Episode.2-2
「さっさと装備を揃えてギルドに行こうぜ!」
登録を終えた俺たちは晴れて冒険者にはなったが、まだ塔に入れるわけじゃない。きちんと装備を揃えて、ギルドに登録して、所属ギルド内で仲間を募ってから申請を済ませて、そうしてやっと塔に入場できるのだ。
「気合い入ってるね。どこのギルドにするか決めてるの?」
ハはいつもの笑顔で聞いてくるが、そんなの決まっているはずがない。
「ギルドって何個もあるのか?」
決まっているはずもないので聞いてみる。
「この街だと、不死鳥の騎士団と常在戦場食堂、解体屋、百獣連盟くらいしか知らないけど、まだ色々あると思うよ」
ハが意外と……でもないか。物知りで助かる。
「へぇ。ちなみに、オススメは?」
物知りには頼り切るに限る。俺はもはやハに全てを委ねてもいいとさえ思っている。
「常在戦場食堂と解体屋は入れないと思うよ。不死鳥の騎士団と百獣連盟はかなり大きいギルドだね。大きいところは色々面倒だから好きじゃないな」
ハは相変わらずの笑顔だ。
ここでひとつ疑問が生まれたわけだが、聞いていいものか、デリケートな話だったら避けた方が良さそうだが……
「ハはギルドに入ってたことがあるのか?」
聞いてみた。
「かなり前にね。副業が忙しくて辞めたんだ。ちなみに協会ができるより前だったから、冒険者になったのは初めてだよ」
教会ができるより前、ハって何歳なんだろう。そもそもギルドの方が昔からあったのか……
「まぁ、とりあえず装備を揃えちまおうぜ!」
俺は考えるのをやめた。