8.5.村人の感想
「注文の内容は確認したらまた会いに行くわ。」
「ええお願いします。」
そう話して別れる。
帰り道を歩いているとザッカスさんが話しかけてくる。
「アン、大丈夫なのかアレ。」
「まぁ、問題ないんじゃないかしら。
ドラゴンのゴールドランクが太鼓判押していたし。」
「そうはいってもなぁ……」
確かにでかくて強面だが接してみると、
物腰も柔らかいし問題なさそうだと思うんだけどなぁ。
村に着くと村長たちが出迎えてくれる。
「アン、取引はどうだった?」
「問題なく終わったわ。」
何人かはもう荷台の中身を物色している。
村長も荷台の山もりの皮や角を見て満足そうだ。
「なるほど、ずいぶんと理的な魔物だな。」
「えぇ、ザッカスさんはビビってたけど。」
「あんなもん見たらビビるにきまってるだろ。」
ザッカスさんが文句を言ってくる。
「村長あれはやばいですぜ。」
「ふむ、それほど狂暴だったのか?」
「いや、そうじゃないが……。
兎に角あんなのは見たこともない化け物だ!
目玉は4個あるし!手は何本も生えてるし!バカでかいんだ!」
「ちょっと、ビビッてそんな化け物相手に交渉丸投げして棒立ちしてたじゃない。
男なら前に出て代わりに交渉しなさいよ。」
「無茶だろ!むしろなんで平然としてられるんだ!」
そんなことを話していると、
顎を撫でていた村長が答える。
「仕方ない、今度の交渉の場わしもいこう。」
「ちょ、やめといたほうがいいぜ。
驚いて腰を抜かしちまう。」
「ファンタジアは野菜の種や板材、縄が欲しいと言っていたわ。」
「わかった、どれくらい用意できるか試算しておこう。」
「ファンタジアンに会いに行ったのお姉ちゃん?」
妹が抱き着きながら声を掛けてきた。
「えぇ、物々交換の為にね。」
「私も物々交換するから連れてって~。」
「はいはい、今度物々交換する時はね。」
「姉妹そろって怖いもの知らずだな……。」
ザッカスさんはメイを見てそうつぶやいてた。