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俺達で変身ヒーロー特撮を復活させる……筈が……アレ?  作者: HasumiChouji
第1章:堕落への旅路(ヴィランズ・ジャーニー)
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「で、これが……その……取材先のヒーローチームの新しいコスチュームの案ですか……?」

 ここは、ショッピングモールのフードコート。

 向いに居るのは、大学の頃の特撮研究会の後輩だった古賀。

 俺は、その古賀に、取材先から渡された資料(と言っても、流石に機密情報は入ってないが)を見せている所だ。

 はっきり言って、古賀は、呆れ顔だ。

「いくら何でも、俺達や、それより齢上の特撮ファンに媚び過ぎでしょッ⁉」

 俺のノートPCの画面に表示されているのは……昔の戦隊モノのコスチュームを、対異能力犯罪広域警察(レコンキスタ)の「レンジャー隊」の強化服風にアレンジしたモノ。

 いや、「レンジャー達」の強化服そのものが、昔の戦隊ヒーローっぽいけど……それ以上に……その……。

「装甲すげ〜薄そうですけど……」

「多分、特殊な繊維か何かで……」

「すげ〜スリムなデザインですね」

「何が問題なんだ? 格好いいだろ?」

「スーツの中に人工筋肉とかは入ってない?」

「言われてみりゃ……」

 民生用の強化服や、一般的な「正義の味方」が使ってるそれらの強化服の改造機は……たしかに、ボテっとした感じだ。主に、古賀が言ってる人工筋肉なんかを組み込んでるせいで……。

「電動モーター式のパワーアシスト機構も見当りませんね……」

「だな……」

「でも……重量は、昔の特撮ヒーローのコスチュームと同じと仮定すると……」

「いや、だから、きっと、丈夫で軽い特殊繊維か何かでな……」

「じゃあ、銃弾や打撃や刃物に対する防御力は問題ないと仮定しましょう」

「何か、『棘が有る』と『心配事が有る』が半々ぐらいの口調だな」

「このマスク、防毒じゃないですよね?」

 う……言われてみれば……大概の「正義の味方」のマスクは、顔の下半分は防毒マスクになってる。

 しかし、この資料に載ってるスーツは……格好良さ重視で、防毒機能が有るようには思えない。

「催涙ガスを使われたら、一発でやられるとか……そんな事は……」

「え……えっと……その……きっと中身がすげ〜奴なんだよ」

「催涙ガスを食っても大丈夫な何かの能力を、メンバー全員が持ってるんですか?」

「催涙ガスを使うような卑怯な敵なんて、そうそう……」

「あの……『魔法使い』系への対処方法としては、催涙ガスは定番ですよ。精神集中出来なくなったら、魔法を使えなくなるのが大半だし、『魔法』の中でも『気功』系は、呼吸が重要な筈……」

「だから、これは、俺達が考えるヒーローの参考にするだけで……」

「ああ、そうですか。で、話戻しますけど、スーツの性能は、下手したら民生用の……」

「スーツの性能がヒーローかどうかを決める訳じゃないだろッ‼」

「でも、どう考えても、民生用の高性能人命救助(レスキュー)仕様の強化服の方が性能が圧倒的に上にしか思……」

「だから、性能は決定的な要素じゃないって、さっきから何度も言っ……ん? どうした?」

 古賀は、しばらく考え込む。

 考え込む。

 まだ、考え込む。

 えっと……。

 その……。

 何だ……?

 言いたい事が有るなら……。

「あの……じゃあ、このヒーローって、変身無しなくても、すげ〜奴が、正体隠す為にコスチューム着てるだけ?」

「え……えっと……そうなるな……」

「それって、変身ヒーローって言うんですか?」

「変身ヒーローだろッ‼ 変身してるッ‼」

「スーツに着替えてるだけ……」

「それ言ったら、アメコミのスーパーマンは、背広(スーツ)脱いでるだけだろッ‼」

「でも、スーパーマンはヒーローですけど、変身ヒーローじゃ……」

「うるせ〜よッ‼ 何が不満なんだッ⁉」

「あの……これって、俺達が観たかった変身ヒーローなんですか?」

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