計画19
「じゃあ王族について学んでいきましょう。」
「は~い。」
僕は元気よく返事する。
「まず、ルーは王族ってどんな人だろうって思う?」
「う~ん。一番偉い人たち?」
「そうね。確かにこの国では一番偉いわ。王族が決定したものとかはあまり変わらないのよ。」
「そうなんだ!」
「ええ。でも、一番偉いから王族というわけではないの。」
「じゃあどうして?」
「このパニーニ王国を築いた人たちがいるの。その人たちの子孫が今の王族になっているのよ。」
「ほへ~。」
「うふふ。国王様たちってすごいでしょう?」
「うんすごい!でもお姉ちゃん、王国を築いた人たちが王族になるのなら王族の人たちっていっぱいいるの?」
姉上が寂しそうに笑う。
「そうね。ルーは賢い子だからそう考えちゃうわよね。」
ん?どういうことだ?
なんで姉上はそんな顔するんだ?
「確かに王族は昔は多くいたわ。けれどね今の国王様が産まれるずっと前に大事件が起こったの。」
「大事件?」
「王位継承権争いよ。当時の1人、ガイオウ・ブール・パニーニという人が多くの王族の人を殺したの。自分が王になるためにね。結局そのことが公になってその人は炭鉱夫送り、最後まで生き抜いた今は亡き、ハイルゼン・ブール・パニーニ様が王位を受け継いだの。」
「そんなことがあったのですね。」
「ええ。昔は多かったのよ。でも、今はそんなことはないわ。ハイルゼン・ブール・パニーニ様がご尽力なされたから。」
「へ~。」
だがしかし、ガイオウ・ブール・パニーニの意志は消えていない。
その意志は息子、そして孫と子孫に引き継がれている。
・・・なんちゃって!
それはないな。
炭鉱夫は結婚するのにも苦労するらしいし、何より男性炭鉱夫と女性炭鉱夫は一緒の場所では仕事をしないという決まりがあるしな。
仮に、炭鉱夫になる前に子供がいたとしてもハイルゼン・ブール・パニーニ様が色々手を回しているだろう。
だからこそ、今は平和な世の中なんだからな。
「お姉ちゃん、国王様には兄弟はいないのですか?」
「いるわよ。2人の弟君がね。次男であられるルゼン・ブール・パニーニ様は法務省を総括してらっしゃるし、三男であられるハーゼン・ブール・パニーニ様は奴隷省を総括しているわ。」
「そうなんだ。仲は良いの?」
「ええとっても仲良しさんよ。特にハーゼン様とは毎年、年初めに飲み比べするぐらいよ。その飲み比べはパニーニ王国の名物なんだから。」
酒豪かよ!
てか、名物って・・・。
大丈夫かこの国・・・。
「だから、ルーが心配するようなことはないわ。安心しなさい。」
「は~い。」
「じゃあ一旦ここまでにしましょう。」
「は~い。」
姉上は椅子に座り、紅茶を飲む。
僕はクッキーを頬張る。
「ほうひへは、ほへへひゃん。」
「ルー、行儀が悪いわよ。食べ終わってからお話ししなさい。」
「んぐ。は~い。」
「それでなにかしら?」
「兄上とアーリア様の出会いって何ですか?」
「え?うふふ。知りたいの?」
「はい!」
「う~んとね。確かお兄様が騎士の遠征演習の時だったかしら。遠征先が山の上にある町でね。確か・・・オクラモっていったかしら?そこは、貴族や王族の人がひっそりと病を癒すのに使われる町なの。アーリア様も病で寝込んでいてね。そこにお兄様たち騎士見習いの人たちが物資を運び入れたの。その時に出会ったみたいよ。」
「そうなんだ。でも、なんで病を癒すのに他の町に行くの?」
「王国に住む王族や貴族の人は5歳の誕生パーティの後は、お茶会でいっぱいになるの。」
「そっか!ゆっくりする為なんだね。」
「うふふ。その通り。」
「僕もお茶会に呼ばれるの?」
「え!?・・・あ、ああ~。うふふ。そんなことはないわ。時々ぐらいよ。」
「時々?」
「ええ。ルーに会ってみたいっていう人からお茶会を申し込まれるぐらいよ。」
「ふ~ん。僕に会って何したいのかな?」
「そんなことは決まっているわ。ルーの可愛さをメモリーに保存したいのよ。お姉ちゃんにはわかるわ。ルーがお茶会に引っ張りだこになる姿が!」
うっとりしているところ申し訳ないけど、先程あなたは時々と言いましたよね?
ていうか、姉上もメモリー持ちか!
この家族全員メモリー持ちなのか!?
それにお茶会の目的は相手への探りやごますりが多いんじゃないの?
違うの?
ドラマや漫画とは違うの?
誰かに答えてほしいわ!
ラムザの表情からはわからないし!?
そしてミリアは納得しないの!
「じゃあ僕は忙しくなるの?」
「ええ。でも、安心してルー!」
ガバッと抱きしめられる。
「あなたのことは私たちが守るわ。厳選に厳選した人たちとだけお話すればいいの。大丈夫よ、貴族の1人や2人ぐらい弱みを手に入れることは簡単よ。」
笑顔で怖いことを言わないでください姉上。
正直、ちびりそうです。
そしてミリア、感動しているところ悪いけど、僕は若干姉上に対して引いてるからね!?
ラムザもラムザで微笑まないで!
姉上の言葉に真実味を感じちゃうから!
僕と姉上がじゃれあっている頃、父上は重い表情をしていた。




