第67話 勇者の聖剣
「――――馬鹿なァ!!」
吹き飛んで宙をクルクルと舞う腕。キメラの右腕を切り落とした。腕の持ち主であるセクンドスは意外そうに驚き、焦って後退していく。
俺の聖剣・インペラトルの攻撃力は予想以上の火力を誇った。こんなに威力があったとはな。面倒臭くてアイテム詳細を見ていなかったぜ。でもまあ、S級武器だから当然の攻撃力だろうとは思っていた。
「俺のメインスキルは【レベル投げ】だけど、その前は剣技を極めていた。何故なら、俺はレベル0だからだ。だから、その不足分を補うためにも努力する必要があった……その名残で剣スキルがいくつかある」
「……アウルム貴様! だがな、腕を切り落としたくらいで得意気になられては困るな。この通り……再生可能なんだ!」
キメラの能力だろう、腕がニョキっと生えてきた。再生能力も高いわけか。
「そうか。で、何でお前はそんなキメラ野郎になって復活した。お前は、サフィラス伯爵の操り人形として、最期は爆発四散したはず」
「……そうとも。私は勇者としての地位を失い、その実は魔王候補であった。だからこそ、次期魔王として振舞おうとしたのだがな。あの伯爵が余計な真似を……おかげで肉体を失い、私は絶命したはずだった。だが、ある御方が私を復活してくれたのだよ」
「ある御方?」
「そうだ。私の肉片を使い……キメラとして蘇生してくれたのさ。まさかあの人がそんな能力を持っているとは思わなかった……でもいい、こうして復讐する機会を与えてくれたのだからな!! アウルム、今度こそお前を……真の勇者であるお前を……殺す!」
触手を何十本も生やすセクンドスが襲い掛かってくる。だが、こちらは聖剣・インペラトルと極めし剣技。
「そうか、けどな……お前は冒険者や村を襲った……犠牲者も出ている事実がある。セクンドス、俺はお前を許さん!」
この聖剣なら耐久値なら、このスキルを使っても問題ないはずだ……!
『エンチャント:バーサーク……!!』
ドドドドドと、地面が揺れると共に刃が緋色に染まる。膨大な魔力を消費するが、攻撃力と攻撃速度を『10倍』にする効果がある。
その代償として、装備している武器が破壊される場合があるが、かなりの低確率。デメリットは、片手・両手剣専用スキルなのと、魔力消費大とエンチャント終了後のクールタイムくらいだろう。10分もあるので、連続使用は出来ない。
「覚悟しろ、セクンドス!! たぁああぁッツ!!」
「な、なんてスピードだ!! だが、それでも!!」
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