計画24
「国王様ー!!!」
「国王陛下ー!!」
「アーリア様ー!!」
「アーリア王女ー!!!」
領民たち総出で国王御一行を迎え入れる。
国王とアーリアは馬車の表に出て手を振る。
噴水広場で国王御一行をマクスたちが出迎える。
「国王陛下。ようこそ我が領土“オーウェン”へ。」
マクスは軽く頭を下げる。
その横で、リリスとマリネが優雅にお辞儀する。
「うむ。出迎えご苦労だったなマクス。」
「ハッ。有難きお言葉です国王陛下。」
「ハハハ!そう硬くなるな。いつも通り“ロイゼン”でいいぞ?」
「お戯れを。」
「ハハハ!公では無理だな。では、お前の館に参ろう。」
「ハッ!」
「父上ーー!!」
ルクスが高速で走ってきて、国王の前に出る。
「ルーはどこですか父上!!?」
「あらあら。」
「こ、こらルクス!?お前国王陛下に対して失礼だろう!?」
「ハハハ!良いぞ。私もお前の息子に会うてみたい。」
マクスは冷や汗をかきながらも平静を装う。
「は、はぁ。ルーティンはまだ5歳ではないので館にいます。」
「ほぉ。それは今から会うのが・・・。」
「わかりました父上!失礼します!」
ルクスは全速力で走って行く。
「お、お兄様!?」
「ルクス様!?」
「こらルクス!!」
「うふふ。ルクスはいつも元気ね~。」
「・・・俺って本当に王なのかな?」
国王の目は遠い海を眺めていた。
「坊ちゃま、タルタルソースができました。味をお確かめください。」
「うん!」
タルタルソースを少し、スプーンですくい口に運ぶ。
マヨネーズの程よい酸味や、玉ねぎの触感がとても良い。
「うん美味しいよ!」
「良かったです。坊ちゃまが私に“タルタルソースを作って”と言われた時は心臓が飛び出る思いでした。」
サリアがホッと胸をなでおろす。
「えへへ。ごめんねサリア。」
「い、いえ!坊ちゃまの為なら何でもできますので・・・。ですが、なぜ私だったのでしょうか?父様や兄さまでも良かったのではないでしょうか?」
「ううん。ライオットさんたちは他の料理で忙しかったし、何よりサリアが作った方が一番おいしく作れるって思ったからね。」
「坊ちゃま・・・!」
サリアの周りに花が咲く。
まぁ、本当の理由は僕の経験上男性よりも女性の方が酸味に対して敏感だからなんだけどな。
これは僕の心の中にとどめておこう。
サリアが喜んでるからね。
「完成したんですね!」
ミリアがテーブルにお茶を置く。
「ええ。ミリアもどうぞ。」
「わ~い!」
ミリアは躊躇なく僕が使ったスプーンでタルタルソースを食べる。
それを見たサリアの目が凍り付く。
「おいしい~。これおいしいですよ坊ちゃま!」
「でしょ~。あの料理にはこれが合うんだよね~。というか揚げ物系にはこれが合うんだよ。」
「そうなのですね!?では、これからも食べれるんですか!?」
「サリアにお願いすれば作ってくれるよ。」
「本当ですかサリアさん!」
サリアはジッとスプーンを見ている。
「サリアさん?」
「え?・・・え、ええ。坊ちゃまの願いは全て聞き入れます。」
「私は駄目ですか?」
ミリアがシュンとする。
「・・・考慮します。」
「うふふ。ありがとうサリアさん!」
ミリアがサリアの手を握り笑う。
だが、サリアの笑顔は引きつっている。
バァンっと玄関の方で大きな音がする。
「ルーはいるかー!!」
「あの声は・・・。」
「ルクス坊ちゃま!?」
「今、かすかだがルーの声が聞こえた。」
獣ですか兄上!?
「こっちだな!」
ルクスの足音がすごい勢いで近づいてくる。
「ここでなルー!」
勢いよく扉を開けて入ってくる。
「お帰りなさい兄上。」
ニパッと笑う。
「ルー!」
両手を広げて僕に近づいてくる。
僕も受け入れようと両手を広げると、ガシッと片手を掴まれる。
「へ!?」
「さぁ行くぞルー!」
僕をひょいっと担ぎ、歩いていく。
「あ、兄上!?」
「坊ちゃま!?」
「ハーハハハ!」
兄上は高笑いを上げながら、僕を騎士宿舎へ連行していった。
ミリアとサリアは僕を心配して、僕を追いかけてくれました。
本当に僕にはもったいないぐらいのメイドだと思います。
「さぁルー!剣を握れ!」
「えっと・・・なぜでしょうか兄上?」
「フッフフ。兄には誤魔化せないぞルー。前にあった時よりも筋力が付いている。・・・鍛えているな?」
「本当ですか兄上!?僕、筋力が付きましたか!?」
「ああ。だから剣を握れルー!兄が直々に相手をしてやろう!」
「でも、僕はまだまだ体力づくりしかしてないのですが?」
もちろん嘘です。
「何!?剣の腕は磨いてないのか!?む、むぅ・・・。」
兄上は悩んでいるようだ。
この隙に逃げよう、そうしよう。
「ぼ、坊ちゃま!」
息を切らしながらミリアとサリアが追い付く。
「ミリア、サリア。」
「剣のお稽古でしょうか?それでしたら今日はお休みでは・・・?」
おい馬鹿野郎!
「何!?剣の稽古だと!?」
まずい!
「い、いや兄上これはですね・・・。」
「その手があったか!」
「うぇ!?」
「ミリアの言う通りだな!稽古だルー!兄が稽古をつけてやろう!」
兄上の目がキラキラと輝く。
「えっと・・・。」
「頑張ってください坊ちゃま!」
「応援しています坊ちゃま!」
2人の目も輝いてます、はい逃げれませんでした。
僕は渋々木剣を握った。




