94.踏破者、魔族から情報を得る。
新年あけましておめでとうございます。
年末の不摂生で体調不良の作者です。
皆様も健康にはお気を付けください。
それでは続きをどうぞ!!
「【竜人化】」
俺はまず熟練度上げ中のスキルを使用する。
【竜人化】は身体能力を大幅に向上させるスキルだ。
前回使用した際に変身中の縮地の移動距離が跳ね上がっていることを確認済みだ。
「【縮地】」
一瞬で森の中に移動し、振り返る。
そこには木に隠れて森の外の様子を窺う男が2人いた。
縮地によって脇をすり抜けられ、今背後にいる俺には気付いていないようだ。
顔はこちらを向いていないので分からないが、頭からは角が見える。
魔族で確定だ。
「…男の方が消えた?」
「どういうことだ?【幻影】か?」
「わからん。だが、近くにはまだいるだろう。」
ええ、後ろにいますとも。
もう少し会話させておけば何か重要な情報こぼすかな?
「ハンター風だがどうする?ここで襲撃するか?」
「一対一ならまぁ勝てるだろ。男の居所が分かり次第仕掛けよう。」
とりあえず襲撃目的なのは確定かな。
そしてこいつらは魔族は人族より優れた能力を持っているという一般論でお一対一なら勝てると考えているようだ。
相手の力量を図る術や感覚は有していないと。
「…出てこないな。仕掛けるか?これでノルマ達成だろ?」
「そうするか…。お前が女をやれ。俺が男を警戒する。」
ノルマ…。
つまり何かの組織に属していて、こいつらはそこの命令で動いているという事だ。
まぁ後は無理矢理吐かせるか。
俺は今まさに森を飛び出そうとしている魔族の一人を背後から蹴りつける。
「がっ!?」
蹴り飛ばされた男はそのまま吹っ飛び地面を転がる。
「なっ!?お前いつの間に!!」
もう一人の魔族が突然の出来事に驚愕している。
隙だらけだな。
一歩で接近して回し蹴りを放つ。
魔族の男は碌に防御も出来ずに吹き飛び、もう一人と同じように地面を転がる。
俺は転がる二人へ近づき、その首根っこを掴むとシファの元まで移動する。
途中、一人がナイフのような刃物を取り出して攻撃してきたが無視した。
鉄壁を使用している俺を傷付けられるようなレベルの敵ではないので問題ない。
「シファ、拘束頼む。」
「わかったわ。【光拘束】」
シファの魔法により男達は体、手首、足首を光輪で拘束され身動き取れなくなる。
二人並んで地面に寝頃がされている状況だが、その顔は揃って恐怖しているように見える。
「お、俺達をどうするつもりだ?」
「ん?ああ、知っていることを洗いざらい話してもらおうか。まず、お前たちはなんで俺たちを襲ってきたんだ?」
「……………。」
どうやら簡単には話すつもりがないようだ。
まぁこうなるだろうとは思っていたが。
「シファ、やってくれ。」
「ん。【強制自白】」
シファに魔法をかけられた男達は意識が朦朧となり、視線が定まらなくなった。
元辺境伯に使用して悪事を洗いざらい吐かせるつもりだった魔法だ。
実際見るのは初めてだが…。
結構ヤバい魔法なのでは?
なんか自意識を失っているようだけど、証言能力あるのか?これ。
「えーっと、何で俺達を襲ったんだ?」
「…我々の任務だからだ…。…本隊の侵攻作戦前に人族の戦力の削減の為、斥候部隊に任務が課されている…。
「本体と言うのは魔境にある拠点に居るのか?人数は?」
「…ああ、そうだ…。…本体は3000人で構成されている…。」
「全員が建設中の拠点に居るのか?」
「…全員いる…。」
「そんな人数で何してるんだ?」
「…拠点警護が200人、森内の哨戒に300人、それを交代で行っている。」
この魔法凄いな。
ペラペラしゃべるじゃん。
まぁ偽の情報を持っている可能性もあるから鵜吞みにはできないが…。
この調子でどんどん聞いていこう。
◇◇◇◇◇
「最後の質問だ。何故人族を襲う?」
「…人族は下等種族のくせに、その数を増やし過ぎた…。…上位種族である魔族の脅威となるなら駆逐せねばならん…。」
「誰かに強制されてってわけじゃないんだね?」
「…我々の意思だ…。…人族は滅ぶべきだ…。」
んー。
魔族ってこういう思想の持ち主なのか?
全員がそうとは限らないけど、わざわざ攻めてくるくらいだから大体はそんな感じなのかな?
「とりあえず、今拠点に居る魔族は殲滅で問題なさそうだな。」
俺は腰かけていた岩から腰を浮かせる。
「こいつらどうするの?」
シファが転がる2人を指さしている。
「ん?解放ってわけにはいかんだろ。別の人が襲われても寝覚めが悪いし。」
そう言うと俺は短剣を抜き、男二人の首へと突き立てていく。
「…無抵抗の相手を殺すことに躊躇いがないのね。」
「人を殺す覚悟なんてとっくにできてるからな。害になる奴なら手心も加える必要ないしな。」
ある程度の情報も得たし、もう作戦決行までにやっておくべきこともないな。
「じゃ、鍛錬するか。【竜人化】」
「え?鍛錬って本当にするつもりだったの?」
「当たり前だろ?いつ自分より強い奴が出てくるか分からないんだ。あの時ちゃんと鍛錬しておけばってならないように時間があったら鍛錬だろ。」
「ジークは強くなる前にやる事があると思う。」
「なにそれ?」
「一般常識とか、周りの人の気持ちとかを勉強するべきよ。」
「十分できてるだろ?」
一般常識なんて言わずもがなだし、人の気持ちもある程度理解できているはずだ。
まぁ本当の所どうかってのは答え合わせ出来ないのだから喜怒哀楽位が分かれば問題ないだろう。
だが、シファの感覚は違うようで、大仰にため息をつかれた。
…解せん。
空気を読めない人は空気を読めていないことに気付いていません。
そう、だから作者は空気が読める人間だと思っています。
他人にどう思われようと知ったこっちゃありません。
きっとジークさんもそう言う気持ちなのでしょう!!
もう少し読んでみてもいいと思っていただけましたら評価、ブックマークよろしくお願いします!!




