9,か、、かっこいい王子様なの
しばらく固まっていたの。
私も、男の子も二人とも固まっていたの。
先に動いたのは、私だったの。
だってしかたないだもん、、私あかちゃんだ
よ。
それも、泣いていたんだよ。
けして、私が負けたわけじゃないの。
負けたわけじゃないのよ、そこ重要なの。
けして、前世で負けん気が強かったとかじゃ、
ないの。絶対なの、、、、。
動いたって言ってもね、涙かこぼれてきて目
を、服でごしごしこすっただけだから。
そんな私を見て、男の子は焦ってうごいたので
した。
うん、うごいたのでした、、、、、。
なんでって、だって顔をこするのを止められた
から。
でも、その動きはものすごくひどかったの。
「、、、、、、だ、、だめだよ、、、。」
突然、大きい声を出だすの。
顔は怒っているようで怖いし、つかまれた腕は
ちぎれるほど痛い。
「ふぎゃあああ〜。」
痛すぎて、痛すぎて、、、泣き叫んだ。
生まれていちばんの、身体中で泣き叫んだの。
今までの大泣きが、可愛いと言えるぐらいの
ちがいがあったの。
泣いている私自身が、全然違ったっていえるも
ん。
そんな私に男の子は、ビックリして手を放し
た。
「、、、、ご、、ごめん。、、、い、、痛かっ
た。」
あわてて男の子はあやまって、どうしていいか
わからずにあたふたとしていた。
「ふんぎゃあ~、、ふんぎゃあ~、、、、。」
だんだんと、、、痛みが引いていくのと一緒に、
泣く声もだんだんと小さくなって、私もおちつ
いてきたの。
気がつくと、いつの間にか男の子の腕に抱かれてい
たの。
「ひっく、、ひっく、、。」
「ごめんね、、痛かったね、、、よしよし、、。」
初めて見た時と違っていた。
男の子のふんいきが変わってたの。
良い方にビックリして、涙が溜まった目を大きく
開けてね。
男の子の目を見つめたの。
そんな私に気づいて、やさしく見つめてくれたの。
「ごめんね、、力加減わからなかったんだ。」
あやまってくれたの。
ママと同じすみきった青空のようなブルー色で
とってもきれいだった。
「目をこすっちゃだめだよ。赤くなるからね。」
涙でぬれた顔を柔らかいハンカチで拭いてくれた
の。
やさしく拭いてくれたの、、、、。
やさしく抱いて揺すってあやしてくれたの。
私の見まちがい?
怖いと思うようなふんいき、まったくどこにも
なかったの、、、やっぱし見まちがい、、。
金髪であごまでのサラサラショートで、とっても
綺麗でかっこよくって、、、、。
ブルーの目に吸い込まれちゃいそう、、、、。
前世でいう、王子様。
光輝くまんめんな笑み。
もう死んでも良いって、ぐらい胸がずっきゅーん。
射たれたみたいになったの、、、、。
大好き。
涙はどっか行っちゃって、、離れたくないの。
だからね、服をギュっとにぎっちゃった。
男の子はそんな私を怒らなかったの。
逆にしっかり抱っこしてくれたの。
むふふっ、なの。
にこっ、て笑ってあげたら、とろけるような
笑顔を返してくれたの。
しばらく二人とも、見つめ合っていたのです。