おまけ3 残酷なジャンル格差 ~VRゲームの人気とヒューマンドラマの不人気~
キーワードとは無関係ですが、ジャンルでも最近の作者人気と読者人気で差がありそうなのでグラフを描いてみました。
まず作品数順にジャンルを並べてみました
大体はありきたりな順番ですが、5位異世界[恋愛]を差し置いて4位ヒューマンドラマが上回ったのが僅かに驚きです。
大抵の作品には複数の人物が登場するためヒューマンドラマ要素があります。
他のジャンルでも問題ないけど、いろんな理由でヒューマンドラマにしている作品もあるでしょう。
ジャンルが分類できない作品の場合は6位その他ジャンルになるのでしょう。その他ジャンルも作品数が結構多いようです。
11位ノンジャンルが1058作品あります。2016年5月24日ジャンル再編成後にジャンルを設定していない作品です。ジャンル再編成以降はノンジャンルというジャンルに設定できません。
このデータは7月21日以降の作品情報ですので、1058作品はジャンル再編成後もノンジャンルのまま連載更新している連載小説です。
私の記憶では運営からの発表でノンジャンルからのジャンル変更期限は無期限だったはずで、ジャンル別ランキングに載らないデメリット以外はないようにも見えます。ただ既存の読者のみで新規読者が増えにくい気はします。
次にポイント中央値順にジャンルを並べ替えてみました。
一気にグラフが見づらくなりました。
黄色の折れ線がポイント中央値、赤い折れ線が0pt回避率です。
参考までに、1話で出てきた全体のポイント中央値24ptを黄色の点線、全体の1pt以上の作品数率68.8%を赤い点線で表示しています。
ポイント中央値の1位がVRゲームで、作品数が563作品と他のジャンルと比べて少な目ですが、その分少ない読者で0pt回避率が高くなりやすく、ポイント中央値も高くなります。他ジャンルより作品供給と読者需要のバランスが需要の方に傾いているようです。
キーワードでも「VRMMO」「ステータス」「スキル」が読者に人気だったことを考えるとVRゲームのジャンルが読者人気があるのも納得です。
もちろん「ステータス」「スキル」という概念はハイファンタジー作品でもしばしば使われますが、そういうハイファンタジー作品が好きな読者層はVRゲーム作品も違和感も少なく適応できます。
2位の歴史ジャンルは「戦国」キーワードが読者に人気だったので納得です。
同じ恋愛大ジャンルでも、3位異世界[恋愛]と13位現実世界[恋愛]は大きく読者人気に差があります。「異世界転生」「異世界転移」「悪役令嬢」あたりのキーワードが読者人気があったため、人気の差も当然といったところでしょうか。
4位ハイファンタジーは作品数が多いのに0pt回避率も8割を超えてますし、読者の食い付きはよさそうです。
同じファンタジー大ジャンルでも、8位ローファンタジーは平凡です。作品数は2位なのですが、その割には読者人気は普通です。
6位エッセイは他のジャンルより評価が入りやすい印象を持たれている人もいるようですが、読者人気はそこそこです。
0pt回避率が5割を切ったジャンルが5つあります。
その中でもヒューマンドラマ、その他ジャンルの2つが目を惹きます。
作品数順ではそれぞれ4位、6位と多かったにも関わらず、ポイント中央値は12ptと底辺に近いです。
作者が好んでつけるジャンルの割には読者がポイントをつけないジャンルです。
キーワードだと「日常」「青春」キーワードと同類の人気のなさです。
ヒューマンドラマ小説は、イメージ的にはラノベより文芸的文学的小説色が強い印象があるので、作者的にはつけてみたくなるのでしょうか? しかし、なろう読者はラノベを好む人が多く、読まないのかもしれません。
また、その他ジャンルは読者が好んで読む理由がまったく思いつかないので妥当な所でしょう。
まとめ:
・VRゲーム[SF]、歴史[文芸]、宇宙[SF]ジャンルは作品数が少ないが読者はポイントを入れる
・読者人気は 異世界[恋愛] > 現実世界[恋愛]
・読者人気は ハイファンタジー > ローファンタジー
・ヒューマンドラマ[文芸]、その他[その他]ジャンルは作品数が多いが読者はポイントを入れない