第6話 オカルト研究部に新入部員が入った!
なかなか読者が集まってこないですね・・・
テーマが悪いのだろうか?それとも、私の作風がいけないだろうか?
色んな小説を見たのだが・・・主人公目線の小説ではない第三者視点の小説が多い気がする・・・
う~む、どうしたらいいのでしょうか・・・
「篠崎。この幽霊はだな・・」
「・・!や、やっぱり幽霊なの?!キャァァァ!」
篠崎楓はレイの力によって、霊感が芽生え、幽霊が見えるようになってしまった。その幽霊に恐怖し、その場にしゃがみ込み、耳を抑え、何も聞きたくないと強情を張っている。
「『直斗・・やっぱり・・・』」
レイは今の状況を見て、自分の存在を受け止められなかったという事実が脳にインプットし、悲しみの感情で胸がいっぱいになって俯いていた。
だが、諦める事は無いと思うオレは、篠崎楓に近づき、肩をポンと叩き
「篠崎!聞いてくれ!」
大きな声で篠崎楓に声をかける。
「ぅぅぅ・・」
恐怖のあまり、泣いてしまった篠崎楓。その目は赤くなり、涙もボロボロ流していた。普通ならその反応が大正解なのだが、オレとレイにとっては不正解だ。だから・・・
「篠崎。この幽霊は、悪い幽霊じゃないんだ。ほら、オレさ、このオカルト研究部に入部してるだろ?なのに、オレが幽霊による何らかの影響は無いだろ?性格が変わったとかさ・・・」
オレは篠崎楓に、このレイだけは悪じゃない事を精一杯伝える。その後、その存在を受け止めるか受け止めないかは篠崎楓の自由だから、その答えもオレとレイは受け止めなければならない。
「・・・でも、ちょっとだけ変わったよ?部活の話になると、すごくイキイキしているもん。中学の時は、それなりにイキイキしていたけど・・今は、それ以上だもん」
そうきたか。確かにオレは、中学まで幽霊が見えて、たまに話すだけだったが、今は違うのだ。レイとの出会いで人生が大きく変わった。あの世で悩む幽霊の依頼を受けて解決するという、他の人間では体験出来ない事をやってのけているからだ。
「と、とにかく、幽霊は怖いの!幽霊は出ていけ!」
篠崎楓は大きな声でレイに叱る。その言葉を聞いたレイは
「『ぅ・・ぐすっ・・ふぇぇ・・イヤだ・・うぅ・・』」
涙を大量に流しながら嗚咽交じりで反論を交わす。オレはフォローしようとしたが、やっぱり止めた。これはレイと篠崎楓の問題なのだから。
「『グスン・・イヤだ・・イヤだよぅ。直斗と一緒がいいもん・・・』」
「・・・え?」
ようやくレイに耳を向ける篠崎楓。少しずつなのだが、レイの存在を受け止めようとしているのが目に見えていた。よし、この調子だレイ。
「『わ、私・・・直斗の事が、す、好きなんだもん』」
「え?」
人の告白に驚く篠崎楓。オレも、え?と言いたくなったが、好きじゃなかったら余計にベタベタくっつく事はないだろうと考え、発言しなかったのだ。
「『私・・嬉しかったんだ。私の事が見えて、怖かった筈なのに、驚かなくて・・・それに、初めて私の存在を受け止めてくれた人だったんだから・・・』」
「・・・」
固唾を呑んで見守るオレ。篠崎楓はちゃんとレイの存在をしっかりと見据えて、ちゃんとレイの話を聞いていた。
「『私、直斗が居てくれて、助かったの。もし、直斗が居なかったら、って思うと・・・グスン。怖さと寂しさで泣いちゃう・・ぅぅ』」
レイは再度涙を流す。その涙を拭い、満面の笑みへと表情を変える。
