第7話 オレに女子からモテる筈はない!
現実に神谷直斗みたいな人がいればな・・・みたいな願望を抱いた物語です。
学校一の美少女、篠崎楓がオカルト研究部に入部したとの噂が一気に学校中に広がり、もはや知らない生徒は一人もいない状況にいた。
それもその筈、学校一の美少女だからだ。それ以上の理由は見つからず、ある事件で困り果てた。それは・・・
「神谷!俺もオカルト研究部に入りたいぜ!」
「神谷ぃ!篠崎を一人占めにさせるか!」
「ぼ、ぼ、ボクも入りたんだなぁ、ぶひぃ」
男子諸君による入部希望の数の多さだ。ほぼ全校生徒の男子から申し込まれるのだ。そして、誰だ?オタクっぽいヤツは・・・
「神谷!テメェだけは許さねぇ!」
「そうだ!例え、お天道様が許しても、俺達が許さねぇ!」
「そ、そ、そうだ!そして、あわよくば篠崎さんと付き合いたいんだ、ぶひぃ」
毎度毎度オレにちょっかいを出してくる野郎共。そして、オタクよ、下心丸見えだぞ。少しは隠せ。そして、夢は絶対に叶わないだろう。
「・・・はぁ」
オレは思わずため息を吐いた。毎日のようにオレをからかい、オレをイラつかせ、どうしても気に入らない事は分かったのだが、オレにどうしろと?
「じゃ、オレは篠崎を諦めるから、自由にしてくれ。それなら、部活に入らなくてもいいだろ」
ならば、こう言うしかないのだ。
「ほ、本当だろうな!?」
「ウソついたら本当にハリセンボン飲ませるぞ!」
「ほ、ほ、ホントかい?なら、篠崎さんに・・・ドゥフフフ」
毎度毎度よく飽きない奴らだ。そして、オタクよ笑い方が気持ち悪いんだが・・・そっとしておく事にした。
さて、本日も学校の授業なので、それなりに頑張って、楽しみなオカルト研究部へと出向く事にしよう。
「あ、神谷くん。次の時間は、体育の時間だってね。男女混合のバスケをやるらしいけど、楽しみだね」
すでに体操服姿になっている篠崎楓。白いシャツに青いズボンという体操服だったのだが、学校一の美少女がそれを着たら、完璧に似合っていて、篠崎楓の背景に花束と天使が見える・・らしい(※男子談)
オレは霊感があるが、そんなもの見えないし、見えなくてもいいが、とにかくどうでもいい。
そんなオレ含む一年生は、体育館に集まり、準備運動を済ませ、適当に5人ずつチーム分けする。オレのチームには篠崎楓とその友達の女の子。それと、オタクっぽい男子とモブキャラっぽいヤツ男子二人というチームだ。もちろん、オレがリーダー的存在らしい。
「よっしゃー、しまっていこー」
「ふふふ。神谷くん、それは野球で言う言葉よ」
篠崎楓のツッコミを聞き流し、いざプレイ開始。相手チームは絵を書くかのようにモブ男子3人にモブ女子2人だ。
「プレイしたまえ」
体育教師の開始の笛と共にオレとモブのジャンプボールから始まり、オレの背が高いので有利となり、オレはボールをチームの誰か目がけて叩き、オレのチームがボールを手に取った。
「楓ちゃん!パス!」
どうやら、女子がボールを持ったらしく、近くに居た篠崎楓に渡した。そのボールをドリブルし、男子のディフェンスを難なくかわし、開始30秒でシュートを決めた。篠崎楓は運動神経がいいので、これぐらい簡単な事だというのだ。
「キャーッ!」「おおーっ!」
篠崎楓がシュートを決めた事により、体育館にいる者全員、大はしゃぎ。男女問わず、頬に朱を浮かばせ、篠崎楓に魅せられたのだが・・・男が照れる所は、ハッキリ言って見たくない。
「神谷ぃ!そっちにボール来ているぞー」
オレがわき見している間に、相手チームが速攻。モブ男子がドリブルでオレのチームのバスケットゴールに向かって突進。
「やれやれ・・・」
素早い身のこなしで、モブ男子からボールをカット。そして、ドリブルし、相手チームのディフェンス4人がオレの目の前に現れた。そして、オレを囲むように、陣形を組んでいる。
ゴールはちょうどスリーポイントシュート範囲の線だ。オレは、勢いよくジャンプ!する振りをした。
「!!?」
オレの正面のヤツはオレのフェイントで飛んでいた。オレはここだとチャンスを逃すまいと、ジャンプし、ボールを弧を描くようにシュート。そして、入った。
「スリーポンイトだ。三点追加」
体育教師は驚く表情も見せず、淡々と審判をしている。だが、女子達は・・・
「キャーッ!」「神谷くん、カッコイイー!」「ステキー!」
オレに黄色い声援を送っていた。それを聞いた男子達は・・・
「チッ」「滑って無様にこけろ!」「憎たらしいイケメンが!」
怒号の声をあげる。オレが何をしたのか分からないが、何故オレに恨みがあるのだろう?よく分からん。
「よし、まだまだ行くぞ」
オレは気を取り直して、バスケに取り組む事にした。オレと篠崎楓の活躍により、大量に点数を稼ぎ、篠崎楓には皆による大絶賛の応援。オレには黄色い声援と憎しみの声による応援を送られ、体育の授業が終了したのであった。
