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カッコカリ  作者: スイカ
3/6

まだまだ出勤

あと少しで会社に着くという所で前から異様な格好をした男が歩いてくるのが見えた。

あれはヤバイ関わっては駄目だ、てか目を合わす事すら危うい。

てか、あれ拘束具?ファッションにしても奇抜すぎんだろ。

正直な所、写メを撮って自慢したいクラスだ。

あれ一人で着れないよね?なんかドヤ顔だしとにかく無視するしか・・・

時間が時間な事もあり、人通りが少ない。少ない所か居ない。

距離にして5メートル先に奴は居る。このまま進めばぶつかってしまう。

幸運な事に、この道は広い。このまま少しずつ斜め方向に移動していけば、余裕ですれ違えるだろう。

ウインドショッピングでもしてる風を装い、目を合わせない。

よし、完璧だ。それでいこう。

計画通り奴との距離は離れていっているはず。

まったく見ない様にしているので予想でしかないけど。

余所見しつつ、でも神経は奴のほうに向けて歩いていく。

もう少しですれ違えると思ったその時、「こんにちは」と声を掛けられる。

思わず声の方向を見てしまい、後悔する。

近くで見るその男は意外にも満面の笑みで僕に話しかけていた。

「聞こえなかったかな?こんにちは!」

再度挨拶をされ、仕方なしに僕も「こんにちは」と返してしまう。

確実に知り合いでは無いはずだし、知り合いになりたくも無い。

でも社会人の習性か受け答えはしてしまうのだ。

「よかった、聞こえていたんだね。僕が見える?」

男は不思議な事を言ってきた。

見えるだって?目立つ事が目的としか思えない服を着て居るのに。

よく見ると凄く男前、奇抜な服装をしているのに似合ってる。

少し悔しい。

「久しぶりなんだ、見えるヒトに会うのは」

男が続ける。

「目立つように努力はしてるんだけど、見えないヒトには見えないみたいなんだ。」

うん、電波さんだ。

ドン引き状態で後ずさりしながらも刺激してはいけないと思い、「ああ、そうなんですね、それはよかったです。所でどこかでお会いしましたっけ?」

などと社交辞令満載の会話を進める。

「いいえ、初対面ですよ、確実に」

男はさも当たり前のように答える。

「そうなんですね、何か御用ですか?少し急いでいますので御用が無ければ・・・」

早口で逃げる準備をしながらも足を止めてしまう。

「うん、用事が有るといえばあるよ。でも、時間が無いんでしょ?じゃあ良いや。」

またまた不思議な事をおっしゃる。用がある?初対面なのに?

んで、時間が無いから良いや?どゆこと??

少し混乱してしまった。このままここに居て良いのかとか、相手をしなきゃいけないとか、色々な事を

考えてしまっている。どうしてこうなった。無視するはずなのに。

「んじゃまたね。」

男はそう言って足早に立ち去ってしまった。

またね??

またがあるのか?

無い無い。

とにかく会社に行かないと。

社会人になって得意になった事。(問題の先送り!)

とにかく今日は変な事ばかり起こる。

朝のニュース番組の占いは何だっけ?

最下位だったのかなあ。

とにかくついてない。

一刻も早く会社に行かねば!

会社にすらツカナイ・・・

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