと目が合った。

やばいっ!頭突きされる。

咄嗟に体が動き、頭を手で隠した。


しかし、ホエールボーンは俺と目が合うなり何処かへ飛んで行った。どうやら、こちらから手を出さなければ敵と判断されないらしい。


だからか、魔物が村の中にいても誰も相手にしないのは…。


俺は、食堂に朝食を食べに行く為に二郎を起こした。

「二郎、起きてくれ。今日は朝ご飯食べて、冒険者組合に行きたいんだ。」

『わかったモヴ、眠いけどお腹も空いたから行くモヴ』

二郎を肩に乗せて、食堂に向かった。


食堂に着くと、昨日泊まっていた人達で賑わっていた。


「おっ、来たね!これ用意してるよ!持って行きなっ!」

アニーさんから朝食が乗せてある木のお盆ごと渡された。


空いている椅子に座り、二郎も机に移り二郎と朝食を食べた。

朝食は、昨日食べたトウモロコシのパンに様々な種類の野菜スープにバナナだった。

他の人達がバナナの事でアニーさんに問い詰めている様子を見て、バナナを使った商売でもしようかと考えた。

二郎は食べ終わると、肩に戻り欠伸をしながら寝だした。


朝食を食べ終わり、忙しそうなアニーさんに美味しかったです、行って来ますと挨拶をして、宿屋を出た。


外は昨日とは違い、人が行き交っていた。

中には、人間以外の見た事ない人種がいたりした。

でも、大半は人間なのであまり気にせず冒険者組合に向かった。


冒険者組合の前まで来た。

中に入ると、左の壁にあるボードに人が集っていた。


これはやりたい依頼の紙を受付に持って行けばいいのかな…

とりあえず、依頼の紙が貼ってある前に来た。

ボードには色んな種類の依頼が各種類ごとに分かれている。


俺は、ルーキーだから掃除系か採取系が良いって言われたのを思い出して掃除系より採取系が良いなと思い、イメナリア(そう)の採取という依頼の紙を取った。


紙には、イメナリア草の絵と20本採取と書かれた文字に報酬金500fと書かれていた。


これにしよう!


この紙をセシルさんの受付に持って行く。


「おはようございます。」

「あら、オウガさんおはようございます。」

俺の名前を覚えてくれていた。

「これ、お願いします。」

持っていた依頼の紙をセシルさんに渡した。

「えーっと、イメナリア草の採取の依頼ですね。」

「はい。」

「イメナリア草20本の採取で報酬金は500ファミリアになります。これで大丈夫でしたら冒険者カードをお願いします。」


俺は冒険者カードをセシルさんに渡した。

セシルさんは後ろのドアから裏に行った。

1分もせずに帰って来た。


「お待たせしました。冒険者カードをお返ししますね。」

冒険者カードを渡された俺はカードを見るが何も変化はない。

何か登録でもしたのだろうか。


「セシルさん、ちなみに何ですけどイメナリア草って何処で採取出来ますか?」

「そうですねー、東にある清流(セリーヌ)草原で取れると思いますよ。」

「そうなんですね、教えてくれてありがとうございます。」

「オウガさんにとって初めての依頼ですからそれぐらい大丈夫ですよ。それにもし、魔物を狩れたらあそこにある通路から隣にある魔物買取所で渡して下さい。仮に、イメナリア草を20本以上取っても冒険者組合で引き取るので是非お願いします。」

と言われて、受付の右側の奥に買取所はこちらと書かれた通路の入り口を見た。


あそこに行くのか。

まぁ、魔物を狩れたら行ってみようと確認をしてセシルさんに行って来ますと冒険者組合を出た。


まずは、準備をしたい所だけどお金が無いからそのまま東の門に向かう。

東門に行く道には南通りにあるような外に商品を出してるお店は無く、お洒落な店が連なっていた。

窓から中が見える商品には生活用品や家具、家電らしき魔道具等売っている多種多様なお店がある。

しかし、今回はお金も持ってないので通り過ぎた。


東門に着くと、門番が二人いる。

近づくと、止められた。

「外に行くのか?」

「はい、依頼で。」

「職業カードを見せて。」


冒険者カードを手に取ると起動する。

それを見た門番は手を横に振った。

「よし、通って良いぞ。」


門を通り過ぎた俺は、道が東に向かって真っ直ぐあるのでその道を突き進んだ。道の両隣には草原しかなかった。


何処から何処までが清流(セリーヌ)草原なんだろうか。


ずっと東に向かって歩きながら依頼書に描かれていたイメナリア草を探した。

しかし、そう簡単にはいかなかった。


大体30分ぐらい歩くと、草の雰囲気が変わった。

葉の形が変わったので一瞬でわかった。

その中でも一際違う草が所々生えている。

よく見ると、イメナリア草だった。

あちこちに生えている。

ほのかに甘い匂いがこの辺り全体に漂っている。


これは取り放題だ。

一番近いイメナリア草を根っこから抜き取る。

そして、二本目、三本目と抜いて取るを繰り返す。

取って取って、取りまくる。

だけど、持つのにも限度があった。

一つ一つは長く細いのに対して取るのに熱中し過ぎて100本も取ってしまった。流石に100本も持っていたら甘い匂いがきつい。


頭の中で声がする。


(イメナリア草100本確認。スキル【サーチ】習得しました。スキル【サーチ】にイメナリア草を登録しました。)


何やらサーチというスキルを習得した。

やっと普通のスキルを手に入れたけど普通のスキルは習得でSP(特殊)スキルは獲得という事は習得か獲得で分別されてるようだ。

早速、サーチを使ってみる。


魔物図鑑と同じようにサーチと念じてみた。

しかし、何も起こらない。


どういう事だ?

何が行けないのかも分からない。

こういう時は二郎に頼るのがいいと思い、二郎を起こす。


「起きてくれ、二郎。」


寝起きの二郎にサーチの使い方を教わった。

サーチを使うには、頭の中でサーチと叫びその後に登録された名前を言うだけでいいらしい。

頭の中で叫んでみる。


サーチ!イメナリア草!


すると、見えている範囲の草むらに幾つか光っている草がある。近づいて見るとイメナリア草だった。

これは、便利だ!

これを使えば時間短縮にもなるし、探すという面倒くさい作業が無くなる。

他にも見つけたい物があればこれを使って探せば簡単に探せる。でも、登録するにはどうしたらいいかを探さないと。


しかし、大体の予想はついた。イメナリア草を登録した時に100本の確認って言葉がキーな気がする。他にも何か100本あれば分かるんだけど、何かないかな。

周りを見て確認する。

この普通の草はいっぱい生えてるけどいけるかなぁ…

真下のあちこちに生えている同じような草を見た。


一応、イメナリア草の周りに大量に生えている草を100本抜いて集めてみた。


よし、集めたぞ。予想が合ってたらそろそろ聞こえても良いけど…


頭の中で声がした。


(ムゲン草100本確認。スキル【サーチ】にムゲン草を登録しました。)


キタァーーー。


やっぱり100本がキーだった。

この匂いで魔物に会いませんようにと願いながら、この場から離れる。

帰る道中、遠くの方で微かに声が聞こえた。

「うわぁーーーー!」

「キャーーーー!」


どうしよう…

なんかやばい予感がする。



読んで頂きありがとうございます。

次回の投稿は3日後の18時になります。

また読んでもらえるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