第74話 魔王の秘書が仲間になった
メディオクリタース共和国と同盟を組んだと世界中に知らしめると、小さな村を襲っていた魔王軍の襲来は止まった。
「……どうやら、同盟が効いたようだな」
「そうみたいですね。今、共和国も立て直している最中です。こちらの『フルクトゥアト』も防衛設備を増強中。西の大国『デウス・エクス・マキナ』から最新の魔導砲も百門発注を掛けました」
そうフルクが報告をくれた。
ついに魔導砲を設置する日が近い。
アレがあれば国を守れるし、10~30体ほどのモンスターを纏めて駆逐できるのだ。
ただ、さすがに魔導砲を買いすぎて金がちょっとな。今は資金源に関してはモードゥスさん頼りだ。帝国のお店だから、少し心配だが……そこに関しては帝国にバレてもいないし、まあ見つかる事もないだろう。
共和国の立て直しが完了次第、向こうと取引を開始するつもりだし、それまでだ。以降は、モードゥスさんには共和国へ身を置いてもらう。その方が安全だろうし。
長考していると――
「はい、どうぞ、主様。お紅茶です」
「ありがとう」
マルガから紅茶を受け取り、啜る。ふぅ……と、気持ちを落ち着かせていると、背後から抱きつかれた。
「――どぶっ!?」
な、なにやつ!?
振り向くと、それはカルニだった。
「おい、カルニ。なにしやがる」
「あら、アウルム様。膝がお紅茶塗れに……すぐにお拭き致しますね」
と、カルニはタオルを取り出し、紅茶で濡れた俺の股をフキフキする。てか、なんでそんな顔近いの! くそっ、マルガめ……やりやがったな。本人は満足そうに楽しんでいるし。
「おい、ヘンタイメイド!」
「カルニさんは素晴らしいメイドになられました。これで主様を毎日、快楽に溺れさせて……」
どうしてこうなった!?
――それよりだ。
「なあ、カルニ。ルードスの事は分からんのか」
「分かりません。あたしは前の魔王様の秘書ですから……今のルードスとかいう男に興味もなければ、仕えようという意思もありません。あたしが興味あるのは、勇者様だけです」
そう言いながら、背後から抱きついてくるし! すげぇ押し当ててくるな……これは誰のテクかな……おのれ、マルガ。
「とにかく……EXダンジョンの第三エリア攻略を進めるよ。カルニ、君は今回の襲撃には加担していなかったし、寧ろ西の大国『デウス・エクス・マキナ』との交渉をマルガと共に進めてくれた功績がある。信頼は確かなモノになった。正式にパーティに迎えるよ」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
また抱きついてくるし!
最近は、フルクも慣れたのか嫉妬で膨れる事もなくなった。寧ろ、率先してメイド服に身を包んでいた。あの……この屋敷、メイドだらけになりそうなんですが。いや、既にか。
あのフェルスですら、メイド服。
どうやら、女性陣でメイドブームが起きているようだ。というか、マルガのせいだな。
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