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計画16

「坊ちゃん!」

「ん?何ヴェルグ?」

「俺!早速団長に許可をもらってきます!なので今日の特訓はここまでにさせてください!」

「うん?別にいいけど?」

「ありがとうございます!」

タッタッタっと走って行く。

途中でくるりと振り返り頭を下げる。

「本当にありがとうございます!」

そう言い残して彼は去っていきました。

彼の顔はどこかスッキリとしていて輝いていました。

夢を見つけた青年の顔はかっこいいね!

だけどね・・・。

この状態の僕を置いていくのはちょっとどうかと思うよ?

え?何?僕一人でミリアを運ぶの!?

まだ幼い僕が一回りも年上の女性を!?

・・・ま、まぁ役得ですけど、少しは気にかけてくれない?

「ま、いいか。」

僕は頑張ってミリアをおんぶして家に帰ることにした。

背中の幸せを忘れない。


あれから10日が経った。

あれ以来ヴェルグに会えていない。

剣術の特訓も違う騎士が見てくれているし、いったいどうしたんだろう。

そう思って聞いてみても騎士は「わかりません。申し訳ありません。」としか言わない。

う~ん。

元気ならいいんだけどね。

そんな日々を過ごしていた時に突然事件が起こった。

それは母上と父上と僕の3人でお昼を食べていた時である。

姉上はスクールの為いなかった。

「ルー、剣術の方はどうだい?」

「はい!一生懸命励んでいます!もちろん体力つくりもです!」

「うむ。努力することは良いことだ。だが、夢中になりすぎるな。ママが心配するからな。」

「はい!」

「本当よルー。ママ、今でもちょっと反対気味なんだから。」

ぷくぅっと頬を膨らます。

我が母親ながら若いな!

「は~い。」

「うふふ。でも、ルーがたくましくなるのはいいことよね~。」

「そうだな。“貴族だからって守られてばかりではいけないと思います!”って言われた時の力強い目は忘れられないな。パパメモリーに保管済みだ。」

何だよパパメモリーって?

「いいわね~。ママメモリーにもほしいわ~。」

ママメモリーもあるのかよ!

僕は表面上はニコニコしながらご飯を食べていると。

ガチャッ!!

勢いよく扉が開かれる。

その瞬間、セバスが軽い殺気を放つ。

「無礼な行いをしてしまい、申し訳ありません!」

「よい。緊急か?」

「はい!緊急でございます!」

「話せ。」

「はい!先程、ルクス坊ちゃまからご連絡があり、3日後にお帰りになるとのことです。」

「おお!ルクスが帰ってくるのだな!それは楽しみだな。あれからどのくらい成長したのだろうな。」

父上が嬉しそうだな。

ん?でも、兄上が帰ってくるのが緊急なのか?

まぁ確かに1年ぶりの帰郷だけど、そんなに騒ぐことかな?

「それが緊急ではあるまいな。まだあるのだろう?」

流石セバス、しっかりしてるな~。

兄上が帰ることで胸がいっぱいになっている父上とは違う。

「はい!実はルクス坊ちゃまが帰郷なさる際に、その、えっと、何と言いましょうか、あの・・・。」

「ハッキリしないか!」

「はい!帰郷の際に国王様も共に訪れるそうです!!」

へ~国王様が~へ~。

・・・は?え?え?え!?

「い、今何と申した?」

「国王様がご訪問なさいます!!」

「何だと!?旦那様!」

「ルクスはもう少し帰ってくるべきだな。確かに騎士を目指している以上、仕方のないことだとは思うが、パパ的には次期領主に・・・。」

「旦那様!!」

おいおい大丈夫かよパピィ。

「ん?何だセバス?」

「あなた、国王様がご訪問されるそうですよ?」

母上の笑顔は安心するな~。

「ほぉ、国王様が。そうかそうか。・・・は?へ?え?」

お!珍しく父上が面白い顔をしてる。

「何だって!?国王様が!?なぜだ!?」

落ち着けよパピィ。

使用人も困ってるぜ?

「は、はい!ルクス坊ちゃまが帰郷されると、アーリア様の耳に入り、共に向かうということになったそうです。その際に国王様が“俺もマグロが食いたい”と言って、ご訪問の流れになったそうです。」

「何でだ!」

父上の素晴らしいツッコミだ。

てか、国王様滅茶苦茶軽いな。

ん?アーリア様ってのが兄上の婚約者の王族かな?

「いつ来るんだ!?」

「3日後です!!」

「そんなに早いのか!?セバス!マグロは?」

「ハッ!申し訳ありません旦那様!我が館に備蓄はありません!」

「なぜだ!?」

「ハッ!ここ最近、漁で獲れるマグロが少なく、大きくない為、領民の市場に回していたからです!」

「そう言えばそのような報告が上がっていたような・・・。」

「ハッ!先日、領民から報告がありました!」

「むぅ~どうするべきだ。3日後ということはもう既にこちらに向かわれているだろう。ルクスめ!なぜいつも直前なんだ!もう少し早めに連絡してくれ~!」

テンパってるな父上。

「落ち着いてくださいあなた。」

静かな重みのある声が耳に入る。

母上が穏やかな微笑みを浮かべながら父上を見てらっしゃる。

「こほんっ。すまない。あまりの出来事に取り乱してしまった。皆の者、許してくれ。」

使用人たち全員が頭を下げる。

「それで、どうしましょうか?」

先程までの重みが無く、いつもの優しく包み込んでくれる声だ。

母上ってすごいな~。

「うむ。漁師の皆を公館に集めてくれるかセバス?」

「ハッ!いつにしましょうか?」

「早いほうが良い。この後、そうだな、2時間後に集まってもらってくれ。」

「ハッ!仰せのままに。失礼します。」

セバスが足早に去って行った。

初めての王族とのご対面だな。

正直、誕生パーティまで合わないと油断していたな~。

後で、ミリアに王族についてもう少し聞いておこう。

・・・そういえばなんでミリアはあんなにいろんなことを知ってるんだろう?

そのうち聞いてみよう。

さてさて、どうなることやら。



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