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第8話 オレに死亡フラグが立った!

時は流れ、試験前の試験勉強期間となり、部活動休止の命を下されたオレ達学生。だが、オレはそんな事を気にせず、オカルト研究部に直行。ついでに、篠崎楓もオレに着いてきた。勉強してろよ、と言いたい所だったが・・・

「き、気にしないでねっ。私が勝手に部活に参加するだけだからっ」

顔を赤く染めた篠崎楓が少し怒り気味で部活参加の意を表すが・・・オレが何をしたのだろうか?申し訳無いが、篠崎楓に暴言や暴行、その他をした記憶は無い。女の子にそんな事する気さえ微塵もない。

「分かったよ。でも、ありがとな?オレとレイとじゃ寂しいから、参加するだけでも嬉しいよ」

「・・!いやいや、そんなっ」

篠崎楓は顔を左右に大きく振る。ちょっと気を使いすぎたのだろうか?篠崎楓は気まずい表情を浮かべていた。これ以上、気を使わせる事は無いように、オレ達はオカルト研究部へと向かう。

「よし、行くぞ、篠崎」

「ぅ、うんっ。うふふっ」

篠崎楓はオレの背に着いてくるように、歩いていた。だが、それも、照れ笑いの表情でオレの後姿を見つめていた事なんて、前を向いているオレには分からなかったのであったーー。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「『あ、直斗、楓、待ってたよ~。それより、お客さんが来ているよ~』」

オカルト研究部の部室へ入ると、レイが笑顔で出迎えてくれた。って、いつ篠崎楓と仲良くなったのだ?名前で呼んでいるじゃないか。別にダメとは思わないが、仲良くなる事は大切だから、そっとしておこう。

「へ?お客さん?誰?」

篠崎楓は辺りをキョロキョロと見渡し、客が人間・・だと当たり前のように信じ、人間を見渡すが、当然人間なんて、オレと篠崎楓以外は居ないのだ。

「『あ、そっか、私の能力の事、教えて無かったね?私はーーー』」

レイは掻い摘んで自分の能力の事を何も知らない篠崎楓に教えた。すると、篠崎楓は・・・

「・・・え?あの世とこの世の世界を繋げて、死者の魂をこっちの世界に呼べるという事なの?」

目を見開き、口をパクパクと動かしながら、驚きを隠せないでいる。もちろん、当たり前の反応だろう。

「『うん、そうだよ?』」

「・・・頭が痛くなった」

篠崎楓は頭を抱えた。気持ちは痛い程分かるが、この部活に入った事を後悔しなければいい。普通なら、後悔どころではない気がするが・・・それよりも客人だ。

「すまんな、最近はドタバタしていて・・・」

オレは幽霊の目の前に近寄り、謝罪する。

「『いいえ、私は気にしていませんよ』」

その幽霊は甲冑を着た女性だ。少し茶色がかかった黒の長髪で、顔立ちはフランス人形のように美白でキレイな女性だ。

「よし、本題だ。お前の依頼を聞こう」

「『ええ、では・・・こほん』」

幽霊は咳払いをした。新鮮だな~・・・

「『最近、この近くに大きな悪霊が出現していますよね?その悪霊をあなたが・・・』」

「ちょ、ちょっと待ってください!悪霊ってどういう事ですか?!説明してください!」

篠崎楓は甲冑を着た幽霊の説明を遮った。そういえば、悪霊の事なんて話していなかったな・・・この際だから、ちゃんと説明しよう。

「篠崎、オレ達は雑用の仕事や悪霊退治の仕事を請け負っているんだ。だから、悪霊退治の仕事もこうやって来るんだ」

「なっ、何よ、それ・・・ひょっとしたら、し、し、死ぬかもしれないのよ!?分かってるの!?」

篠崎楓は身体を震わせ、オレ達の心配をする。だがな、これだけは言いたいぞ?篠崎楓よ。

「確かに。だがな・・このまま放っておくのも、人々の迷惑になるじゃないか?それに、困っている人を放っておけない性格だからな、オレ」

「で、でもっ!それとこれとは「篠崎!」!!?」

篠崎楓の言葉を遮り、大声を出してしまう。それにより、レイと依頼主である幽霊もビクッと驚いてしまう。

「これはオレにしか・・いや、オレ達オカルト研究部にしか出来ない仕事なんだ。他の人なんかに無理な仕事なんだ・・・だからこそ、その仕事に胸を張って、頑張れるし、誇りに思う。こんな理由じゃ、命を張れないか?篠崎」

オレは篠崎楓を真っ直ぐに見据えていた。そんな篠崎楓は顔を赤く染め、もじもじと身体をくねらせる。

「ぅ・・分かった。私も、手伝うよ!その悪霊退治も、色んな雑用も!めげずに頑張るよ!」

篠崎楓は両手をグッと握りしめ、やる気を見せる。その様子にオレはほっと一安心した。

「『か、カッコイイ~。直斗、ステキ~・・』」

レイはオレの熱弁に目をトロンとさせ、頬に朱を浮かばせていた。レイは、きっと眠かったんだろう。そうに違いない。

「『あ、あのぉ~、もうお話しても、よろしくでしょうか~?』」

「!!?す、すまん。さっきのは忘れてくれ」

依頼主を放っておいて、ダラダラしていたので謝罪し、改めて依頼内容を聞く事にした。

「『それでは、もう一度言います。最近、この世に大きな悪霊共がだんだん増えてきていますよね?』」

「ああ、そうだな」

「『それは、ある悪霊の仕業です』」

「何!?」

依頼主である幽霊の説明に耳を疑ってしまう。ひょっとするとラスボス的存在の悪霊なのだろうか?