「『だから・・・直斗と一緒に部活動やるのが心の底から楽しいと感じるの。直斗の笑顔が見れて、心がほっとするの。直斗が傍にいるだけで・・・死ぬほど嬉しいの。あ、私、すでに死んじゃっているけどね。えへへ~』」
レイは心の中に抱いた言葉を全て言い放ったからなのか、無邪気な笑顔を浮かべる。これから自分の存在を肯定されても悔いが無いように・・・
「・・・と、いう事だ。篠崎、何か質問、意見は無いか?」
話が終わったのを見計らい、篠崎楓に質疑応答の時間を与える事にした。
「・・・一つだけ、神谷くんにあるよ」
篠崎楓はオレに何か質問、意見があるのだろうか、頬に朱を染めて、オレに指を指す。
「・・・この事は、他の誰にも知らない事なの?」
「ああ。この場にいる者、全員しか知らないな」
「・・・そうなの・・・」
篠崎楓は俯く。人に相談しようとしても、信じられないし、女子だからある事情があってオレに話せない事もあるだろう。だから、考える時間が必要なのだ。
「時間が必要なようだな。入部届は一旦返す。これから、その入部届を出すも出さないも自由だ。提出期間は設けないから、よく考えてくれ」
オレは入部届を篠崎楓に返す。それを弱々しい力で握りしめ、自分の胸にそっと抱く。
「入部する条件は、オレ達がこの学校を卒業するまでの期間、このレイはもちろん、全ての幽霊の存在を受け止め、これからずっと幽霊と接する事を決意した後だ」
篠崎楓は弱々しい表情でコクリと頭を頷ける。
「レイ、篠崎の霊感を消してくれ」
「『うん、分かったよ直斗。私、待っているから・・・あなたが入部する事を・・・またね』」
レイは両手を広げ、その両手を篠崎楓に向けて、何らかの力で篠崎楓の霊感を無かった事にした。
「・・・消えた。本当に幽霊だったんだ・・・あの人・・」
篠崎楓はレイが見えなくなったおかげで、レイが幽霊だという事を再確認した。
「・・ねぇ、神谷くん・・」
篠崎楓は弱々しくオレの名前を呼ぶ。
「なんだ?」
「まだ、あの幽霊って・・すぐ近くにいる?」
オレはレイがいる所をチラリと見る。レイの様子は、俯いていて不安がっている。
「ああ、何か伝えるか?」
「・・・うん。時間はかかるかもしれないけど、少しだけ待っててね。ってさ・・・」
「・・だそうだ、レイ」
「『・・・分かった。私からも、信じて待っているって言って』」
「・・・レイからの伝言だ。信じて待っている・・だそうだ」
「・・・うん。私、帰るね・・・また、明日学校で会おうね、神谷くん」
「・・・ああ」
気まずい空気で本日の部活動は終了した。本来なら、あの世で困っている幽霊がいるかどうかをレイが見極めて部活は終了となるが、今回ばかりは部活動どころでは無いのだ。
「『・・・ごめんね。私のワガママであの人を傷つけちゃった』」
「・・いや、どうせこうなるんだ。早く言ってあげるのも、篠崎の為なんだ。気にするな」
「『・・・うん』」
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篠崎楓にレイの存在を暴露して、数週間経ったある日の出来事。
放課後になったので、オカルト研究部へと向かう事にしたオレ。しかし、篠崎楓に呼び止められたのだ。
「待って、神谷くん。やっと、答えが見つかったよ」
篠崎楓はキリッとした表情でオレを見つめる。が、何故か顔に朱が浮かんでいるのは気のせいだろうか?