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「楽しかったね。神谷くん」
「そうだな」
放課後になったので、オレと篠崎楓はオカルト研究部へと向かい、部室で今日あった出来事を話していた。レイはただそれを頬を膨らませ聞いていた。
「来週から試験があるらしいんだけど、部活どうなるの?」
「そうだな、試験勉強期間で、部活休止になるが・・・そんなもの関係無い。部活動をやらなければいいだけの話だ」
そしてオレ達の本当の仕事である学業の話もしていた。それもレイは頬を膨らませ、聞いている。なんだんだ、さっきから・・・
「『むぅー!つまんないつまんないつまんなーい!つまんない!』」
「・・・何回つまんないって言っているんだ・・・」
「『え?えーと・・・数えてないよ~、えへへ~。もう一回言ってあげようか?』」
「いや、いい」
オレはレイの話を終わらせる事に成功・・・したかと思いきや、レイは、はっと気づき、またも頬を膨らませ、怒っている。お前、子供っぽいな。
「『さっきから、直斗と篠崎さんがいちゃいちゃしているもん!』」
「へ?!!なななな、何を言っているの?!レイ!そ、そ、そ、そんなに、いちゃついてないわ!」
篠崎楓は顔を真っ赤にし、両手をブンブンと振り、盛大な拒否反応を示す。本当にオレの事が嫌いだと火を見るより明らかだな。
「『私だって、負けないもんっ!直斗~ぉ、頭なでなでして~』」
レイはオレの腕にがっしりと抱きしめ、頭をグリグリオレの胸に擦りつける。レイのスキンシップに背筋がゾッとするが、日に日にスキンシップがエスカレートしているのは気のせいだろうか?
「じゃれるな。お前は猫か」
「『はっ!直斗がそう言うなら、私、猫になるよ!ごろにゃーん!ごろごろぉ~』」
オレの不適切な言葉にレイはそれに思いっきり乗っかった。レイは猫のようにオレに身を寄せながら、頬ずりをしてくる。それにより、寒気がしてしまう・・・
「チッ。しまった・・・オレとした事が・・・」
後悔先に立たずとは、この事である。すでに終わった事を、いくら後で悔やんでも取り返しがつかないという事なのだ。
「『にゃーんっ。ごろにゃ~ん』」
「・・・参ったから、止めてくれ」
オレが降参する声を聞いても耳を貸さず、オレを抱きしめるレイ。それを睨む篠崎楓。恐ろしいが、口が裂けても言えないので、胸にしまっておく事にしたのだ。
「・・・もう知らないっ!プイっ!」
篠崎楓は顔をそっぽに向けて、レイによるスキンシップを見ないようにしたのだが・・・篠崎楓よ、お前も子供っぽい事するなよ・・・まさか、怒るとそうなるのだろうか?ならば仕方無いという話だが、オレが指摘する話ではないので、そっとしておいた。
「・・・それはそうと、ジャックフロストの事を調べにこの部に入部したんだろ?」
「・・・あ、忘れてた。最近、色んな事が起って、それどころじゃなかったから・・・うふふ。私って、どこか抜けているね」
篠崎楓は舌をペロリとだし、可愛さをアピールするのだが・・・レイを見てみろ。何か、こう、般若の顔になっているぞ?怖いわ。
「この事件が人の手による犯行なのか自然現象なのかは、さておいて、ジャックフロストの正体を掴もうね?神谷くん」
「・・・おう」
ジャックフロストの正体がオレだとバレたらどうなるのだろう?警察に通報するのか?だが、そんな事はどうでもいい。秘密を隠し通せばいいだけの話。
「まず、ジャックフロストが最初に出現した場所だ。ニュースでは、この町で発見されたと言ってたな」
「うん、そうね。でも、真似する人が増えて、全国各地に広がっているから、本物のジャックフロストが見つかりにくいんじゃないかな?あ、もちろん、人の手による犯行としても見ているから、犯人と言ってもいいよね?」
「おう。その犯人は、一体何がしたかったのかも気になるが・・・何故、氷を撒き散らす必要性があるのか・・それも含めて推理しないとな」
オレと篠崎楓はアゴに手を添えて、いかにも推理していますよアピールをする。だが、その空気をぶち壊すかのように、レイはアホな事を口走ってしまう。
「『あ、分かった!きっと、かき氷を食べていたんだよ!犯人は食いしん坊で、辺り一面に氷が飛び散る程に行儀が悪くなっていたんだよ!』」
「「・・・・・・・」」
オレ達は絶句。オレとしては、助かる助言なのだが、ハッキリ言って、バカが考える推理だ。
「無しだな」
「うん、それだけは絶対に無いね」
「『ええ~!?すごい推理なのに~!ぶぅ~!』」
「さて、オレの推理ではな・・・」
「『えー?!私を無視しないでー!』」
オレ達はレイのぶうぶう文句言っているBGMを耳に聞き流しながら、ジャックフロストについて、熱く語っていたのであったーーー。