「『その悪霊は、とても強く、ハッキリ言って、誰にも勝てません。ですが、強さを見せつける事によってその悪霊は逃げるのです』」

何なんだ?その悪霊。だが、そこまで強いという事を耳にしたオレは自然と笑みがこぼれてしまう。

「『依頼内容は、こうです。私が説明した、ある悪霊を迎撃または・・・出来ないと思いますが、退治してください。』」

「そうすると、デカい悪霊は、もう出てこないのか?」

「『・・・いえ、どこかに拠点を作り、その付近にまた悪霊を出すかもしれません。こればかりはどうしようもありませんね・・・』」

完全に参った・・・ある悪霊を倒さない限り、悪霊は増殖し、この世に何らかの影響を起こすだろう。だが、そのある悪霊は、とても強いらしく、絶対に勝てないという事実があるらしい。この依頼主談なのだが、ここまで警戒するなんて、ハッキリ言ってオレは、この依頼で死ぬかもしれないと、緊張感を持った。

「なるほど、な。で?その悪霊はどこに現れるか分かるか?」

「『この地の近くですね。最近、あの辺りに拠点を作っているらしく、しょっちゅう出現するようです』」

依頼主は指を外に向け、オレ達もそこへ視線を移す。その場所とは・・・

「え!?う、ウチの学校の運動場!?」

篠崎楓の驚きの声の通り、運動場である。ちょうど、部活休止の時期だし、運動部を始め、生徒は一人も居ないのだ。

「へぇ・・・で、どんな特徴しているかを聞いていいか?」

「『はい、それはーー』」

悪霊の姿をじっくりと説明する依頼主。オレ達はその言葉に耳を疑いながら、驚きを隠せないでいた。

「・・・・・・なるほど、な」

しばらく間を開けないと喋れない程驚いた。まさか、アレが来るなんて想像出きる事は不可能だ。

「篠崎、相手が悪すぎる。篠崎は、ここで留守番してくれ・・・」

「・・!で、でも、私だって、役に立つよ!この前、決めたんだもん!」

「篠崎!」

オレはどうしても共に行きたいと言う篠崎楓の両肩をガッと掴む。そして、目線を篠崎楓の目に合わせる。

「・・・頼む、篠崎を守れなかったら、オレだけ助かっても、オレは後で死ぬかもしれない」

真剣な眼差しで篠崎楓を見る。すると、覚悟が出来たのか、真剣な表情を浮かべ、篠崎楓はコクりと頭を頷ける。

「よし、分かったなら、ここで大人しく待っていろ」

篠崎楓をイスに座らせ、待機するよう指示を送り、オレはオカルト研究部の部室を出ようと扉の前まで向かう。

「申し訳無いが、依頼主さんよ・・・その子を見守ってくれないか?」

「『・・・ええ、承知しました。気をつけてください』」

依頼主に篠崎楓を任せてもらう。仕方ないが、ガマンしてくれると助かる。

オレはドアノブに手をかけ、大きく深呼吸をする。

「・・・じゃあな、篠崎」

思いっきり、死亡フラグを立ててしまうオレ。だが、これで死んでも悔いは無い。何故なら、人類の為の戦いなのだからだ。世には絶対、広がらないが、篠崎楓だけが知ればいい。

オレは運動場へと猛ダッシュで向かい、誰も居ない事に、ほっと一安心する。こんな所で氷を出しているのを見られたら、めんどくさい事になりかねないからだ。

「さて、と・・レイ、憑依しろ」

「『うん!憑依トランス!』」

レイはオレの身体にスゥと入り、憑依した。だが、オレは意識を操られない。しかし、そのおかげなのか知らないが、冷気を操る能力が目覚めたのだ。

「・・・おい、悪霊よ。出てこい」

オレは悪霊を呼び、それに応えるかのように、ソイツは地面からズズズ・・と沸き上がるように現れた。この世のモノとは思えないヤツが・・・

「・・・フッ。やっぱ、どう見ても、アレ・・・だな」

禍々しい霊気を出すソイツに冷や汗を流しつつ、ただただソイツの正体の全貌を見守るしかなかったのだったーー。

ーーーーーーーーーーーーーーー

一方、篠崎楓は・・・

「・・・決めた!神谷くんが私を発見出来ない所まで行って、出来るだけ近くで見よう!」

居ても立ってもいられず、オカルト研究部を出ていったのであった。

「『うふふ。あの人の命令は、見守れとしか言っていないから、命令違反ではありませんので、私も着いていきます』」

依頼主の女性まで楽しそうにしていた事なんて、神谷直斗は知る由も無かったのである。

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