「・・おう。その答えは、部室で聞くとしよう」
「うん」
オレ達はオカルト研究部の部室に向かい、部室の扉を開き、オレのみがレイの姿を発見した。レイもオレの姿を発見し、オレに向かって突撃してきた。
「『直斗~ぉ!』」
オレを正面から、離すものかとぎゅうぎゅうと抱きしめてきた。オレはそれにより、背筋がゾッとしてしまう。コイツ、数週間前の事は忘れてしまっているのか?と聞きたくなる話なのだが、オレを励ましているように元気でいる気がするので、そっとしておく事にしたのだ。
「『・・・あ、この前の人だ。やっと、来てくれたんだ・・・良かった』」
レイはようやく篠崎楓の存在に気づき、安堵の表情を浮かべる。
「神谷くん、私に幽霊が見えるようにして・・・」
「おう、レイ、頼む」
「『分かったよ。むむむぅ、そりゃーっ!』」
レイは両手を篠崎楓に向けて、何らかの力で篠崎楓に霊感を与えた。すると、篠崎楓は、幽霊が見えるようになり、レイと話せるようになったのだ。
「・・・久しぶり、幽霊さん」
「『・・・うん、そうだね』」
レイと篠崎楓の感動の再開。二人共、無邪気な笑顔を浮かべていた。どうやら、篠崎楓はレイの存在をしっかり受け止める事に成功したようだ。
「私、このオカルト研究部に入部します。私の名前は、篠崎楓。高校一年生です。これから、よろしくお願いします」
篠崎楓は改めて自己紹介して、頭を深々と下げる。オレ達も自己紹介しようではないか。
「オレは、神谷直斗。高校一年生で、このオカルト研究部の部長だ。こちらこそ、よろしくな」
「『私は、レイ。元・高校生でこのオカルト研究部の部員だった気がします。こちらこそ、よろしくお願いします』」
オレ達も軽く一礼。
「・・・ふふふっ、まるで夢みたい・・幽霊と話せる日があるなんて・・・友達に話したら、絶対に信じてくれないね。ふふふ」
篠崎楓は吹っ切れて、笑い声を漏らさずにはいられなかった。もう、レイの存在を当たり前の存在だと信じ切っているようだ。
「・・・フッ。これから面白くなりそうだな」
「『そうだね、直斗。えへへ~』」
レイはオレの腕を抱きしめ、満面の笑みを浮かべている。だが、何故か篠崎楓に睨まれているんだが・・・幽霊より怖いとは口が裂けても言えない。
「ちょ、ちょっと離れなさいよ!神谷くんが困っているんじゃない!」
「『え~?困ってないよ~。ね?直斗ぉ』」
レイは勝手な事を言うのだが、抱きしめながら上目遣いで甘えた声を出して同情させるな幽霊のくせに・・・
「離れて欲しいぞ、レイよ。寒気がするじゃないか」
「ほ、ほら!神谷くんの事をちゃんと考えてよ!」
「『なら、篠崎さんも抱きしめたらいいんじゃない?』」
「は、は、はぁ!!?な、なななな、なんでよ!」
篠崎楓は顔を真っ赤にして、両手をブンブンと振り、オレを抱きしめる事を盛大に拒否反応起こす。当たり前の反応だ。何故なら、篠崎楓はオレの事なんて、好きでもないし、そうする必要性なんて皆無なのだ。だが、盛大に拒否されたので、ちょっと心に傷ついた。そこまでオレが嫌いなんてな・・・
「『ほら、寒気がするって言ったし、抱きしめて温めたらいいんじゃない?それこそ、直斗の事を考えている唯一の手段じゃないの?』」
「た、確かに・・・ぁ、ち、違うんだからね!神谷くん!こ、これは言葉の綾というもので、つまり・・・その・・・はぅっ」
篠崎楓は更に顔を真っ赤にして、湯気が出て思考回路がショートしつつあるが・・・篠崎楓のこんな状態を見るのは初めてで、新鮮だ。
レイと篠崎楓のやりとりを見ながら、俺はこう思う。このオカルト研究部は賑やかになったと。霊感が無い者にとっては、静かすぎるだろうが、篠崎楓とレイのおかげでもっとオカルト研究部が面白くなるのではないかと期待が高まってしまう。
そんなありがたい事に感謝しつつ、ある言葉を捧げようではないか。
「・・・面白っ」




