↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
103/135

計画102

「では改めて。ようこそわが家へ。遊びに来てくれて嬉しいわ。」

満面の笑みで喜ばれては先程までのことを何も言えない。

「お呼びいただき嬉しく思いますわ!」

切り替えの早いエンラはもう既に対応し始めている。

「えっと・・・スズリ様とお呼びすればよろしいでしょうか?」

「いや~ね~。私(わたくし)のことはお婆ちゃんでいいわよ~。それに堅苦しい言葉はダ~メ。うふふ。」

「で、ではお言葉に甘えさせてもらって・・・お、お婆ちゃん?」

「はいはい、何ですかエンラちゃん。」

花が咲いたような笑顔になりエンラはもう一度意味もなく呼ぶ。

「お婆ちゃん!」

「はいはい。」

よほど嬉しいのだろう、スズリに抱き着きたくてうずうずしてるのが分かる。

「ルーティンちゃんもお婆ちゃんって呼んでね。」

「は、はぁ。」

(正直、僕は恥ずかしさが邪魔しそうです。)

「さてさて、今日は遊びに来てくれたわけじゃないんでしょ。ルーティンちゃんたちはどうしてマーマレイドに来たのかな~?」

チラッと見てくるエンラに代わりルーティンが答える。

「はい。リーメさんにお話を聞きに来ました。」

「うふふ。どんなお話を聞きに来たのかな~?」

(どうする?正直に言うべきか?それとも・・・いや、隠し事は良くないな、うん。それに・・・。)

全てを始めから知っているような笑顔をスズリは向けてくる。

(ぶっちゃけ知ってるだろこのおばちゃん。)

「えっと、実は僕たちはビオラさんのお手伝いをしたいと考えたんです。なので、リーメさんには暗殺された日のことを詳しく聞きたいんです。」

「そう・・・だそうよリーメ。」

「へ?」

扉を開けて入ってきた小柄なメイド。

彼女こそがルーティンたちが探していたリーメである。

リーメは会釈すると、スズリの斜め後ろに立つ。

「リーメです。」

小さいけど、通る声がルーティンたちの耳に入る。

「さてじゃあルーティンちゃん、聞いてみましょうか?」

「ふぁ?」

急な展開にルーティンはちょっとだけ混乱した。


「落ち着いたかしら?」

出されたオレンジジュースを飲み、ルーティンは一息つく。

「は、はい。」

「驚かせるつもりはなかったの。だけど、リーメが怖がってね。だからルーティンちゃんとエンラちゃんには申し訳ないんだけど、私たちも同席した状態でお話ししてくれるかしら?」

チラッと見てくるエンラに代わり、再度ルーティンが答える。

「わかりました。それで問題ないです。」

「よかったわ~。じゃあ早速始めましょう。」

スズリはリーメを隣に座らせて、手を握ってあげる。

「では、リーメさん。思い出したくないかもしれないけど、思い出しながらあの日のことをゆっくりと話して欲しい、です。」

リーメは小さく頷くと、目を閉じて口を開いた。


その日の私の当番は第3王子、ヘーゼル様の担当で朝から憂鬱でした。

それは知っているかもしれませんが、ヘーゼル様の朝当番は必ずセクハラを受けるからです。

ところがその日は違いました。

リーメは深呼吸をしてから扉をノックする。

「ヘーゼル様、朝の御支度の補助に参りました。中に入ることをご許可ください。」

1分程待ってからリーメは中に入る。

すると、目を疑う光景がそこにはあった。

「何だ?」

少しだけ機嫌が悪そうなヘーゼルが自分で服を着ていたのだ。

「何をぼさっとしている!用がないなら帰れ!」

「は、はい!」

驚いて部屋の外に出た私は内心でラッキーと思い、その場から離れました。

ですが今思えば、機嫌が悪かったのではなく何かに怯えていたようにも見えたのです。


「何で怯えたように見えたの?」

リーメの話を遮り、エンラは疑問を投げかける。

「そうですね。あの日のヘーゼル様はとても外を気にしているような、そんな感じがしたんです。」

(ということはもしかしたらその日にヘーゼルには何かしら怖がる要因があったのか?)

「リーメさん、他に部屋の中で何か気になることはありませんでしたか?例えばいつもと違うものとか。」

「そうですね・・・無かったと思います。ただ自信はありません。入ってすぐにヘーゼル様に追い出されてしまったので。」

「じゃあワインも無かったんだね?」

「はい、無かったと思います。」

(ということはやはりヘーゼルが部屋に戻った時にワインがあったのか?)

「あの・・・。」

「あ、すみません!続きをどうぞお話しください。」

「いえ、関係ないことかもしれませんが一応お話ししておこうかと思いまして・・・。」

「何をですか?」

「その日のヘーゼル様の当番なのですが、実は前日に変更されたんです。」

(なんだと?)

「メイド長から直々に私にヘーゼル様の担当をするように言われたんです。」

「じゃあリーメさんの前に担当になっていたのは誰なんですか!?」

「申し訳ありませんがわかりません。管理はメイド長が行っていたので。」

ルーティンの頭の中に新たな容疑者としてメイド長の名前が記録された。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。