21、消
今年の正月は、結婚して初めて2人で迎えるってのに。
面倒くさがり+家大好きの綾乃は、どこへも行きたがらねぇ。
イチャイチャもするけどよ。
時間があるから、しかも・・・綾乃との濃密な時間だ。
リラックスできるが、ドキドキしたり。
綾乃といるだけで浮かれた気分になる。
そうすると不思議と音が頭の中で流れてきたりする・・・つまり、頭ん中で曲ができるんだ。
てなわけで。
俺はピアノに向かい、綾乃は書斎に入った。
こういう時は、俺の表情が変わるらしい。
一緒に暮らすようになって、半年。
まあ、その前は俺が綾乃んちに入り浸りだったけどよ。
綾乃は、俺のパターンが分かってきたらしい。
そういう時は、綾乃も仕事をすると言って書斎に入る。
俺を集中させようと綾乃なりの気遣いかもしんねぇ。
そして、その気遣はありがたいことで。
やっぱ、綾乃は最高の女だ。
気持ちを集中させ、一気に1曲書き上げた。
今回のテーマは、俺の好きな綾乃のボヤ~っとした・・・いや、リラックスした笑顔だ。
綾乃の事を考えると、気持ちっつうか、想いみたいなもんがあふれ出し、一気に曲ができる。
今までこんな事はなかったが、綾乃と出会ってからは度々ある。
まあ、俺にとってはいいことなんだけどよ。
気がつくと1時間程たっていた。
綾乃にできたての曲を聞いてもらいたくて、急いで書斎にむかった。
だけど。
「・・・・・。」
な、何だよっ。
仕事してたんじゃねぇのかっ!?
何でそんなに可愛い顔して寝てんだよっ。
お、襲っちまうぞっ!?
いいのか?
いいんだなっ!?
とりあえず、机につっぷして寝ている綾乃の背後から覆うように、抱きしめてみる。
くーーーーーーっ。
たまんねぇな・・・。
昼前にヤったばっかりだけど、まあ正月休みだし?
いいよな?
そのままトレーナーの中へ手を入れる。
あーーー、たまんねぇッ。
家ン中だし、面倒だって綾乃はババシャツの下は、下着つけてねぇからそのまんま・・・ダイレクトだし?
だから、俺も・・・ダイレクトに、下半身にクるっつうわけで。
やべぇ。
自分で分かるぜ。
鼻息荒ぇ、って・・・。
苦笑しながら、綾乃の耳朶にそのまま吸いつく。
「ん・・・っ。」
おいおいおい・・・。
そんな声出すなよぉ。
ああーーー、もうダメだっ。
俺は綾乃を寝室に運ぼうと、椅子から抱き上げようとしたんだけど。
机の上のファイルが当たって、スマホがカーペットの上に落ちた。
パタン――
ランプが点滅している、スマホ。
気になってスマホを拾うふりして、着信を確認する。
『メール1件』の表示。
綾乃は面倒くさがりやで、メールマガジンとか絶対に入れねえから。
ちょっと気になって・・・ 開いてみた。
そして。
速攻、そのメールを削除。
綾乃、『孝』って、誰だよ?
しかも。
「これから、デートしよう。」ってどういうことだ?
ふっ。
だけど、まあいい。
俺は、綾乃を抱き上げた。
綾乃は気持ちよく眠ったままだ。
だけどなぁ。
綾乃・・・・。
このまま、寝かせねぇ、よ?




