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チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?  作者: 桜井正宗
建国編

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第70話 四分統治・テトラルキア

「大丈夫。離れる必要はないし、マルガは今まで通りでいい。元は君の領地なのだから、当然の権利なんだよ」


「で、でも……分かりました。そう仰られるのでしたら、主様のお言葉を信じます。わたくし、たいした事は出来ませんけれど……お支え致しますね」



 俺から離れるマルガの顔に、もう不安はなかったように思えた。……あれ、まだ何かあるのだろうか。



「大丈夫、きっと上手くいく。そんな深刻になる必要はないさ」


「ええ、ですが……魔王もそうですが……」


「ん、なにか懸念が?」



「カエレスエィス帝国です。最近、わたくしの方に『交渉』がありまして……実は、主様を帝国の大英雄にしたいと皇帝陛下から要請がありました。

 魔王代理であったサフィラス伯爵討伐など数々の活躍の他、わたくし、グラティア辺境伯の領地を譲渡され、主となったのなら帝国に下ったと同義であると。つまり、陛下はこう仰りたいのです……。帝国とこの領地は併合され、アウルム様を真の英雄として(あが)(たてまつ)ると」



「皇帝が……。だけど、その要請には同意できないな。帝国は今になって俺を認めるわけか。もう遅い……遅すぎるんだ。俺は建国するって決めたんだ。帝国が敵になろうとも、俺は前へ進み続けるよ。そうだろう、マルガ」



 少し意外そうな顔をして、マルガは嬉しそうに(うなず)いた。そうだな、マルガは、伯爵から嫌がらせを受けていたし、死にかけてもいた。それを助けなかった帝国に不信感があるらしい。



「そう言って戴けて安心しました。主様について良かったです」

「そ、そう素直に言われると照れるな」



「も~我慢できませんっ♡ 主様ぁぁん♡」



 ぴょーんとマルガは飛び跳ねてきた。

 あぁぁ……やっぱり、マルガはマルガだった。



 まあいいけどなッ!



 ◆



 ――翌日――



 EXダンジョンに『イニティウム』、『パルウァエ』、『カリブルヌス』のほとんどの住人を集結させた。



「皆さん、まずはお集まり戴き感謝します。これより、建国を宣言します!!」




「「「「「おおおおおおおおッ!!!」」」」」




 ついにこの日がやって来たのだ。

 俺は堂々と国の名を宣言する。




「――我が国の名は『フルクトゥアト』です!」




「「「「「うおおおおおおおおおおッッ!!!」」」」」




「えぇッ!?」



 目を皿にするフルクが俺の方へ振り向く。

 ガタガタと震えて、顔を真っ青にして……今にもぶっ倒れそうだった。……ちょっと、いきなりすぎたか。住人達のテンションもおかしくなってるし。



「ま、まさか聖女様の名前とは」「なるほどなぁ、悪くはねえ」「むしろ歓迎だな」「フルク様の名前かあ、いいじゃないか」「聖女様って可愛いからな」「あぁ、俺はあの銀髪がたまらん」「いや、アクアマリンの瞳だろ」「フルクトゥアト……良い響きだ」



 ざわざわっと感想が飛び交う。




「皆さん、ご存知の通り『フルクトゥアト』は、四分統治(テトラルキア)となります! よって、四人の皇帝がこの瞬間に選ばれるのです。まず、俺です」



「おぉぉ」「だろうな」「当然だ」「勇者様だしな」「俺たちの英雄だ」「違いねえ」「うんうん」「異議なし」「問題ない」




「残りの皇帝ですが、グラティア辺境伯ことマルガリータ、ユウェンス……そして、メディケさんです」



 マルガとユウェンスに関しては、みんな納得していた。だが、最後の人物を発表すると――




「なにいいいいい!?」「メディケさんだと!?」「びっくりだ!!」「あの闇医者が!?」「うそだろ!?」「えぇッ!?」「ありっちゃありだけど」「あの人がぁ……?」「まあ腕は確かだが」「でも、医者だろう?」「いいのか?」




 ――ちなみに本人は。



「……わ、私が皇帝!?」



 気絶して、ポテっと地面に倒れた。

 フェルスが呼びかけているが、反応がない。

 いかん、心臓に悪すぎたか……。

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